2016/06/06 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にジンさんが現れました。
■ジン > とりあえず、自然地帯と名付けられている場所の上空を飛んでいた。
拠点とする場所の近辺を知っておこうと、そう思ったから。
そこでたまたま目に付いた、ぽっかりと開いた小さな入り口。
せっかくだからと入った、その奥、それなりに進んだ場所に男を佇んでいた。
辺りを照らす鬼火の光を前に、見覚えの無い生き物が数匹、こちらを威嚇している。
醜悪だが、なかなか良い体躯をしているが…これが話しに聞いた魔物というものだろうか?
そんな事を考えながら、腰に帯びた刀の柄に手を触れさせていた。
■ジン > 話が通じればせめてもの救い、そう思ったが、どう聞いても相手の声は言葉とはなっていない。
その手に持つ獲物は、そこらで拾ったかのような薄汚れた大きな刀…いや、両刃という事は、あれが剣というものか。
その刃はところどころが欠けており、斬るというよりも、叩き潰すといったものだろう事が伺える。
あの体躯から、機敏な動きよりも、力を重視した攻撃を主としてくるのだろう。
…近付いてくる、己よりも大きな数匹の魔物を前に、分析をしていた。
「大人しく去った方が良い…が、どうせ通じてはおらんか」
仮面で表情は分からないが、肩を竦める仕草。
とん、と一歩下がると、身を屈め…左手を鞘に触れ、柄に触れていた右手はその柄を握ってと、構えをとった。
■ジン > 男は構えを取った格好のまま、身動ぎ一つしない。
ただ、その瞳はじっと魔物達の動きを見詰めている。
威嚇しようと動じず、身を屈めたまま、動かなくなった男。
それに痺れを切らしたか、手前にいた魔物が手にした大剣を振り上げ襲いかかった。
「………遅い」
ぽつりと呟く一言と共に、叩き潰さんと振り下ろされる大剣が…がつんっ!と地面を叩いた。
男の姿はそこにはすでに無く、いつの間に抜いたのか、抜き身の刀を右手に、大剣を振り下ろした魔物の背後に立っている。
ゆっくりとした動作で、刀を鞘に戻していき…ぱちん、と収まる。
その音と共に、地面を少し抉っていた大剣が、ばらばらと細切れになって地面に散らばった。
■ジン > それを目にしていようと、その魔物はまだそれを理解していない。
当然、後ろにいたもう数匹の魔物とて、それは同じ。
訳も分からぬまま、他の魔物が各々の武器を男へと向かって振り下ろす。
…結果は言うまでもない、同じ道を辿るだけ。
残った魔物達も獲物を失い、地面に散らばる己の獲物だった物を見ている。
武器がなくなってしまったならば、どうするのか。
答えは一つだ、魔物達は今度はその拳を振り翳したり、踏み潰そうと足を上げる。
三度男の姿は消え…今度は、魔物達が一斉に地面へと転がっていく。
全員が全員、その手で足の向こう脛を抑えていた。
「峰打ちだ、斬れてはおらん。…さて?」
まだ足を押さえ転がっている魔物達へと向かい、言葉をかけると共に…見せるように構えを取り直す。
ここまでされて、まだ向かってくるか…いや、それはなかった。
ほうほうの体で逃げ出していった。
■ジン > 主はそれなりに楽しめる、そう言っていた。
それならば、今会った者達は弱い部類だったのだろう。
実は楽しめるの意味が、主と呼ぶ者と男では違っていたのだが、それを気付けるものではない。
構えを解くと、再び鬼火を頼りにすたすたと前へと進みだした。
面倒な罠は無い、代わりに、ちらほらと魔物達が現れていた。
男にとってはどの魔物も変わらない、すべてを峰打ちで納めていた。
…もし後から来る者達が居たら、どんな反応をするだろうか?
それを見る事は、男には無いが。
奥へ奥へと進んでいけば、やっと終着点か、物々しい両開きの大きな扉が現れた。
扉までには、まだ距離はある。
男は慎重に、その辺りへと視線を向けてみた。
…特に変わった物はない、門番らしきものも無ければ、怪しい気配もない。
それならばと、警戒は緩めぬままに扉へと近付いた。
■ジン > 扉の前に立てば、手を当てて押してみる。
大きさが大きさだ、当然なのだが、普通に押しただけでは動かない。
力を込めて押してみるも、ぎぎぎ、と軋んだ音が聞こえるだけで開く様子がない。
…長く放置されていて、開かなくなっているんじゃないのか…
普通にそんな考えが浮かぶだろう、その通りなのだが。
「ここまで来て、中を見れずに帰れというのも…」
呟きながら、ゆっくりと構えを取る。
「…さすがに、無しにして貰おう」
動作としては、先ほどと同じ鞘に左手を添え、右手で柄を握るもの。
そして、人の目には捉えられぬ動き、気が付けば僅かに鞘との隙間に刀身が見える状態になっているだろう。
…ぱちん、と収める。同時に扉がばらばらと崩れ落ちていった。
■ジン > 男は崩れた扉から部屋の中へと足を踏み入れる。
大きな扉に見合う、大きな部屋だというのは分かった。
別に金銀財宝が敷き詰められた場所、という訳ではない。
質素なものだ、研究室か何かなのか、並べられたテーブルには散らばった大量の資料がある。
色んな器具があちこちに配置され、よく分からない線みたいなもので繋がったりしている。
中には、人型をした鎧のような物もある。…飾りだろうか?
何にしても、男にとっては物珍しい物ばかりだ。
多分、何か説明やらが書いてあるのだろう資料を手に取るが、そのこ書かれた文字の意味が分からない。
そもそも、魔導機械の知識なんてものはなかった。
書かれた図面みたいなものから、飛び道具みたいな形をしたものから、小道具らしきもの、とは分かるが…
そういえば、呼び出された洞窟のような場所で、それらしきものが散らばっていた気がする。
となると、あって損はないものなのだろう。
そう考えたならば、その資料の図面にあった形を参考にして、それらしい物を探し始めた。
■ジン > 手元に図面があるのだ、見付かるまでそう長くはなかった。
資料は丸めて懐へとしまい、手に幾つかの魔導機械を持つ。
こういった場所で見付かる物だ、王都にいけば誰か分かる者も居るだろう。
それに期待をし、部屋を後にする。
…まだいくつかは残っているのだが、持てない物を無理して持ったりはしないのだ。
邪魔をする魔物ももう居ない、後は安全となっている道を通り帰って行くだけである。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からジンさんが去りました。