2016/02/08 のログ
タマモ > 部屋へと入れば、さっそくと周りを見渡した。
なにやら色々と書物の並べられた書架、見ただけではよく分からない道具みたいな物、所々に散乱した箱とか、色々とあった。
なるほど、よく分からん。そんな台詞が少女の脳裏を過ぎった。

「こう…あれじゃ…分かり易く宝箱がどーんっとあるとか、そんな風にしてくれると助かるんじゃがのぅ?」

わざわざそんな事をする人はそう居ません。そんなツッコミが入りそうだ。
ともあれ、漁ってみれば何か分かるかもしれないか?
そう考えれば、適当に部屋を歩き回り、がさごそと適当に漁りだした。
貴重品やらなにやら、そんなものを探索する能力なんて、少女にある訳がなかった。
頼るのは…勘だけだ。

タマモ > 「むむむ…これと、これと…これもじゃのぅ…後はこれか?
これなんかも良いやもしれんのぅ…?」

がさごそとテーブルやら、棚やら、箱の中やら、荒せるところを荒していく。
そして、何かを見付けてはぽいっと放る。
部屋の中央には、少女にはよく分からないが、色んな書物やら道具やら、中には薬品っぽいものまで集められていった。
すべては少女の勘だ、手にとって、なんとなくこれだと思った物を集めている。

分かる者には分かるかもしれない。
いくつかはガラクタ同然の物もあるが、しっかりと場所が場所なら高額で取引出来るような品々である。
…ちなみに、勘が働いているのに何でガラクタ?と感じるかもしれないが。
少女にとっては、それが何か分かれば満足するような物だったりする。

タマモ > そんな事をしばらく続けていれば、部屋の中央は小さな山が出来上がる。
少女がこれだと集めた品々である。

さて、ここで一つ問題があった。
量的に、一人では何かに包んで運ぼうと思っても運べる量ではなかった。
二人…出来れば三人、欲しいところだ。
少女の気に入りそうなガラクタを除けば、三人は要らない。
とりあえず、と懐から風呂敷を取り出した。
ばさっと地面に広げ、これ、これ、これ、とそこへと置いていく。
何とか角度を変え、位置を変え、そんな感じに置いて、風呂敷をくるりと包む。
…うん、全部なんて包み切れない。

「お、おのれ…こんな事ならば、誰かを連れて来れば良かったじゃろうか?」

ぎりりっ、握り拳を作りながら、呟く。
これだけの品々を前にして、置いて行かねばならぬ物もあるとは…!
そうはいっても、少女にはこういった場所に連れて行けるような相手なんて居ない。
まったく、困ったものである。

タマモ > 無理とは分かっていても、二枚目の風呂敷を取り出し、同じ様に集めて包む。
そして三枚目…それが全て終われば、少女の目の前に三つの包みが置かれる形になった。

少女の能力を知っている者ならば、転移を使えば良いじゃないか?と思うかもしれない。
だが、少女はそれを良しとしない。
そうして何かある訳でもないのだが…そういった事では転移を利用しない、ジンクスみたいなものと考えていた。
拘り、大事。

一つは書物の類、これは様々な薬品の類の研究成果が綴られたものだ。
もう一つはよく分からない道具の類、魔導機械や魔法石、金属、要するに魔力の篭った系統の品々だ。
そして、残る一つは…少女の趣味の類。
一つ二つは価値のあるものはあるが、ほぼガラクタ同然である。
その三つの包みを前にして、座り込みながら、じっとそれを見詰め考え込む。
ゆらりゆらりと揺れる耳と尻尾、かなり迷っているようだ。

タマモ > よし、といった感じに少女は立ち上がる。
ごそごそと袖を漁り…手を出す。そこにあったのは一個のサイコロだった。

「さぁ、お主は妾に何を選択させるかのぅ?」

ぽいっと手にしたサイコロを放る。
ころころっと地面をサイコロは転がり…
[1d6→5=5]
タマモ > 「ふむ…」

5の目を出したサイコロを、ひょいっと拾い上げる。
自身で決めた選択、それに従うのが少女自身が決めた取り決めだ。
一つ目の包み、三つ目の包みは解いて中身を適当にぶちまける。
そして、その手を二つ目の包みに伸ばせば、ぐいっと持ち上げ…何とか背負う。
…うん、かなり重い。当然、この行為にも力は使わない。

ふらりふらりと重さにふらつきながらも、少女は包みを背負ってその部屋を後にした。
…出る瞬間、ちらりと名残惜しそうに散らばった品々を見るのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 地下ダンジョン」からタマモさんが去りました。