2017/03/23 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 名無しの小屋」にエクシオさんが現れました。
エクシオ > 「あー…いててて」

山々にも負けぬ深さの森を行く中、不幸にも長年履き慣れた靴がダメになっていたようだ。途中で足を痛め、ちょっと痛々しそうに無事である右足に重心を傾けたまま不規則な足取りで進んでいく男。

「ってぇ…このまま歩き続けるのはしんどいな。どっかで休息を……」

戦闘による傷に比べれば流石に可愛いものだったので大した処置はしていないが、どこかでしっかり手当をしたい……そう考えている矢先、幸運にも森の中でひっそりと建つ小屋を見つける。…やった!!休めるぞ!!! 誰のものかはわからない。もしかしたら主がいるのかもしれない……。

「ごめんくだせぇ……ん?開いてる…?」

扉が閉まりきっていなかったようだ。…男は若干の警戒心を抱きつつも、迷わず扉を開ける。

すると、今頃散策中だった先客が、散乱した部屋の中を漁ってる とも見て取れる光景が目に留まる。貴方も、更なる客人の存在にすぐ気づくだろう。

「……えーと、一応聞くけど……家主さん?じゃないよな…?ってて」

そっと、怪我した片足を浮かせて。エルフの少女に戸惑いながら問う筋肉質な青年。

リリシア > (とりあえず、なんかお酒臭いし、部屋汚いし、物散乱してるし、部屋汚いし・・・この小屋は悪党の根城。間違いありません。なればこそ、その悪党である証拠。悪事の証拠を持ち帰らなければ。上手いこと油断して帰ってきた頭目を抑え、突き出すことが出来れば最上の結果となるだろうけれど、そこまで求めるのは少々無理があるというもの。であれば、証拠を。それさえ持ち帰れば、ギルドやら騎士団やら自警団も動くことが可能でしょう。 ――箪笥を開き、ベッドの下を覗き、隅に置いてあった袋を覗き・・・時々武器庫に納められた綺麗な刀に目を奪われたり、散らかった服を畳み始めたりと脱線しつつも、証拠を探す。 そんな、家捜しをしていればきぃ・・・と扉を開く音が届く。)

・・・あら?

(もしかして、悪党のお帰りかしら?なんて、思ったけれど・・・特にそういう訳でもなさそうだ。まぁ、勘・・・なのだけれど、悪党にしてはスれていないというか・・・そんな印象を受ける。)

・・・家主、ではないけれど貴方、怪我をしているの?

(いてて、と片足を浮かしてどこか怪我をかばうような歩き方をする彼。・・・見てて正直痛々しい。確かここには救急セットも散乱していたはずだけど・・・)

こちらにいらっしゃいな。手当くらい、してあげるわ。

エクシオ > 空き家にしては、偉く物で溢れ返っている。…が、どうにも主はガサツだったのだろう。随分と汚く使い続けていたようだ。…思い当たる節があるとすれば、根城にしていた悪党がそのまま御用になって主が不在となった…といったところか。

「だよな。こんなクソ汚ぇ部屋ちっとも似合わねぇもんアンタ」

そんな事だろうとは思ってた。相手の事情は特に気にする訳でもなく、一休みさせてもらえるか聞くよりも前に、相手がこちらの足に気づいた。

「ん…あぁ、靴がダメになって途中でごつごつした岩にでも擦りつけちまったかな。大した傷じゃねーんだが……すまんが頼んでいいか?」

若干だが血が滲んだ安価な靴はところどころ裂けたり破けたりしている。既にこれだけ汚い部屋なら多少己の血で汚れても構わないだろうと、先に居た少女のもとへ不安定な足取りで進めば、エルフの少女のすぐ近くで腰を下ろし、負傷した足を伸ばす。

「なんか、いかにも悪そうなやつが使ってた 的な雰囲気してるよな」

リリシア > それは褒められてる、と思ってしまっても?

(くすり、と微笑んで貴方に笑いかける。私としては・・・この辺りに盗賊が出る、という話であるし、つい最近まで使っていた様子がある。その為に今は開けているがその内戻ってくる可能性がない訳でもない、と考えている。だがまぁ・・・ちょっと手当をしてあげるくらいいだろう。それに――私は、強いから。もし戻ってきたとしても軽く捻ってみせましょう。)

成る程。道理で不安定な足取りをしていた訳だわ。 足、見せてもらうわね。

(そう彼に断りを入れて靴を脱がせる。そうすれば赤く腫れているか、傷を作っているか・・・はたまた両方か。どちらか分からないけれどとにかく何かしらのダメージを負っているのが見えるだろう。なれば、救急セットを使おう・・・と思うけれど、正直あまり状態はよくない。なんか黒ずんでるし、くしゃくしゃに丸まっているガーゼとかあるし・・・。)

・・・自分の使ったほうがよさそう。ちょっとしみるけど、我慢するのよ?

(ぽつり、と呟けばポーチから自分が持ち歩いている救急セットを使用しよう。 彼が作った傷口に傷薬を塗った後、持ち歩いている布を軽く水場で濡らし、きゅっ、と患部に巻きつけておこう。応急処置であるが・・・ないより多少マシだろう。)

――彼の者に安らぎを。

(そして、最後にぽつり、と呟くように小さな祈り、魔術を彼に施そう。高ランクの治療師や魔術師という訳ではない。本業は剣士であるが為にそんな強力なものではないが・・・多少の体力回復、治療促進にはなるだろう。 とりあえずの治療を施して)

エクシオ > 「そのつもりだけど、もっと気の利いた感じのでなくて悪ぃな!」

好意的に微笑む少女には、にっと歯を見せてワイルドな笑みを浮かべた。ガサツで野性的な印象を与える男ではあるが、彼女の目には悪人として映らなかったようだ。自分も捨てたものじゃないなと小さく内心喜んだ。 まぁ、汚れた一面もあるものなのだが。

「あぁ、すまんね。ただの怪我で良かったが、罠なんざ踏んじまってたらもっとヤバかったぜ。この辺でそれっぽいの仕掛けられてなかったか?」

靴を脱がされ、露わになった足はずぼらが災いしてか、擦り傷に雑菌でも入ったのだろう。傷口だけでなく周辺も血をにじませながら腫れている。傷を見れば自分でも初めて「道理で傷む訳だ」と納得する。

「あっ!いっで…!」

流石に少しどころでない沁み方には声を漏らした。彼の免疫力は優れている方だったのだろう。凶悪な菌にやられていればこれどころじゃすまなかったかもしれない。
よし終わりか と思った矢先、少女の小さな祈りの声と共に行使される癒しの魔法で、先ほどの痛みも腫れも結構マシになった。

「…っふぅ~。ありがとな。…見た感じ俺と同じような戦いしてそうなのに便利なの使え……」

痛みが和らいだおかげで、随分リラックスしている様子の男は、羨望の眼差しを向けて魔法への憧れを口にした。

……が、それを遮るようにして、男の目に何かが留まる。

「ん?何だありゃ??」

男の視線の先は、小さな棚に陳列されたボトルの数々だった。
色とりどりの液体が入ったそれを見れば、少女と顔を合わせ

「なぁ、アレ…酒じゃね??美味そうなのばっかりだな。…休むついでに一杯やってこうぜ!」

ボトルの数々を指差す。薬 にしては容量の大きいものばかりだ。見た事ない、綺麗な色をしているものばかりだが、好奇心から少女へそんな誘いをもちかける。

リリシア > ふふ、精進なさい?

(くすくす、と口元に手を寄せ楽しそうに笑う。気の利いた、女を喜ばせるような一言、となると少々苦しいけれど・・・まぁ、彼はまだ若いのだし、これからに期待、として○を1つあげてあげましょう。 ――エルフから見れば、人間なんて皆若いのだけれど。)

罠・・・まぁ、別に私ここを狩場にしている訳ではないから・・・。

(だから、ちょっと細かいことまではわからないわ、と彼に伝えよう。自分が見かけた所では簡単なトラバサミや、踏んだ獲物の足に絡みつき釣り上げる糸、みたいなものはあったけれど・・・。)

ほら、男の子なんだから。我慢なさい?

(なんて、言いながら薬を塗りつける。良薬口に苦し。多少染みるは染みるだろうけれど、痛くない薬なんて効果がほとんどないものに限られるだろう。もしくは・・・馬鹿みたいに高価な薬か。生憎、そんなものは持ち歩いていないので我慢してくださいな。・・・そもそも、そんな状態でふらふらあちこち歩く貴方が悪いのだから。)

ふふ、手札は多いに越したことはないから。

(剣士、というよりどちらかと言えば魔法剣士が近いスタイルの少女。見た目も趣向も完全な剣士といった様子であるが、魔法を嗜めば、弓もイケる口。なかなかと器用であった。)

構いませんけれど、あんまり飲み過ぎるのはめっ、ですからね。

(と、彼に釘をさしつつも彼の提案に拒絶は示さず。あまり酒の種類なんかには詳しくないのだけれど・・・さて、どんなものがあっただろうか?)

エクシオ > 違いに軽口を叩ける程度には、お互いの人柄には安心感を抱けている…イイ感じの雰囲気のままくつろげそうだ。この空き家についてはいくらか気がかりな点が残るが、少女は詳しくは知らないらしい。考えるのが苦手である己は、「そっか」の一言でひとまずあれこれ考えるのはやめにした。…何日も野宿だったものだから、今は羽を伸ばしたい。

「おいおいおい、男の子扱いはちょっとしんどい歳だぜ!?」

若く見られるのは嬉しいのだが、流石に子供扱いより一人前の男性として見られたい彼は困惑した様子で目と口を大袈裟に開いて突っ込む。

「手厳しいねっ!……ま、とりあえず色々見てみるか…」

そういうと、患部を刺激しないよう、ゆっくりと動いて棚に陳列されたボトルの数々を眺める。……酒場に並んでた、財布に優しくなかったものや庶民的なもの…質はピンキリだった。
…が、彼が目を奪われたのはそういう知識の範囲内の代物ではなく、やたら高そうな銘柄だが見た事もない、綺麗な青色の液体が入った高そうなボトル。男はこれを手にしながら、口を下側にして立てられていた空のグラスを2つ、片手の指で挟んだまま少女のもとへ戻る。

「何か、すげぇの見つけたぞ。飲んだ事ねーけど、これは超高級品かもな……」

そういうと、綺麗な青色の液体の入ったボトルを小さく揺らして少女に見せつけると、躊躇なく開封。…ボトルから広がる甘ったるい匂いは、なんだかとてもふわふわとした気分にさせられそうだ。

リリシア > (私としても、この小屋はたまたま発見しただけで、よく分からない。わからないからこそ調査しに来たのだけれど・・・今のところ特に収穫はなし。・・・こういう調査とかそういうのは専門外なのです。私の専門はやはり刀であり、戦いであるのです。やはり、こういうのはそういう専門の学者様なり何なりにお願いしなくては。・・・とりあえず、場所の情報だけでも売れるかしら。)

認められたいのなら、かっこいいところ見せてくださいな。

(年とかそういうものは関係なく。そういう雰囲気を感じたのなら男の子は男の子。男性なら男性なのです。年とか、そういうのいいから。人間の年なんて、私達エルフのような長命種から見たら皆子供でしてよ? ――そう告げるはおよそ17歳の若きエルフ。それを知れば彼は納得いかない顔をするかもしれないがそれはそれとして。)

あら・・・素敵な色してる。なんだかとても惹かれます・・・。

(まるで空のような 海のような 美しい色をした液体。お酒、というよりかはジュースのような印象を受けるけれど、感じる匂いには甘ったるいお酒の匂いがする。最初はそこまで乗り気ではなかったけれど、こんなものを出されれば、心が弾む。わく、わく、と心を踊らせてグラスに注がれるのを楽しみに待とうか。)

エクシオ > 「ハハハー、ホントだな。怪我して面倒見て貰ってちゃ坊ちゃん扱いから抜けられねぇよなぁ」

カッコいいところ どころか思いっきり情けないところから始まったものだから。男は情けないと感じつつもまんざらでもなさそうな感じで笑いながら返した。

「しかしどこのやつだろうな。見た事ねぇ……俺達じゃ到底手が届かん貴族さん達は毎晩こういうの飲んでウハウハやってるのか……羨ましいなっ!」

青い液体をまじまじと眺め、首をかしげながらそんな貴族への妬みを冗談交じりに吐いて、早速2つのグラスへ注ぐ。もともと青みの強いグラスに入っていたからか、グラスへ注がれたそれはより明るく、澄んだ青色をしており綺麗とかそういうのに割と無関心な彼ですら思わず唾をのんだ。

「ほいよ。怪我の手当してくれて、ありがとさん。そんじゃ早速、一杯やろうか」

そう言って、互いがグラスを手にするのを待つ。相手もグラスを手に取れば、そっと小さくグラスを合わせて乾杯。それが終われば、こういうのはじれったいと感じてたのか、一目散に青い液体をごくりと口にした。

「……かぁ~、美味い!!…でも、なんつーか酒っていうか……ジュースじゃね?これ」

味は、何に形容すればよいか困るが…とにかく、甘い。舌に触れるだけで、唾液すらこの液体と同じくらい甘く感じる程味覚が強烈な甘味に支配される。
飲むとなんと不思議なことか、全身から気力があふれてくるような、そんな気分になる。

…しかし、貴方が男と同じくそれを口にする、あるいは男の反応からその正体を知る事が出来る。

「あれ…?…この部屋こんな暑かったっけな?」

男はいつの間にか、自分の服の胸倉を掴んでは何度も何度も素肌に空気を通すべく引っ張って戻して を繰り返す。
顔色にもそれは現れており、「酔う」にしては違和感がある。

リリシア > ――もしかしたら、このお酒を違法に作っていたり、なんて、ね。

(このいい匂いがするお酒。それを怪しい製法で作って、高く売りさばく。本来は非常に高価でなかなか手に入らない、このお酒を。それで、足がついて捕まった、もしくは捕まりそうになったから逃げ出した。そんな理由があったりして、なんてくすくす楽しそうに笑いながらそんな例え話をしたりして。 ――そう、これはあくまで例え話・・・。少女としても真実は何も知らない。)

えぇ、この出会いに、乾杯!

(と、グラスを掲げ、かちんと打ち鳴らそう。そして、一気に酒を呷る彼の姿を見て、くすり、と笑った後・・・私もいただこう。ちびり、と口をつけた後・・・ぐっ、と一気に傾けて。)

味もイケるわね・・・。これ、どれだけでも飲めそうだわ・・・。

(少女もこのお酒の味に舌太鼓を打つ。元々、甘いお酒は好きな方だ。見事に好みが合致して、思わず笑みが溢れる。お貴族様はこんなものを飲んでるのか、なんて彼が言っていたが・・・本当にこんなものを飲んでいるのなら・・・いつか臨時報酬でも出ればちょっと貴族様御用達の酒場にでも行ってみようか・・・。一度くらいなら、大丈夫、なはず。)

――こんなものではなかったかしら?

(違和感を覚え始めた彼とは対照的に僅かに顔を赤くしたエルフは其れに気づいた様子もなく、くすくすと楽しそうに笑う。挙句の果てにおかわりくださる?なんて、おかわりを強請る始末。確かに、多少身体はぽかぽかと暖かくなってきて気もするけれど、アルコールを取っているのだからこんなものではなくて? ――エルフの肌を、艶めかしく一筋の汗がたらり、と流れ)

エクシオ > 「それでお縄にかかっちまった ってか。真っ当に商売すりゃいいのにな。勿体ねー」

少女の推測から、考えるのをやめにした筈の家主の人物像をイメージする男は、呆れたように笑う。もちろん、これが真実にどれほど近しいかは二人とも知る由はない。

「やっぱしな。へへ、何か他の物とは違う感じしてたんだよな!もっと飲むだろ??」

一気 ではないが、酒を飲むにしてはやたらとハイペース……まるでこの液体が酒ではなく普通のジュースである感覚のようにして、空になったグラスに注いでは2杯目を口にする。

「ん?そっかぁ?いやいや、俺が来た時より…。…まぁどっちでもいいな。……だー、やっぱし暑ぃ…」

そういうと、男は己の肩当や胸当ての留め具に手を伸ばし、カチカチと金属音を鳴らしながらそれらを外し、少女の前であるにも関わらずお構いなしに服を乱暴に脱いで半裸になる。

「いやいや、絶対暑いぜ。……アンタ暑くねぇのかよ?汗かいてっぞ?」

そういうと、図々しくもごつごつした手で少女の首筋に手を近づけ、滴る艶めかしい汗を指先でそっと掬い取ろうと。

リリシア > ふふ、真実は闇の中、ですけどね。

(真実は知る由もなく。けれど、それを夢想し、夢物語として語る自由は私達にもあるでしょう。吟遊詩人のように上手くはいかないけれど、酒の席のちょっとした話の種、として語るには十分でしょう。)

えぇ。・・・ふふ、私を酔い潰してくれたら、貴方を一人前の男性として見てあげても構わないけれど?

(なんて、くすりと微笑みながら男の子扱いを不服とした彼に挑戦状を1つ。もし、これ以上飲めない、という程に飲ませてくれたのなら、立派な男性として認めてあげても構いません。結構口当たりこそ良いけれど、こういうのは大体アルコール度数が高いと相場は決まっているが・・・はてさて。 ――ちなみに、こんな風に話を振る少女であるが、別に特段酒に強いという訳ではないのは秘密である。)

ん・・・まぁ、確かにちょっと熱くなってきてかもしれないわね・・・。

(とさり、と、肩からマントを外してその動きやすさを重視した露出度の高い盗賊風味の衣装を披露しようか。普段はマントに覆われて然程目立たないが・・・肩やへそ、太腿を大胆に露出したそれは酒が入り、多少赤みがまし、色づいた肌を大胆に晒すことになって・・・彼がどれほど女性に耐性があるかはしれないけれど、多少目に毒かもしれない。

熱に浮かされた男女一組。それが同じ部屋でお酒も呑んで・・・となればこの先どうなるかは自明の理であろう。きっと結末は遅かれ早かれ同じところに着地するのだろう。・・・それがなかった、としても少しばかり熱を持った身体。どちらかから、片方を誘惑するようなコトは、あったかもしれない。)

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 名無しの小屋」からリリシアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 名無しの小屋」からエクシオさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にオーリさんが現れました。
オーリ > 街道から少し入った場所
倒れている人影に近づけば短槍を担ぎ、膝をおった
小さく声を掛けるも返事はない、着ている衣服には血痕が残っていたが厚着のせいか、失血の量はよく判らなかった

(…死んでる。山賊か、魔物か…)

死体へと腕を伸ばせば遠慮なしに調べていく
まずは衣服、ポケットなどにある残留物…そして、傷跡
指先が覚束ず、革製の手袋の指先をくい、と歯で軽く噛めば引っ張りさらに死体を弄った

(罠はないか…傷は腹と胸…致命傷は胸の方かな…的確に急所狙ってる所を見るとやったのは人か…
 それも、結構な手練…的確に二発みまった…)

魔物であればもう少し無残な死体であったろう
しかし、この死体には欠損がなく、擦過傷のようなものもない
的確に急所へとダメージを与えている…周辺に視線を向けてみるが、旅装や荷物が散らばった様子もない
ポケットにはほんの少しだが、金貨が残されている

「…金目的ってんでも無さそうな所見ると…恨みか、何かに巻き込まれたか…」

衣服のポケットから取り出した金貨を自分の懐へちゃっかりしまい込めば立ち上がり周囲を見渡した