2016/02/24 のログ
ご案内:「折れ牙洞窟」にルナトゥムさんが現れました。
■ルナトゥム > 街道を外れ、喜びヶ原のただ中に開いた地下洞窟。その中は昼でも薄暗い。
かつては街道を通る人々を狙う盗賊どものねぐらであったが、今は違う。
洞窟の中には、現在の主が持ち込んだ棺桶と、かつての主達が使っていたいくつかの粗末な家具が置いてあるのみ。
「全く、どうしてあなたはそうなのかしら!」
憤りを抑えきれない様子で、洞窟の主にして永劫の時を生きる吸血鬼、ルナトゥム・セフィロ・クラウディウス・ルナシェイドは怒鳴った。
洞窟に居るのは自分と、使い魔であるコウモリ二匹だけ。つまり独り言である。
■ルナトゥム > 「200年ぶり、200年ぶりですわよ?!そんな相手を案内する先が地下の監禁部屋で!することが触手椅子で放置だなんて!
どういう神経をしていらっしゃるんですこと?!ねぇ!聞いておりますの!?」
怒りをぶつけているのは、壁にかけられた聖女ソフィアのイコン。200年間、吸血鬼ルナトゥムを封印した仇敵である。
「わたくしは期待しておりましたのよ!月明かりの中、テラスで血入りの紅茶を振る舞われて、二人静かに!積もる話をすることを!
そして、ダンスのように優雅に殺しあって!お互いの心臓を抉り出すことを!それなのに、あなたは!!」
復讐と恋愛は様式が似ているという話がある。1つのきっかけから対象を強く思い続け、行動に移す。
封印されていた間、ずっと燃やし続けていた復讐の念が、いつしか違うものへと変質していることに、ルナトゥムは気付いていない。
その思いは恐らく報われることはないだろうということにも。
■ルナトゥム > 「はぁ……。ねぇ、エリザ、アリッサ。」
止まり木のように頭の横に突き出してくくられた髪、そこにぶら下がる使い魔達に声をかける。
「どなたかわたくしの傷心を癒やしてくれる方はいらっしゃらないかしら。強くて、優雅で、美しくて、少し乱暴なところもある、そんなお方が……」
どこか白馬に乗った王子様を夢想する少女のような顔で、ルナトゥムは呟く。
もちろん、男と恋愛するような趣味はないので、待ち望んでいるのは女性だが。
ご案内:「折れ牙洞窟」にカレリアさんが現れました。
■カレリア > 「(確かここですわね…)」
巷で噂になりつつある洞窟に足を踏み入れる
吸血鬼の巣食う洞窟…そのおどろおどろしい噂が独り歩きしわざわざ近づく者は少ない
しかし自分にとってはその吸血鬼とやらの素性を確認しなければならない…もし居ればの話だが
「誰も居なければそれはそれで良いんですが…」
罠や魔物に注意しながら洞窟の奥へ進んでいく
■ルナトゥム > 使い魔のコウモリ達がキーキーと騒ぎ始める。何かがこの洞窟に入ってきたのを感知したのだ。
「あら。熊か何かかしら。雑食の動物は血があまり美味ではないのよね。」
何者であれ、誇り高き吸血鬼はこそこそしたりしない。
コツコツとピンヒールを音高く鳴らしながら、入り口へ向かう。
「言葉が分かる方でしたら、お帰りくださいませ。事前に約束の無い方とはお会いしないようにしておりますの!」
気配を感じればそこで立ち止まり、侵入者へと告げる。
言葉遣いは丁寧だが、気に食わない存在だったならば即座に殺しにかかるだろう、そんな残虐性が言葉の裏に潜んでいた。
■カレリア > 洞窟を進んでいれば奥から何かの鳴き声…おそらく蝙蝠か?甲高い声がする
それに続いて今度は女性…いや子供?
「…誰かは居る様ですわね。」
一先ず何者かが居るという事は分かった
もしや噂は真実か…となればきちんと確認しておかなくてはならない
「無駄な闘争は望みませんわ。あいにくとこちらにも用事がありまして、できれば大人しくしていてくださいませ。」
声が通るように少し大きな声で告げる
一応の準備としていつでも動けるように魔力を体に巡らせておく…不意打ちにも注意しながら声の主の元へと歩を進める
■ルナトゥム > 「まぁ、不躾な方ですこと。ここはわたくしの住処ですのよ。そこにずかずかと入り込んできて、大人しくしていろとは、あんまりではありませんこと?」
言葉の内容とは裏腹に、少し柔らかい声色で、言葉を返す。
さらに靴音を立てながら進めば、相手からはこちらの姿が見えることだろう。
半透明のマントの下にほとんど裸に近い最低限の衣服。地を擦るほど伸ばした銀髪は薄暗がりの中でも怪しく光っている。
血のように紅い唇、そこから覗く牙、黒い瞳に赤い瞳孔は、明らかのこの存在が人間でないことを告げる。全身に施されたタトゥーは、神を呪い冒涜する言葉や記号ばかり。
「冒険者か野党の類か、名乗れるような名があるのでしたら名乗りなさい。わたくしはルナトゥム・セフィロ・クラウディウス・ルナシェイド。誇り高き吸血鬼ですわ。」
自信と誇りに満ちた声で、先にルナトゥムは名乗った。
■カレリア > 「ここが住処…ですの?」
洞窟にすみ着いたという噂まで本当だったかと内心驚愕する
そして声の主を見つければ軽いものの二度目の驚き
「…その…凄い格好ですわね。」
あれは服なのだろうか?むしろ裸よりも扇情的な分いやらしく見える
ちらりと覗く牙に赤い瞳、おそらく彼女が噂の吸血鬼で間違いないだろう
「冒険者のカレリアと申しますわ。ですが…今回は冒険者として貴女を討伐に来たわけではないのでご安心くださいませ。」
スカートの裾をつまみ一礼する
■ルナトゥム > 「ええ、街に住むのは気苦労が多くて。」
クスクスと笑いを漏らす。実際には一人住まいの女性を魅了して作った居候先が王都の各所にあるのだが、今言うべきことではないだろう。
「お褒め頂きありがとうございますわ。美しい物は誰の目にも触れ得るようにすべきという信条ですの。」
軽く頭を下げる。つまり自分の肉体は美しいので積極的に見せていきたい、というわけだ、ナルシシストらしい。
「これはご丁寧に。」
優雅に礼を返した。
「では、冒険者のカレリアさん?今日はどういった用事でここに居らっしゃったのかしら?
事前にお知らせいただければ、お茶の用意ぐらいは出来ましたのに。突然来られるんですもの。」
含み笑い。
この少女は先程から隙だらけだ。まるで闘争の準備ができていない、外見の特徴を除けば、本当にただの少女がそこに立っているようにも見えるだろう。