2017/03/20 のログ
■ペインテイル > 今宵草原を駆け巡る魔獣は群れではなく単独で生息している。勿論この岩場の多い草原に居る同族は居らず、周囲に安全だと知らせる理由も無い為、遠吠えなんてしやしない。草原に聳え立つ巨大な岩の一つにのり両目を細めて周囲の状況を眺め、鼻腔で匂いを嗅ぎ取って安全を確立しても、ただ沈黙を保ち、岩場から飛び降りると、着地の音も静かに地面に足をつけ、直ぐにまた草原を駆け巡る。季節がら発情期に差し掛かり、昂ぶる身体は走るだけでは冷めやらず、走ることを楽しみながらも偶然の遭遇を待ち祈る。
スンスン……スンスン………
立ち止まらず、鋭敏な嗅覚で風の中より他者の匂いを探り、周囲の状況を再確認する。無論侵入者などいない、居ないが万が一美味そうな獲物が入り込んでくる可能性がある。安全であるからこそ、異質な香りをより強くより濃く探して、台地を蹴り、かけ続けるのだ。その足裏に大地を感じ、爪先に草花を裂く感触を最大限に味わいながら。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からペインテイルさんが去りました。