2015/12/31 のログ
■タマモ > 「そこはほれ、魔法とか便利なものがあるじゃろ?
………と考えれば、この羽は必要くなってしまうのぅ。
そうなると、やはりティネはそういう類では無いんじゃな」
自分で言っておきながら、あっさりとそれを否定した。
必要な機能を魔法で不要としているならば、この羽も同様であった…と、指先でちょいちょい羽を弄って呟く。
「ふむ、そうじゃな…それはティネ次第じゃ。
ふふ…まぁ、言わずともそうなってしまう感じかのぅ?
ちなみに、これはあれか?羽も濡れていては飛べないというやつじゃろうか?」
ひっくり返った小さな体に、更に指先で触れていく。
ふと思った事を問いながら、くりん、と濡れた衣服の上から胸に指先をあて、軽く先を擦りあげる。
■ティネ > 「ちょっとした魔法は使えるけど、自分の形を変えるのはうまくいかなくて。
羽根はまあ、ひっこめたりできるんだけどね……。
そだね、乾くまでは歩きしかできないや。
もともとあんまり飛ぶのって得意じゃないんだけど」
羽根をちょいちょいとつつけば反対側へと歪む。
少し力を込めて持てばちぎれてしまいそうな儚さだ。
「ぼ、ボクだっていつもタマモに遊ばれてばかりじゃないんだから~。
たまには――て、ちょっ……ひゃあん!」
甲高い声を上げて、えっちぃ! と非難するような目で見上げる。
しかしそれに反してティネの身体は内側からじんわりと温まりつつあったのが、
タマモにもわかるだろう。
■タマモ > 「おぉ…やはり使えるんじゃな、どんなものが使えるんじゃ?
飛べる妖精なのに飛ぶのが苦手とは不思議じゃのぅ…
この体で飛べずに歩くだけとは、移動するのにかなり気が遠くなりそうじゃ」
歪む羽を弄り続けながら、その言葉にふっと浮かんだ問いをする。
調子に乗りそうになるが、ぽきっといってしまっては洒落にならない、控えめにしておいて。
「しかしなぁ…ほれ、今はこの冷えてしもうた体、どうにかせねばいかんじゃろう?
そうなると、温めてやろうとなってしまう。
そうするには………さて、どうすれば良いじゃろうか?」
非難するような目を、じっと見詰め返す。
ゆっくりと言葉を紡ぎながら、反対の胸を弄り、すぅっと下に…下腹部辺りで止めてしまう。
視線は外さぬまま、じっと見詰め続ける瞳は、ティネのその言葉の答えに対する期待が込められたような感じで。
■ティネ > 「ちょっとした幻を見せたりとか、注意を逸したりとか、かな。
大したことはできないよ。
なんか飛ぶのってあんまり慣れないんだよね。だって……」
口が滑ったらしく、言葉は途中で途切れた。
その代わりに頭ににょきと髪色と同じ、小さな金の狐耳を生やしてみせる。
幻なので触れられはしない。みてみて~、タマモとお揃い、などとのたまう。
「う……」
タマモの指の動きと、視線に、唾を飲み込む。
そう見つめられているだけで、過日の戯れを思い出したのか、
心臓はずきずきと高鳴り、顔は紅潮する。完全に呑まれていた。
「……ぼ、ボクのこと好き勝手して、あたためて、ください……」
胸の前で手を合わせ、潤んだ瞳でお願いする。
ああ、またこうなってしまうのか、という、もう一人の冷静な自分の諦観とともに。
■タマモ > 「ふむふむ…なるほどのぅ、その辺りは妾が知っておるのと近いものがあるのじゃ。
…?羽付きの妖精であれば、飛ぶのは普通ではあると思うんじゃが?
何か理由があったりするのかのぅ?…いや、答えれぬのであれば無理には聞かんのじゃが」
言いかけて止められると、やはり気になるものである。
とはいえ、どうとも隠すのが苦手そうでいつも無駄な事まで言ってしまうのに、言葉を止めた。
そう考えれば、聞きたいが…無理強いはいかんか、答えれるのならば聞く程度の姿勢に。
幻覚…と、分かってしまっているのだが、それを破る必要もなし。
目に映らされた己と同じ耳に、なるほど、ティネからは自分の耳はこう見えるか、と。
じっと見詰めている瞳に映るティネは、どう見てもその言葉に何を思い出しているか一目瞭然だ。
くすりと小さく笑みを浮かべる。
「そうかそうか、ティネは体を温めて貰う為に…妾に好き放題されたいと言うんじゃな?
いやはや、本当にティネは…のぅ?
しかし、そうじゃな…この様な場所では満足出来まい?場所を変えねばな…良いじゃろう?」
ふむふむと頷きながら、言葉は途中であえて濁す。
言ってもよいが、その言葉の先を自分で想像させるのも面白そうだと思ったから。
指先はまだ下腹部で止めたまま、焦らすように、僅かに下げたり戻したりと動かす。
一応は移動を仄めかすが…まぁ、ティネの返答次第で留まるか移動かは決まるだろう。
■ティネ > 「……気が向いたらね」
タマモが深く問いただす様子がなければ、
普段の調子からすれば少し控えめに目を伏せてそう答える。
「ぼ、ボクじゃないもん……
タマモが意地悪なのがわるいんだもん……」
ほとんど幼子のような調子でせいいっぱいに小さく抗弁する。
焦らすように動く指先を見て、身をこわばらせて息を止めたり吐いたり。
移動を促す言葉には、小さく頷く。
ティネはどこでだって構わなかったけど、
自身を掌中におさめるタマモの言葉に、あえて抗う理由もなかった。
■タマモ > 「うむ、分かった。気が向いたら聞かせて貰うのじゃ。
………その時は、妾の秘密も教えてやろう」
ふぅ、と小さく溜息。
無理強いしない問いを答えぬ事を気にする事はない、といった感じに羽を弄っていた指を離して頭を優しく撫でる。
「ほほぅ…?ならば、妾はティネの言う妾らしく意地悪にしてやるのが良いのかのぅ?」
にやり、と意地の悪い笑みを浮かべてみた。
その表情はすぐに戻す。
移動の言葉に頷くのを確認すれば、さて、どっちだったか?といった感じに視線を巡らし…
ちゃんと王都の方向は分かったらしい、そちらで視線を止めると、ゆっくりとその姿が手に乗せた妖精と共に消えていって…
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からティネさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からタマモさんが去りました。