2023/05/01 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にunkownさんが現れました。
unkown > 夜空に浮かぶ月を丸呑みできそうな程に大きな口をあけ欠伸を零す。

月明りが眩い真夜中のメグメール街道。
ただ夜風が雲を運んでくるのか、暫くすれば月は魔獣ではなく雲に飲まれてしまうだろう。

「クアァー……………。」

また魔獣は欠伸をする。
魔獣らしからぬ柔らかな欠伸と鳴き声。

魔獣は欠伸を終えると顔を覆うほどに長い体毛状の触手の合間からのぞく鼻先を夜空へとむけ、しきりに辺りの匂いを嗅ぎ何かを探す様子を見せている。

目的はひとつ。
肉、にく、ニクだ。
睡眠欲は十分に満たした、食欲も同じ。
あとは――本能が赴くままに食い散らかすのだ。

やせっぽちもいい、食いでがあるのもいい。
エルフもミレーも人間も魔族も全て全て喰らいたい。
長い体毛状の触手の合間から鼻先と共にのぞく眼がその欲望の深さを証明するように、夜の闇の中でギラギラと輝きを見せた。

かふぅー………魔獣は欠伸ではなく、体に篭る熱を持て余して、大きくどこか甘い果実の香りを宿すと息を吐き、重々しい足音を奏でながら街道を彷徨い続ける。

unkown > 彷徨っているうちに偶然獲物になりうるニンゲンに遭遇出来るかと言えば難しく、魔獣は小さな集落を襲い其処からニンゲンを浚う方法までも考える。

危険はあるが少なくとも獲物を獲られず朽ちることは無くなり、己の存在意義を果たすことも出来ると。

魔獣は鼻孔に感じる匂いの中でその条件を満たす匂いが無いかを探りながら、街道より外れて森の中へと消えていく。
次に姿を見せるのは再び街道か或いは何処かの村のはずれか、少なくとも王都であることは無いだろう。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からunkownさんが去りました。