2015/10/16 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にソードさんが現れました。
■ソード > (太陽が天頂から西へと傾き、だんだんと影が長くなっていく。
今頃貴族たちは、優雅に午後のティーブレイクと洒落込んでいるかもしれない、そんな時間。
もう陽光が茜色に染まるまでさほど時間はない。
であるのだが、男が今いる場所はそんな事関係なく恐ろしく暗い。
鬱蒼と生い茂る樹々に覆われた腐葉土を踏みしめながら、男は一息をつく。
鼻をつくシダ植物の匂いにも既に慣れた。
陽光がチラとも届かぬこの場所は、まるで真夜中のようにも感じる。)
さて。……出ねぇなぁ。
(とある樹木に背を預け、両腕を組みながら男は嘯いた。
軽く、腐葉土をつま先で蹴飛ばす。
男がこんな処にいる理由は一つ。仕事である。
密林地帯に徘徊している魔物の討伐。
および、密林内にしか分布しない薬草類の採取だ。
後者に関しては完全についでであり、男にとっての本命が前者である事は言うまでもない。
よってこうして、早朝からこの密林を徘徊しているのだが、該当の魔物の気配はない。)
■ソード > (実際のところ、男が受注した依頼は「魔物の討伐」ではない。
「実情の確認」である。
最近になって出現したという魔物の正体を突き止める、あるいはそんなものが本当にいるのか否かの確認。
噂の中には、それは魔物ではなく魔族である、などと言う者もいるようであった。
討伐は、可能であれば、という前提の下に追加された要素である。
まぁそもそも、件の魔物とはまだ遭遇できていないし、痕跡も発見できてはいないのだから、男の中では眉唾という認識が肥大してきているが。)
こりゃ、無駄足だったかねぇ。
(嘯いて、暗い周囲を見回す。
まともに歩くには、松明なりカンテラなりの灯りが必要となる暗さだ。
眼を細めて、闇の向こうを見つめた。
これだけ暗い場所もある地形である。その闇の向こうにありもしない脅威を幻視しても、それは不思議ではない。
文字通りの、疑心暗鬼、というものだ。
そうでなくてもこの場所には、魔族の国とつながる黄泉の門がある、などという与太話まであるのだから。)
■ソード > ―――まぁ、もうちょい見て歩くか。
(ため息交じりに漏らしてから、大儀そうに樹の幹から背中を離す。
腐葉土を踏みしめて、向かう先は当て所なく。
地図を広げるでも、目印をつけるでもないが、足取りによどみがない。
一挙手一投足が、いちいち無意味に自信満々である。
まぁ実際、道に迷う事はない。犬だか何だかのように、恐ろしく方向感覚が優れているのか。
真っ暗な密林を、物怖じする事なく進む。足場も当然良いとは言えないし、鬱蒼としてそもそも見通しが悪い。
そこの繁みから今にも何が飛び出してくるかは知れないのだ。)
―――ん?
(そうして歩いていると、少しずつ明るくなってきたように感じる。
何か、と思って更に歩けば、開けた場所へと出た。
まるで作られたように円形に、樹々が存在していない広場のような場所。
上には空が見える。
いつしか日は暮れていたらしく、星空が見えた。
眼を細める。明るい月光が、柔らかく腐葉土を照らしている。)
妙な場所に出たな。誰かの手ぇでも入ってんのかね?
(きょろり、と周囲を見回しながら嘯く。
ともあれ、こんな時間になった以上はもう今夜は街へも帰れない。ここで野営である。)
■ソード > (少し水の匂いが強い。近くに水場でもあるのかも知れない。
であれば、この近くに件の魔物が出てくる可能性も十分にあり得る。
一度、その開けた場所の中央まで歩いて行って、もう一度ぐるりと周囲を見回す。
月光に照らされて明るいせいか、樹々の向こうに見える闇は一層色濃く感じられた。
眼を細める。
遠くの方で、何か鳥類の鳴き声と羽ばたく音が聞こえた。
常に何かしらの気配と音で満ちた密林。
件の魔物については眉唾かも知れないが、それでも何かいるのではないか、と思わせるには十分な場所である。)
むしろ、何か出て来てほしいもんだけどねぇ。
(男は肩を竦めながらそう零すと、再び歩き出す。ひとまず、適当な樹の影にて睡眠を取る事とする。
明日、日の出る前には起きて動き出そうと考えながら。)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からソードさんが去りました。