2016/03/05 のログ
タマモ > それから、そう時間は経っていない。
少女の姿は空も見渡せない程に木々に覆われた森の中、その中で、一部空が見渡せる大きなスペースのある空けた場所に居た。
その視線は、そのスペースから見える空へと向けられている。

そこには、石畳だけが敷き詰められているような場所だった。
…石畳にしては、なにやら形がちょっとおかしいかもしれないが、気にする程のものでもない。
腰が下ろせる程度の場所に腰を下ろし、どこから取り出したのか、手にする湯飲みからお茶を啜っていた。

タマモ > きっと、今は運の流れが悪いのかもしれない。
それは自分にとって、ほぼ勝ちが決まっている湾港都市でやったような博打ではない。
良い時もあれば、悪い時もある、そんな普通の賭博のようなものだ。

ずず…更に一口啜る。
まぁ、元々そこまで躍起になって掻き集める程、手持ちに困っている訳では無い。
運の流れが変わるまで、お宝探しとかは控えた方が良いだろうか?
そんな事を考えながら、ふぅ、と深々と吐息をつくのであった。

タマモ > そろそろ戻るとするか。
ぽんっと湯飲みを消し、腰を上げ、ぱたぱたとお尻を叩く。
今はまだ王都内の温泉宿だ。
とはいえ、どうもあそこは慣れない。
歩いている間だけ向けられる視線も、一日中向けられるのは正直…鬱陶しいのだ。

「むむむ…隠すのはそう気にせずとも良さそうじゃが、服…服か…」

それを逃れる手段なら別に無い訳ではない、耳と尻尾を隠せば済む事だ。
ただ、服装に関しては…いまいち着物以外の好みとか、そういった物がぱっと浮かばない。
よし、誰かにその辺りは相談するか、とも考えたのだが…
実に自分の知っている相手に、そういう事を相談出来るような普通の女子が居るだろうか?という疑問があった。
…出会った人達に謝れ。
ちなみに、少女はそういった店での店員の言葉は信用しない。
いい様に無駄に良い服を買わせようとするからである。

ともあれ、戻ろう。
服はまた店を巡れば何か見付かるかもしれない。
ゆっくりと少女の姿は消えていった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からタマモさんが去りました。