2016/02/07 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 地下ダンジョン」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 今日の散歩先は、穴場付近にある森林地帯で見付けた地下ダンジョンだった。
元々の目的は穴場周辺を見て回るだけだったが、こんな物を見つけては足を踏み入れない訳にはいかなかった。
前と同じで誰か先に入り込んでいる事は?
それもまた考えるが、そういった事を探るような知識や技術は少女にはない。
「うむ…なにやら不穏な気配はするんじゃ、前みたいに外れという事はなさそうじゃのぅ?」
少し前に浮かぶ、灯り代わりの狐火の輝き。
ふむ、と一人頷けばその歩みを続ける。
そういったものはなくとも、少女には勘というものがある。
その少女の勘としては、何かありそうな予感はしていた。
■タマモ > いつもの調子で、ずんずんと躊躇無く歩み続ける少女。
ふと、踏み出した足元にかつんっと袖から零れ落ちた貨幣が地面に落ちた。
ぴくん、と耳を揺らせば、すぐにそれを拾おうと前屈みになる。
「おっと、どこか買い物をした時に受け取ったお釣りじゃな。
財布に入れ忘れ…」
ひゅんっ…がつっ!
その前屈みになった瞬間、その頭上を何かが飛んでいった。
それはすぐ横の壁に突き刺さり、びん…と名残のように、そこから突き出たように見える棒が揺れていた。
そのまま、少女の動きが止まっている。
ぎ、ぎぎぎ…ゆっくりと、そちらへと視線を向ける。
壁から突き出た棒のような何か。
どうやら矢が突き刺さっているようだ。…というか、トラップだ。
よく足元を見れば、何か踏んでいる…ような気がする。
■タマモ > 「………ふ、ふふ…妾にこのような罠、簡単に通用すると思うたのかのぅ?」
たらり、額から頬を一筋の汗が垂れる。
誰に言うでもない、偉そうに胸を張って呟く。
こういった無機質の攻撃、特に不意打ちは、少女の苦手とするところだった。
…まぁ、こんな感じに妙な運が働いて当たる事は無いのだが。
それが無くとも、何と無くで分かる、それが常だ。
とはいっても、やはり怖い物は怖いというのはある。
「まったく…こういった罠というのは、作る人間の気がしれ…ん?」
ちらりと刺さったままの矢を一瞥、さっさとその場を離れようと再び歩き出す。
かちり、足元から音がした。うん、今度ははっきりと音が聞こえた。
しかし…ささっと少女は身構えるも、すぐに何かが起こる…そんな感じがなかった。
■タマモ > しばし沈黙。
…何も起こらない。
更に沈黙。
…やはり何も起こらない。
うん、気のせいだ。少女はあっさりと警戒を打ち切った。
「うむ…あれじゃな?仕掛けをし損ねたというものじゃな?
ふふんっ、その程度の未熟な腕で妾に罠で挑戦しようだなんて…ええええええええぇっ!?」
やれやれ、と肩を竦めて歩みを再開する。
その数歩後だ、ぱかっ、と足元の地面がいきなり開いた。
そのまま、少女の姿は開いた穴の中に消えていって…
…なんて事はなかった。
侵入者を飲み込んだ落とし穴、それがゆっくりと閉まる前に穴から少女がふわりと浮いて出てきた。
ぱたん、落とし穴は閉じ、何事も無かったような地面になる。
ひらりと浮かんでいた少女が少しの距離を置いて着地、はふー…深々と溜息をついた。
■タマモ > 最初の内は何の仕掛けも無く、油断をさせる。
そして、そこへとそっと置くように罠が仕掛けられている。
なんとも厭らしい配置だった。
「この前は魔導機械、その次は何も無く、今回は罠か…」
ぽつりと呟いた。
なんか、狙ったかのように自分の不得意な構成を向けてないか?
誰かがいちいち自分を調べ、こう行くだろうと思ってそういう場所にこんな事を…
そんな事を考えるも、まぁ、うん、そんな余りにもピンポイントな事がある訳がない。
偶然とは怖いものだ、そんな考えに到る。
そうなれば、また何かあるかもしれないんだ、警戒するしかないだろう。
注意深く、そこからは進み始めるのであった。
■タマモ > 本気になった少女の怖いところは、ここからだった。
どごぉんっ!…めしゃっ!…がぎぃんっ!
進む先々で、爆発音や、潰れたような音、叩き割るような音、様々な音が鳴り響いては、ダンジョン内に振動が走った。
誰かがこの後を通るなら、きっとその者は運が良いのかもしれない。
少女が通った後の通路や部屋には、所々に凄まじい破壊の跡が残されている。
神経を研ぎ澄ませていく少女には、何かの軋むような音でさえ、的確に聞き取るような状態だ。
そこへ向かい、念動力を叩き込む。
これ以上ない程に強引な突き進み方である。
…もし煙やら魔法やらの罠があったら危なかったかもしれないが、幸いにもそれはここにはなかったようだ。
■タマモ > そんな調子で突き進んでいく少女の前に、ついにそれが姿を現した。
物々しい扉、このダンジョンの到着地点だろうか?
扉に近付く、過敏な聴覚にはこれといった反応は見られない。
うむ、と一つ頷くと…またも大きな破壊音と、衝撃が起こるのであった。
「………やれやれ、妾にここまで無駄に力を使わせてくれてのぅ?
相応の物が無ければ…二度と人の目に触れれぬようにしてくれるのじゃ」
ぱんぱんっと手を叩き、扉であった物の残骸と…罠であった物の残骸を踏み越えて、その部屋へと入ってきた。