2016/11/16 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 最近は、夜もなかなかに寒くなってきたものだ。
川辺にある手頃な大きさの岩の上に座り、少女は釣竿を手に、釣針の垂らされた水面を眺める。
その側にはいつものようにタライが一つ、その中には…相変わらず何もいない。
まぁ、まだ来たばかりなのだから、仕方ないとは言える。
「………もうすぐじゃのぅ…」
くいくいっと釣竿を手で動かし、釣針の位置を色々と変える。
そうしながら、ぽつりと呟いた。
あの日から、もう1年ほど経つのだ…忘れられぬあの日から。
空を見上げる、今日は星も見える良い天気。
さて、あの日の天気はどうだっただろうか?覚えてない。
■タマモ > 釣竿を手にしたまま、目を閉じれば、色々と思い出せそうな事もある。
気が付けば、その足元に見える魔法陣。
気が付けば、周りを囲むように居た人間達。
状況を理解をするのに、少し時間が掛かってしまったのを覚えている。
その後、始めはゲーム感覚だった。
先の事を考えず、ただひたすらに、事の流れを楽しんでいた。
どうせ終われば戻れるのだと、安易な考えで。
後に何が待ち受けているのかも、考えもせずに。
…そこで一旦考えを打ち切り、目を開く。
手元に反応があったのだ、軽く揺れる釣竿を持つ手に力を込める。
「まったく…もう少し頃合を見てから来て欲しかったものじゃ…のぅ?」
引っ張られるタイミングに合わせ、くん、と釣竿を上げる。
勢い良く水の中から飛び出すように釣り上げられる魚、更に手元を軽く揺らし、何やら調整をする。
宙を舞う魚は、更に釣り糸に引かれ放物線を描いてタライへと向かって落ちていく。
…さすがに、この勢いで落ちたら色々と酷い目に合う。
寸前でぴたりと魚は見えぬ何かに捕えられたように止まり、ぽちゃんっ、とタライを満たす水の中に落ちた。
咥えていたはずの釣針は、いつの間にか外れて少女の手元に戻っていた。
■タマモ > 「ふふんっ、妾とて毎回釣れず終いで終わる訳ではないぞ?」
ちらっ、と無駄にカメラ目線で一言。…いや、誰に言ってる。
視線を手元に戻せば、再び釣針に餌を取り付けていく。
「本気を出せばこんなものじゃ…さて…」
餌を取り付け終われば、再び釣竿を振り上げ、釣針を川の中央近くにまで投げ込んだ。
よいせ、と再び腰を下ろせば、次の反応を待つように目を閉じる。
まぁ、釣りなんてのはこんなものだ。
■タマモ > 今日はなかなかに調子がいい、1匹に留まらず、2匹、3匹と少女は魚を釣り上げる。
側のタライの中には、2匹目までは入れておく。
だが、3匹目の魚に関してはタライには入れなかった。
釣り上げるまでは同じだが、すぐに川へと返してしまう。
「…きゃっちあんどりりーす…じゃったか?そういうものじゃ」
とか、そんな説明を誰かにしながら。
そう時間も掛けず、少女は釣りをするのを止めた。
ぽんっ、と手元の釣竿を消すと、ゆっくりと立ち上がる。
「のんびりと、歩いて帰る…うむ、そんな気分じゃな」
視線をタライへと向ければ、何かが持ち上げているかのように、ふわりと浮き上がる。
くるりと踵を返し、少女はその場を後にした。
その後ろを、浮いたタライが付いてくるという、そんな奇妙な光景を見せながら。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からタマモさんが去りました。