2016/09/22 のログ
レイカ > なるほど…この少女、アリーは少し臆病な性格のようだ。
冒険者なので、もし何かしらの調査を請け負っているならば警戒もしたが…問題はなさそうだ。
そもそも、こんなおどおどした少女に頼み込むやからも、そう多くはないだろう。
少しだけ、ため息が漏れた。

「……甘いというべきなのか、それとも優しいのか…。
いずれにしても、襲い掛かってくる何かを殺すのにためらいがあっては、確かに討伐依頼は難しいでしょうね。」

初対面だけれども、私はストレートにそういった。
しかし、もし此れで討伐の依頼に赴き、死体が一つ出来上がった…ならばまだマシ。
翌日、バフートの折の中でワンワン泣いているアリーの姿がありありと想像できた。
ゆえに、私は彼女に遠まわしに”討伐依頼はやめておけ”と警告しておいた。
…戦える技量がないならば、それはしないほうがいい。

「…集団行動が苦手なんですね。」

彼女の言い分から察するに、大人数で一致団結することに怯えているように見えた。
ゆえに、採取や地図作成の依頼を主にしている冒険者、というところか。
なれば、ますます警戒の必要はないだろう…が、ここはある意味幸運だった。
こういう少女なら、もしかしたら…。

「…ならば、近頃とある集落を調べてほしいという依頼があるらしいのですが…それについて何か知っていませんか?」

九頭竜山脈の麓にある集落を調べてほしい。
そういう、依頼内容にしては破格の報酬が約束されている依頼があるならば…その情報を持っていないか、と。

アリー > 「だって…襲われたら戦うより逃げる方が安全ですし…」

難しいというより無理である
けれどこんなにストレートに言われると頬を膨らまさずにはいられない
分かってはいるけれどどうしようもないのだから

「苦手じゃ……無いです」

ぷいっと視線を逸らした
苦手じゃないとは言ったがそれは殆ど嘘

「集落?あ、え~と確か…ドラゴンフィート…でしたっけ?
あの以来どうも怖くて受けられないんですよねぇ」

最近張り出された以来、調査だというのに討伐依頼並みの報酬が用意されている
それもかなりの額の

「集落を調べてあんなにお金が貰えるなんて絶対に裏有りです
慣れた人達もきな臭い~って言ってました。あんなの受けるのは駆け出しさんだけですよ」

レイカ > 「……逃げ切れることのほうが少ないと思うのですが…。」

いや、それは人にもよるか…。
彼女の足で逃げ切れないならば諦めもつくだろうし、逃げ切れるならば其れで御の字。
ほおを膨らませるその様子に、少しだけ微笑ましさを憶えるが…。
私は水面を向き、座りなおしながら軽く肩を竦めた。

「だったら、仲間の一人や二人連れておくことをオススメます。
いくら地図作成といっても、危険地帯に足を運ぶのですから…必要はあるでしょう?」

逸れに、このあたりでは盗賊や魔物の姿も確認されている。
苦手といっている戦闘も考慮されるならば、やはり信頼のおける仲間を連れておくべきだろう。
彼女が視線を逸らし、嘘をついているのはバレバレだったが…あえて突っ込むこともなかった。

「…………。」

やはり、依頼が張り出されていたか…。
以前街に赴いたときに、確かにその依頼が張り出されているのは眼にした。
しかし、依頼人不明で高額ともなると…やはり物好きしか請け負わないか…。

「…その依頼、誰が出しているのかご存知ですか?」

アリー > 「頑張って走って跳んだら大丈夫ですよ?」

反撃なんて一切考えずにただただ走ってさえいれば逃げ切れる
実際そうして生き延びてきたのでそれは確信している

「嫌です、お金が減っちゃいますし…それに一人で逃げれなくなっちゃいます…」

文字通り足手纏いなのだ
一人なら逃げれても自分より足の遅い者は捨てていけない
仲間を見捨てられるだけの冷静さなんて自分にはない
だから身軽な一人で簡単な依頼をこなしていく

「どうかしました?」

いきなり少し怖い顔になってしまった彼女を見つめ首を傾げる
自分の話した依頼がどうにかしたのだろうか…

「……とある貴族の方としか。でもどうしてそんな事気になるんですか?」

レイカ > 「…足には自信があるんですね、もしかして奔るのが得意だったりします?」

彼女が生き延びてきた自信、それは足に秘密があるのだろう。
私も、足には自信があるだけにそこは少しだけ興味がわいた。
走るのが得意ならば…、私と一緒ですね、と少しだけ微笑みかけただろう。

「……前言を撤回します、優しいんですね。」

一人で逃げるほどの残酷性を持ち合わせていないならば、それは甘いというべきではない。
彼女よりも足の遅いものを見捨てておけないなら、戦うしかない。
だけど、その聖で皆がやられてしまったら、きっと寛恕は自分を責めるだろう。
なら、私は彼女は甘いのではなく優しいと断言できる。
…偽名を名乗ったのは失敗だったかな、と少しだけ後悔した。

「…いえ、私も冒険者の端くれですので…少しその依頼が気になっていたんです。
ですが、匿名であんな報酬を出せる依頼というのが…私も少し胡散臭さを感じてしまって。
出来るならば、依頼主の名前くらい把握したいな、と。」

残念ながら、彼女も匿名の貴族という事しかわからなかったか。
本職ならば、少しくらい情報があるかなと思ったのだが…。

私は、冒険者と自分を偽りながら彼女に話を続けた。

「いま、依頼を受けているのは何人くらいかわかりますか?」

アリー > 「小っちゃい頃は追いかけっこばっかりしてましたから
走るのは誰にも負けないですよ♪」

足は自分の数少ない…唯一誇れる点
自慢げに胸を張って自慢する
走るのは彼女も得意だったらしい、エルフの走力がどんなものか…
エルフの中では大したことないとか言われたらどうしよう

「むぅ、何だか納得いかないです」

優しいと言われると何だか恥ずかしい
悪い気はしないが何だかムズムズする

「あ、そうだったんですか。じゃぁお仲間ですね♪」

疑いが晴れて笑顔を浮かべる
そうだ、こんないいエルフが悪い事を考えている筈がない
そう目で語っている

「受けてる人ですか?この前は誰も受けてなかったみたいですけど今は確か…
あぁそうだ、若い人達が何人か受けてました。確か…3人だったかな?」

お友達同士で組んだパーティーだったか
男の人2人に女の人1人までは覚えていたがそれ以上は分からない

「そんなに気になるなら受付で教えてもらった方が良いですよ?
こっそり聞けば教えてもらえると思います!」

受付と親しく人となりも知られていてそんな情報を得ても
何もしないと確信されていればの話だが
アリー自身は内緒話なら教えてくれると勘違いしていることに気づかない

「あの人達が順調にいったら私も受けてみようかなぁ…実はあの以来って特別報酬が有るみたいなんですよ」

レイカ > 「私も、集落でよくかけっこをしていました。
木々の間をすり抜けながら奔るのは、気持ちがよかったもので……。」

エルフにしてみたら、確かに人間の足など大したことはないだろう。
しかし、種族が違えば身体能力も違うのは当たり前のこと。
そんなことでいちいち比較するのは、愚の骨頂だろう。

納得がいかないみたいだけど…私は別に悪い意味で言ったわけじゃない。
彼女のその優しさはいつか強さに繋がるはずだから、自信を持ってもいい。
いつか、彼女の周りにも仲間が集まることを、少しだけ願った。

実際には、同業者でも無いし仲間でもない。
私は、その集落の組織に組しているものの一人――。
あの楽園のことを調べて、攻撃の口実にしようとしている貴族の依頼を調べているだけだ。
利用しているようで申し訳ないのだが…許してもらおう。

……輝く目に罪悪感がひしひしと湧き上がってくるが。

「3人の若い冒険者ですか……。」

身体的特徴なども知りたいけれども、それ以上はさすがに怪しまれるだろう。
うろ覚えそうな言葉ではあるが…これ以上突っ込んで聴くわけには行かない。
受付に言えば、確かに教えてもらえるだろうが…残念ながらそれは出来なかった。
何しろ私は、本当は冒険者ギルドに組しているわけじゃないのだから、教えてくれるはずがなかった。

「こっそりと聴いても、個人情報を教えてくれるはずありませんよ…、緘口令も敷かれていると聴きましたよ?」

だからこそ、受付に言ってもおそらくは教えてはくれないだろう。
よほど仲がよくなれば別だろうけれども。

「……特別報酬?」

しかし、その続いた言葉に、私は興味を持った。
調査をしているのは知っていたが…特別報酬があるという話は初耳だったから。

アリー > 「ですよねぇ、風を感じて気持ちいいですし」

風を感じて障害物を避けて全力で走る
疲れるまで走った後の心地良さも大好きだった

「えぇ、駆け出しだしお金が沢山もらえる調査なんて丁度良かったんでしょうね」

怪しいとは思いつつお金に目が眩んだのだろう
ただの調査任務で終わればいいなぁなんて思っていたりもする
しかし怖いのだ、貴族としか発表されていない依頼主もそれに拍車をかける

「だからこっそりなんですよ。それに、タダとはいきませんしね?」

あの時驕らされたお酒は高かったと涙する
裏金と言うより友人に集られた話だった

「何でも調査の中で依頼主が望む情報を発見した人には追加で特別報酬が出るらしいです
それは何かは教えてもらえなかったんですが…それを聞いて余計に怖くなりましたよ」

まるで密偵の仕事の様で
何で集落の調査でそんな事になるのか分からず余計に怖いのだ
大体ただの集落から何を調べろと?とまた頬が膨らむ

レイカ > 「駆け出しのころは、その日の食事にも困りますからね…。」

お金に眼がくらんで、三人の若い冒険者が集落を調査している。
その情報だけでも、かなり大きな情報だった。
もうしばらくしたら拠点に帰る積もりだし、ここは注意しておいてもいいだろう。
怪しまれる可能性の低い、弟にも話を通しておいてもいいかもしれない。

「…嗚呼、なるほど……、つまりアリーさんは買収をしろといっているのですね?」

ただとは行かないが、こっそりと教えてもらう。
それはつまり、受付を買収して情報を流してもらうということなのだろう。
ただ…彼女のなけなしのお金を使って飲む酒は美味しかっただろうか、と少し苦笑する。
…後で、テントの中にある食事でもごちそうしようか、保存食だけど。

「望む情報…ですか、確かにそれは受けるのが怖いですね…。
一体どんな情報なんでしょうか、噂話程度でも話が漏れていればいいんですが……。」

確かに、仕事の内容は調査というよりも密偵だ。
破格の依頼料に匿名希望の貴族、そして望む情報による特別報酬。
…間違いなく、この貴族は集落のアラ――ドラゴンフィートのアラを探している。
少しだけ眉をひそめながら、やはりもう一度王都にいく必要があるだろうか、と思案した。

アリー > 「はい…この弓の時だってだってどんなに貯めた事か…」

お金が無いから冒険者、となって最初の頃は本当に大変だった
思い出すだけで涙が出てきてしまいそう

「そうなのです、それも普通の店では満足してくれないから大変で…」

月に一度ご褒美で行くような店でおごらされたダメージは大きい
あの後は自分の財布を見て暫く凹んでしまった

「でしょ?でもなぁ…依頼料が大きいんですよねぇ」

背に腹は代えられないと言うか何と言うか
金額が大きければやはり動きそうになってしまうのは冒険者の…
貧乏人の性だったりする

レイカ > 「…弓…ですか?…あの、ちょっと見せてもらって構いませんか?」

弓を使っていると聴くと、どうしても親近感を覚えてしまう。
私も弓を使っている上に、基本的に自作しているので…それがいいものかどうかはすぐにわかる。
彼女に弓を見せてもらえば、軽く弦を引っ張ったり、弓のしなりを確かめながら…確信する。
安物をつかまされていると。

「……アリーさん、悪い事は言いませんので、この弓は買い換えてください。
弦の張りがかなり緩くなっていますし、本体が軋み始めています。
此れでは近いうちに、本体が折れて使い物にならなくなってしまいますよ…。」

どのくらい使っているのかは不明だけど、弦の張りを確かめたときの音と撓らせたときに僅かに聞こえた軋み。
おそらくこの弓の寿命は…もう長くない。

「大きな依頼料は確かに魅力ですからね…仕方がないことです。
アリーさんは……先ほど、うまく行ったら請けて見ようかといっていましたが…本気なんですか?」

もしそうならば、彼女からの情報はかなり大きなものになる。
ここで親しくなっておけば…依頼を受けたときに情報をくれるかもしれない。
ゆえに、ここで恩を売っておくのは吝かではないはずだ…。

「よかったら…私が弓を作って差し上げましょうか?
一応それなりに腕があるので…店で販売しているものよりは、丈夫なものが作れるはずですよ。」

アリー > 「良いですよ。私の相棒ちゃんです!」

修復に重ねる補強
使えそうになくなっても何とか気合で使っているのがよく分かるかも
安物を限界まで酷使した弓、そんな珍しい品である

「っ……良いんですぅ。私のアルテミスはまだ頑張れるんですから…」

アルテミス、完膚無きまでに名前負けしている
分かってはいるがそんなお金はない
本当にへし折れるまでは使い続けるつもり

「え、そりゃぁ危ないかもですけど…
先に受けた人達には悪いですけど彼らが無事だったらまぁ…受けようかな?と」

言い方は悪いが彼等には生贄になってもらう
もし彼等に何かあればもう自分はその依頼には一切関わらない

「本当ですか!?
嘘とか冗談じゃなくて本気の本当なんですか!?」

エルフ作の弓
そんなどれだけ欲しがっても手が出ない値段の物をくれると
しかも作ってくれると聞いてグイッと距離が近付く
放った餌に信じられない勢いで食いついた

レイカ > 「アルテミス……月の女神様、でしたっけ?」

確か、月の女神を称する神様がそんな名前だった気がする。
名前負けをしているのは間違いないけれども…それだけ愛着を持っているという事だ。

しかし、命を預けているという時点で寿命が衝きかけているのは、かなり致命的だと私は思う。
もし、今使っている弓が寿命を迎えそうになったら、私はすぐ供養して来た。
弦も張り替えたし、本体も軋み始めたら必ず新しいものにかえる。
命を預けている武器だからこそ…ちゃんと手入れをしてあげるのだ。

「…そうですか、気をつけてくださいね?
私は、あいにくしばらくシェンヤンのほうに依頼で行くので…その依頼は請けられそうにないですが。
もし、受けるのでしたらいろいろと教えてくれると、助かります。」

また一つ、私は嘘をついた。
シェンヤンに行く用事なんて何一つ無い。
だけど、此れだけ信じやすい少女ならば……。

「…………っ…え、ええ……。
材料を揃えれば弓を作るくらい、そんなに時間はかかりませんし…お安い御用ですよ。」

…ここまで食いついてくるとは正直予想外だった。
というよりも、エルフが作った弓はそんなに高価な値で取引されているのだろうか。
いつも自作して、弓も矢も買ったことなどないがゆえに…実は付加価値がどれほどのものかわからなかった。

アリー > 「凄い弓の名前って聞きました。この子はやればできる子なんです…」

せめて名前だけでも立派に
そう思って付けた名前も今では悲しくなるのみ
手入れをするにも限界がありアルテミスはそんな状態

「そうなんですか、寂しいですね…もちろん!
何かあればすぐにカイレさんに伝えますよ」

全く疑っていない
コクコクと頷き伝えるとまで言い切った
騙されているなんて思っても居ないのがすぐにわかる

「そうなんですか…嬉しい、感謝じますカイレさん…」

涙が出そうになるけど我慢
やっと、やっとまともな装備を使える
もう矢を放つときに壊れないかでドキドキする事もなくなる
エルフ製の弓と受付の彼女に自慢してやるのだ

レイカ > 「…弓を扱うものとしては、やはりそういってくれるのは少し嬉しいですね。
アルテミスも、きっと今まで大事に使ってくれて、感謝していると思いますよ。」

つかにあたる部分には何十にも布を巻き、ようやく持っている状態。
弦を張っているところは擦り切れていて、それが擦れて現に張りがなくなっているのか…。
私は、弓――アルテミスの状態をじっくりと確認しながら、一つ一つ確認していく。

弦はおそらく普通の蚕の糸を使っているのだろう、所々ほつれはあるが…此れはいいものを使っている。
しかし、本体の木がずいぶんと買い叩かれたようだ…、指で弾くと、その中が所々空洞になっているのがわかる。
此れでよくここまで持ちこたえたものだ、と素直に私は、彼女の努力の跡に感心した。

「ええ、是非お願いします。
そうですね…絶対に伝えてほしいのは、追加報酬の条件と…譲れないのは依頼人の名前ですね。」

この二つは、絶対に教えてほしい情報だった。
冒険者にしてみれば、信頼と安全性を絶対に確保する条件だし、彼女も知りたいはず。
だが、私にとって見れば、どの貴族がドラゴンフィートのアラを探っているのか…。
今までどれだけ調べても出てこなかった情報が知れるのだから…弓の一つや二つ、どうという事はない。

「アリーさんの身長でしたら…ショートボウがいいでしょうね、少し軽めに造れば、奔るのに支障は出ないはずです。
そうですね……、4日後にアリーさんが所属している冒険者ギルドのほうへ届けておきます。」

少し小さめながらも、軽さと強度を併せ持つ素材が、確か拠点にまだ残っていたはず。
それを弓に加工するならば…1日で形、2日目から乾燥をさせ、弦には蜘蛛の糸を使おう。
粘りと強度を両立させるにはもってこいの素材だ。

ご案内:「湖」にアリーさんが現れました。
アリー > 「そう…ですかねぇ?休ませろ~って激怒してる気もします」

本当に無理をさせた
お互い頑張った…それはもう頑張った
だからもう、いい加減休ませてあげたい

「了解です!
ばっちり聞き出して見せますよ!」

敬礼する
弓の効果が凄まじく効いている
買えれば早速条件と依頼人について調べまわる
それはもう必死に

「ありがとうございますカイレさん、次に会う時はきっと言い情報を持ってきます!
あ、でもどこで…まぁギルドでそのうち顔を合わせますよね」

まだ見ぬショートボウに思いをはせつつ妄想する
どんな弓が来るのか…もう楽しみで仕方がない

レイカ > 「そんなことはありませんよ…、大事に大事に使ってあげてるんですから、きっと感謝しているはずです」

無理をさせた、というよりも…それだけ大事に使っていたのだと、私は思う。
涙ぐましい補強と修繕の後を見る限り、彼女もこの弓を使っていたのは一度や二度ではないだろう。
だからこそ…私はアルテミスにご苦労様といって上げたい。

「ふふっ…頼りにしていますよ。」

ばっちり聞き出して見せる、と言う言葉に、私は始めて声を出して笑った。
しかし…あまり無茶をして捕まってしまいそうな心配すらもある。
逸れに、私は彼女の中でシェンヤンにいくという事になっているのだから…そう簡単に情報は手に入らないか。
しかし、私は此れでいい情報員を手に入れたことになる。
近頃、うまく行くことが多くて…後々が怖い。

「…いえ、私は討伐や護衛の依頼を主に受けているので…なかなか顔を合わせることは少ないでしょう。」

顔を合わせるのは、本当に難しいだろう。
しかし、彼女がその依頼を受けて…ドラゴンフィートに足を運べば、確実に顔を合わせることになる。
そのお返しが自作の弓だけ…というのは、さすがに気が引けるか。

アリー > 「だと良いんですけど…でも、やっとお疲れ様ですねアルテミス」

やっと休ませてあげられる
今までお世話になった分きちんと労ってあげないと

「任せてください!」

頑張ると言っても聞き込みや噂を調べる位
逆にそれしかできないのでいきなり捕まるという事は無いだろう
多分…

「そうなんですか?じゃぁ今度また会いましょう
約束しておけばちゃんと会えますしね」

笑顔を浮かべ約束を取り付ける
そうすれば忙しくても必ず会える筈
それにこんなに優しくていいエルフとこれでサヨナラは寂しかった

レイカ > 「ちゃんと供養してあげてくださいね…。沢山頑張ったんですから。」

休ませるのは、手元に置いておくという事もあるのだが…私はちゃんと供養してあげるのだ。
そして、新しい弓には更に愛着を持って接する、此れが私の弓の扱い方だった。

「ところで……素朴な疑問なんですけど……。
エルフが作った弓は…そんなに値段が張るものなのですか?
私はいつも、自分で作った弓しか使わないので……付加価値が……。」

そこだけは、私にとってかなり疑問だった…。
確かに、私は彼女に餌を撒いた、武器という餌を。
しかし、そのときの食いつきガ非常に強かった…のは、何故なのだろうか、と。
確かに、其れで情報が手に入るなら安いものだ。
しかし……私は、ただ作っただけの弓がそんなにも高いものだとは、どうしても思えないのだ。

「ええ、今度は食事でも一緒に…あ、そんなに高いものでなくてもいいので。
高価な食事は…私にはどうも油がきつすぎて……。」

アリー > 「もちろんです。お家で大事な家宝にします!」

家宝アルテミス、とても良い響き
きちんと掃除して家に飾る
供養と言えるかは微妙だろうか

「エルフ製の弓は同じ素材でも全然値段が違いますよ?
意匠を凝らして素材も作った人も一流とかだったらお屋敷が買えちゃうぐらいです」

エルフの弓自体がそうそう流れてこないのも理由の一つ
レイカの様に自分で作って使うと言うのが殆どでエルフが商売をするなんて事は滅多にない
そして作る技術も人間とは違いその差がそのまま武器としての性能さとして表れている

「そうですよね、さっぱり料理が沢山のお店を探しときます!」

流石エルフ!とイメージ通りのエルフなレイカを見つめる
脂ぎった肉を書き込むエルフなんてあまり見たくもなかった

「っと、長話し過ぎちゃいましたね。では私はそろそろ行きます
カイレさんも以来頑張ってくださいね」

レイカ > 沢山冒険して初めて買った武器、きっと思いいれも強いだろう。
それを家宝にするかどうかはともかくとして…、彼女がその弓を見るたびに辛かった日々を思い出し。
そして、立ち上がれる強さを見に付けてくれれば、幸いだ。

「お、お屋敷………。」

さすがにそこまでの値段とは思わなかった。
付加価値として、エルフ製というものが希少価値が高いのはわからなくはない。
しかし、まさかそこまでの値段がつくというのは、さすがに驚きだった…。
今度から、街で弓をつけて歩くのは控えることにしよう…、盗まれでもしたら大変だ。

「ええ、できれば野菜がメインなのがいいですね…。
ええ、アリーさんも気をつけて…。」

地図を作っているさなかに行き倒れないように、と。
私にしてみたら、彼女は嘔吐に忍び込ませた情報員…だけど、そのほかにも。
やはり、話していた人がいなくなるのは…私も寂しい。

「4日後に、必ず弓を届けますので…待っていてください。」

アリー > 「そうですお屋敷です。お風呂付のでっかいの」

素材の値段もあるがエルフ作の付加価値が凄まじい
なのでさっきあんなにはしたなく食いついてしまったのは仕方ない
避け得ぬ事態だったのだと頷く

「分かってますよ♪
ではまた、楽しみにしていてくださいね」

機嫌よくその場を後にする
利用されているとは思ってもいない
カイレの為にできる事をする、その一心で王都で情報を探るだろう

ご案内:「湖」からアリーさんが去りました。
レイカ > 「………どうしよう。」

彼女を見送ってから、私は非常に困った顔をした。
まさか、私の造った弓にそんな勝ちがつくとは到底思わなかったのだ。
さすがに此れは安受けあいしちゃったかな、と後悔するも…ほしかった情報のためだ。
明日の朝一番に、拠点に帰って早速弓の製作に取り掛かるとしよう。

「…アリーさん、か。」

あの冒険者ならば信用してもいいだろう…。
私は、そう考えて…テントへと戻り、身支度を始めた。
明日は、拠点へと帰り……久しぶりに訓練も何もせず、弓でも手入れしようか、と。

ご案内:「湖」からレイカさんが去りました。