2016/11/07 のログ
ご案内:「街道から離れた森林」にエレミヤさんが現れました。
エレミヤ > ギルドで受けた依頼曰く、最近街道に現れる魔物が増えたらしい。

「ううーん…確かに少し多いような…?

とは言ってみたものの、体感である。それも気の所為かもしれないレベルの。
然し、受けたからには街道へと魔物が出てこないよう、ある程度街道からは奥まった場所で敵を叩くしかしがない冒険者にはする術がない。
サーチアンドデストロイをしつつ、周囲を改めて確認。

「……ちょっと奥まで来すぎちゃった、かな…?」

ご案内:「街道から離れた森林」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 人間生きるには金銭が必要であり。さらに欲望を満たすとなれば求められる金銭は増える。
この男のように欲まみれの人間ともなれば多大な金が必要であり。

「……さて、指定された場所はこの辺りだったはずだが?」

つまるところ、遊ぶ金を稼ぐため、男は所属ギルドからの魔物討伐の依頼を受け森に足を運んだ。

「……ん? この死体の感じ……。もしかして先に誰かご到着済み?」

森を奥へ奥へと進みながら、魔物の亡骸を確認していく。男はふむふむ? といぶかしみながらもさらに奥へと。

エレミヤ > 往々にして、大量の魔物討伐の依頼ではその亡骸全てが必要ではない。
確実に狩ったと言う事実があれば良いのだから、亡骸の一部分だけ証拠品として持ちかえれば良い。
ともすれば、最近覚えた異空間へと物を収納する魔導が役立った。が、覚えたての魔導ではそれ程広大なスペースを作る事も、維持する事も難しい。

「んー…そろそろ戻ろう、かなぁ…。」

周囲に他者はいないだろうと思っての独り言は、存外声量が出ている。
相手がその儘奥に進めば、憚らぬ声と隠れる気の無さそうな姿が目に入る筈。

セイン=ディバン > 「チッ……!!」

死体を追跡の目印として追っていく中、血の臭いと同属を屠られた怒りに我を忘れた魔物に襲われ、それを散弾銃で吹き飛ばす。
そうこうしているうちに、だいぶ奥へと進んできたことに気づいた男は、依頼が既に別の者によって達成されてしまったか? と懸念するが。

「お……? おーい、そこなお嬢ちゃんー。このあたりの魔物はキミが討伐したのか?
 俺は冒険者ギルド『エデン』所属のセインって者なんだが、まだ周りに敵がいる。帰還路の確保と敵の掃討のため協力してくれないかー?」

目の前、ちょこん、と見えた少女に聞こえるよう。しかし極力押さえた声で男は声をかける。
さらに近づきつつ、相手に見えるように冒険者ギルドの登録票を掲げ、敵意のなさをアピールする。とはいえ、反対の腕には煙上げる散弾銃を持っているのだが。

エレミヤ > 幾らか離れた位置から響いた銃声には思わず肩を跳ね上げ、慌てて周囲を見渡す一幕も。
暫くもしない内、掛けられた声に双眸を瞬かせては身体の前で持った杖を握る手指に僅かに力を込めつつも、その内容と掲げられた登録票を視界に入れてゆるりと力を抜いた。
逆手に持つ武器から上がる仄かな煙に、先の銃声は相手だろうかと算段をつけつつ、

「あ、えっと、はい、一応…他に依頼を受けた方がいなければ、ですけど…。」

恐る恐ると言った調子で返しながら、頭を幾度か上下に揺らした。
きょろりと辺りを見回した後、再び相手の方へと視線を向け、

「わ、私で良ければ…微力ながら協力させていただきます。」

セイン=ディバン > 目の前の少女の幼さ。そして現状の任務。それらに、いらぬ緊張を与えてしまったかと思うが、少女が自身への警戒を解いたのを見て、男は小さくため息をつく。

「この感じだと、あと何人かは依頼を受けていそうだったが……。
 しかしお嬢ちゃん。その若さで魔物討伐。しかもある程度以上の戦果を挙げるとは。やるもんだな」

やや怖じているような様子の相手を怯えさせないよう。男はそう言いながら銃を肩に担ぎ、少女へと近づく。かなり若い。見た目は男の妻と大差ないかもしれない。

「微力だなんて謙遜しなさんな。見たところ魔術師さんか。
 俺ぁ魔法はからっきしだからよ。サポート期待してるぜ。
 じゃあ、帰還しながら近寄ってくるザコを始末しようか……えっと……」

ニカリッ、と笑い相手の肩をポンポンと叩く。そのまま相手の名を呼ぼうとするが、その間も男の感覚は敵の接近を感知していた。

エレミヤ > 「えっ!あ、いえっ、そんな、私なんてまだまだで…っ!」

まさか褒めてもらえるとは思いもよらず、動揺を露にぶんぶんと頭を左右に勢い良く振った。
幸いな事に、己だけでも何とかできる程度の魔物ばかりだったのだ。それに、少々火力だよりで押した感も否めない。
相手が知らぬ事実を思えば、自然と困り眉が更に垂れてへらりと笑みを浮かび。

「サポートなら任せてください!―――あ、えと、私はエレミヤと言います。特定のギルドには所属していませんが、依頼を受けさせて頂いてます。」

然し、サポートは別である。何分、己の得意分野だ。
分かりやすく、ぱっと表情を明るくした後、慌てて浅くではあるが頭を下げて自己紹介。
しつつ、魔術で一時的に引き上げている聴覚が少しばかり相手に遅れて接近を察知。頭を上げれば短く呪文を唱え、魔法石が輝く杖を彼に向って軽く揺らす。
淡く白い光が相手を包んだ後、霧散するように消え。

「受けた攻撃の威力を幾らか軽減するようにしました。――けど、あんまり強い攻撃は防げないので、その、無理はなさらずです。」

セイン=ディバン > ぶんぶんと頭を振り。謙遜を重ねる少女を見て男は、あぁ愛らしいなぁ。と思う。
と、同時にイタズラしちゃいたいなぁ、という思いも芽生えるが。なにぶん仕事中なので我慢するのであった。

「おぉ、頼りにしてるぜ。エレミヤちゃん、な。オッケー覚えた。
 さぁぁぁて。ザコとはいえ数はまだまだ多そうだ。これ以上討伐戦果を欲張っても面白くはなさそうだし……」

笑顔の相手に素直に頼っていると言い、信頼を表す。
そうして、自身の体に呪文がかかったのを見て驚きながら笑い。

「いや、マジ助かるわ。俺軽戦士だから、防御力には自信なくってねぇ。そんじゃ……」

悠長に礼を言いながら。男は肩に担いだままの散弾銃の引き金を引く。
瞬間、木の陰から飛び出してきた醜悪な魔物は、見事に吹き飛ばされることとなる。

「さっそくお出ましだし、ずらかるぜ、エレミヤちゃん!!」

振り返り、敵に向かって銃を撃ちまくりながらそう叫ぶ。
せっかく知り合った以上、男的にはこの少女は守り抜かなくてはならない。
……ついでに。ここで格好いいところを見せておけばこの後そういった展開にもっていくのも可能だろうか、という計算もあったのことだった。

エレミヤ > まさかそんな思いをワキワキさせているとは露知らず、である。
攻撃ならばいざ知らず、サポート面で頼りにしてもらえるのであれば些か単純な作りとなっているが故、気を抜けば唇が緩んでしまいそうになっている。
とは言え、魔術に関しては確りと掛けた。効果を高めた分、継続時間は少しばかり短くなっているがそれでも1時間程はあるだろう。森を抜けるだけであれば十二分な持続時間である。

そうして再び響いた銃声。
先程よりも大きく響いた音に思わず身を竦めるも、悲鳴を上げる事もなく吹き飛ばされた魔物を見れば「おお…。」と感嘆の吐息が零れ落ち。

「はっ、はいっ!」

そして知らぬが仏な彼の思考である。
再び、然し先とは異なる呪文を短く呟けば再び魔法石が輝く。
圧縮された様な光が球状にそこへと集まり、青年の死角で動いた魔物へと放てばその胴へと穴を開けて。

セイン=ディバン > 元来、群れるのを嫌う男。サポートを相手に任せてのツーマンセルは男にとってかなりやりやすい体制であった。
近寄る魔物の爪や牙も、軽装のはずの鎧がしっかりと防ぐ。

「ヒュウッ!! この魔術いいなぁ!! 動きも軽いままなのに防御力がダンチだぜ!!」

自分が一段階以上強くなったような錯覚に高揚し、視線をチラリ、と後ろに送り少女に口元と瞳だけで感謝の意を伝える。
そのまま近くの魔物が胴体に風穴を開けるのを見れば、口笛を吹き。

「いいねいいねエレミヤちゃん!! 十分どころか十二分に頼りになるよ!!
 強いし可愛いし、言うことなしってヤツだ!!」

高いテンションでそう叫びながら、近寄る魔物を屠り。
さらに後ろの少女を守りながら男は来た道を戻っていく。
程なくすれば、森の入り口付近に無事たどり着くことは出来、そこで一度キャンプの準備をするだろう。

エレミヤ > 如何やらお気に召してもらえた様だ。
安堵と喜色の入り混じった表情を浮かべた後、相手に向けられた視線と表情に僅かに弛んだ表情を浮かべて目礼を返す。

「う、うう…あんまりおだてないで下さいぃ…!」

も、続けられた言葉に情けの無い顔へと崩れ、表情と同じ色をした声が上がる。
照れやら嬉しさやら何やらで顔が熱を持つのが分かる。
気を引き締め直しては、形を保った儘の光の珠で討ち洩らしやら不測の方向から現れる魔物やらを倒しつつ、殆どの掃討を相手に任せてしまう状態で森の入口付近まで辿りつくのだろう。

「……ふー、無事抜けられましたねぇ。」

ゆるゆると息を吐き出しながらの一言。
それと同時に先に己にかけていた、相手にかけたものと同じ魔術が効力が解け、淡い光が現れたかと思うと瞬く間に霧散して。

セイン=ディバン > 初めて組む相手だというのに、安心感がある。
それがとても心地よくて、男の動きはいつも以上に良いものだった。

「いやいや、おだてじゃねぇって!!
 ここまで楽しく仕事できるパートナーはマジ初めてさ!!」

照れる相手の表情、そしてその裏の隠しきれない喜びに胸がざわめく。
この少女はどの様な声で鳴くのだろうか。そんなことが頭をよぎる。
とはいえ、それも戦闘中であればすぐに掻き消える程度の欲望だ。

「……っは。なんとか無事に、だねぇ。とりあえずもう敵もいなさそうだ。
 今日はここで夜明かしといこうか?」

緊張の途切れたであろう相手の声に合わせ、男も息を深く吐く。
さすがに人を守りながらの戦闘は疲れたのか。うぃぃ、などと変な声を出しながらてきぱきとテンントを張り、鍋など出しながら料理の準備。
体から消える魔術の光には、少し惜しいといったような表情をする。

エレミヤ > 己の中で、何度かひやりとした事もあったがそれでも危なげなくここまで戻ってこれたのは一重に相手がいたからだろう。
自身にかけていた魔術が全て解けた事を確認しつつ、相手の言葉にはい、と短く返事をしてはゆるゆるとした足取りで近付いて。

「あの、私もお手伝いします。何をしましょう…?」

危なげはなかったが、それでも相手の疲労は見て取れる。
慣れた手つきを見れば邪魔になりかねないとは思いつつもおずおずと相手を窺い見て。

セイン=ディバン > 自身以上に、サポートという気を使う仕事をしてくれた相手は疲労しているであろう。
なんとか労うためにもうまい食事を提供したいところと男は考え。

「ん~。そうだなぁ。じゃあ、テントの中に荷物を置いて。
 あとはしっかり休んでな。料理が出来るまではすることもないし。
 なによりキミにはずいぶんと助けられたんだしさ」

カハハッ。などと笑いながらそう言い、携帯包丁を手の中で器用にクルクル回す男。
しかして、視線は少女の肉体へと向けられていた。

エレミヤ > 確かに、多少疲労はあれど、攻撃を担当するよりもずっとやりやすい。
相手を労いたいと考えているのは己もだ。
そうして開かれた相手の口に爛々と瞳を輝かせる様は忠犬の様にも似ているやもしれず。

「はい!はい―――えっ!?」

荷物を置いて、次は、と続きを待てば出てきたのは予想していなかったもの。
反射で頷いた後、大きく目を見開いてテントから相手へと視線を戻す。相手の目線の先には気付かぬままではあるが。
おろおろと視線を移ろわせるも、確かに他に出来そうな事は無さそうだ。

「う、うう…大人しくテントにいます、ね。……でもっ!何かお手伝いできること、あったら何でも言ってください!」

しょんぼり顔で荷物を抱えてテントへと。
テントに潜り際、くるりと振り返っては威勢の良い声で告げ。

セイン=ディバン > 小動物系のかわいさもあるな、と相手の様子、表情からそんなことを思う男。
その相手からの気遣いも嬉しく思う反面、休んでほしいとも思う。

「気持ちだけはいただいとくけどさ。休むのも冒険者の仕事のひとつよ?」

先輩冒険者としてアドバイスしつつ、さてさてどうしたものかな、と思う。
相手の気持ちもわかるから、何かしてもらおうかと。

「……あぁ、じゃあさぁ……」

ニヤリ、と笑い。何か思いついた男。
この男が少女にどのような『オテツダイ』を頼んだのかは……。
薄闇と静寂。森の木々だけが知ることで……。

エレミヤ > 彼の台詞は尤もだ。
もう一度うう、と小さく情けない声を逃がしつつ、また頷いた。
そうして掛けられた声にぱっと表情を明るくして振り向き。

「はいっ!」

これはお手伝いに間違いない。
そんな、期待に満ち溢れた眼差しが相手へと注がれる。
然して、それがどんなお手伝いとなるかは今の己には知る由もなく―――。

ご案内:「街道から離れた森林」からエレミヤさんが去りました。
ご案内:「街道から離れた森林」からセイン=ディバンさんが去りました。