2016/07/20 のログ
ルキア > (口に咥えた笛のようなものが、酸素を自ら抽出して肺へと送ってくれる。
もちろん、自作の品ではなくて故郷のエルフの魔法使いが作ってくれたものだ。
月光石の事も、そのエルフから教えてもらった。
森から出て人の世に出て生きていくためには、お金がいると。
けれど、森から出たばかりのエルフがそう簡単に職につける保証はどこにもない。水妖の類などがいて危険を伴う行為ではあるが、だからこそこの霊石には価値があり買い取ってくれる者たちがいるからと。
そして、魔法使いの見習いである娘自身にとってもこの石は貴重な素材であった。
コンコンと小さめのノミと槌で月光石の根元の岩を慎重に砕いていく。


((あとちょっと、…そーっと、そーっと…))

(焦りは禁物。月光石は割と脆い上に傷が付けばそれだけ霊石としての効力も落ちてしまう。
水晶のように岩肌から生えるそれをなるべく根元から慎重に削り出していく。)

((…――息が苦しくなってきた…あとちょっと…っ))

(ごぼぼっと、ひときわ大きな気泡が口から吐き出されて水面へと上がっていく。
水中でも呼吸のできるアイテムは、永久的に潜っていられるわけではない。せいぜい一回15分程度が限界だった。
それは、アイテムの効力というよりも、使用者の肺の機能に起因する。
本来は、水の中で呼吸をするようにはできていない体。
それをアイテムを使って、無理やり酸素を取り込んでいるのだから負荷がかかるのは当然といったところか。)

((――っ~~そろそろ、限界…とれたっ))

(ガコンと石の根元の岩が割れて割と大ぶりなものが取ることができた。
水底へと落ちていかないようにしっかりと手で受け止めると急いで水面に向けて足をばたつかせて浮上していくか)

ルキア > (ばしゃんっと水をはね上げて、水面から胸あたりませ一気に飛び出す。
その反動で一度、また頭まで水中へと沈み再度浮上する。)

「―――っはっはぁっはぁっはぁっ――」

(口から肺腑いっぱいに、新鮮な酸素を取り込む。
荒い呼吸を何度も何度も繰り返し、口から外れた笛状のアイテムは首から下げた紐のおかげで水の中に沈んでいくことはない。
今は、ぷかぷかと水面に浮いて、娘の動きによって荒れる水面にあわせて揺れていたか。)

「――はぁ…苦しかった…はっ…」

(漸く少し呼吸が落ち着いてくると、手に持ったままであった採集したばかりの石と、採集道具を腰につけたポシェットへと仕舞う。
その大きさでは、入らなさそう、もしくは入っても破れそうなポシェットは不思議とするりとそのどちらの物も中へと飲み込んだ。
身軽になった娘は、ぱしゃぱしゃと水を掻いて岸辺へと泳いでいく。
足が底につくかつかないかの位置までくれば、目隠しをしているテントの周囲が月明かりに照らされよく見えるようになってくるか。
きょろりとあたりを見回して、魔物や動物の気配がないことを確認していく)

ルキア > 「ふー…っ…数はそれなりにとれたかな」

(気配がないのを確認して、自らあがっていく。ざばざばと、水をかき分ける音、ぱちゃぱちゃと髪や水着の布地から水が滴り落ちる音が、自然界の音に混ざって響いていく。)

「品質は…全部見てみないとわからないなぁ…。」

(いくら暗視の術を瞳にかけていたとはいえ、水中ではぼんやりと月の光に照らし出されている状態でしか石は見えない。
一つ一つ確認して、使えるものとそうでないのもをわけていかないといけないだろう。
それも、月の出ているうちに。
魔法陣の描かれたテントへと歩み寄ると、短く詠唱を唱える。
すると、ふわりとカーテンが風にゆれるかのように、術式に隙間ができて娘はその中へと入っていくか。
あとは、濡れ髪や体を拭いて、服を着替えて休息の時間へと)

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からルキアさんが去りました。