2023/01/06 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にドラゴン・ジーンさんが現れました。
■ドラゴン・ジーン > 昼下がり。柔らかな日差しが照り付ける時刻に街道を進んでいるならば、その脇には様々なものが見えて来る。人通りを見込んだ中間地点の宿場街や、誰かが作った休憩場、野営をした痕跡として燃え残った焚火に、そこで誰が害意に晒された事を示す血痕などが散っている場合も在るかも知れない。
そこから絶妙に外れた距離間隔の場所に一本の大樹が聳えている。直ぐ近くにはひた続く森林地帯への入口がぽっかりと口を拡げているのも見えるが、その樹木だけは周囲の木々よりやや離れた場所に佇んでいた。
よく見ればその樹の幹の上層部分、太い枝分かれをしている辺りに木目の板が張り巡らされ。そこを土台にして一軒の小屋らしきものが建っているのを認める事が出来る。常緑樹の生い茂る枝葉にカモフラージュされて、遠目から見付けるのは難しいかも知れないが。見れば大樹の樹皮表面部分には古びた梯子が立て掛けられているのも散見される。
「…………」
そこに一体の大きな黒い蜥蜴のような生き物が登っていた。ぬらついている光沢の前肢後肢をかけてかかる体重負荷に、ぎしぎしと梯子全体が軋みを漏らしている。
■ドラゴン・ジーン > 其処は過去に野伏の類が使用していた隠れ家となる。しかしながらに街道の旅人を相手に強盗追剝を行ってお縄となったのか、それともただ自然に何処かに野垂れ死んだのかは解らないが、暫く此処は誰も使用をしていない。小屋の中には一通りの最低限の根城に出来る家具らしきものは残っていたが。
いかんせんに人が住まなければ家というものは加速的に劣化するものであり、見付けた時には大分草臥れてしまっていた。それが故に此処を修繕する為に、外に出る都度にこの場所にへと立ち寄っているという次第になる。
「………」
概ねの建材は木製であるが当然にそれらを維持する為の大工道具まで自然に転がっている訳ではない。ごぽ、と、開いた顎から吐き出すのは街で拾い集めた釘や金具、成型された木材などの類となる。そして粘土や石を呑み込んで体内の分泌液で融解しながら混ぜ合い、漆喰、あるいはモルタルのような目地材を作って補強を施し回っていた。
■ドラゴン・ジーン > 此処を一時的な拠点として活動する際の為に、森や平原で搔き集めた食料の類も此処に備蓄を寄せている。鳥の羽毛や小枝、藁束を集積して粗末ながらに自分や産んだ子供達の為の寝床も準備していた。
家の載っている樹木周囲の地べたにも注意しなければならないだろう。彼処には最初からこの小屋の中にあった野伏の罠道具であるハンガートラップなどが植えこんで仕掛けてある。もしも油断して踏みつけてしまえばその足を取られ、吊り縄で一挙に太い枝木にへと向かって釣り上げられてしまう事になる。
そして日課のような大工補修の仕事を雑然とながらに終えると、そのまま束の間に木漏れ日の差し込む窓辺の辺りの床面に伏せて寝転ぶ。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からドラゴン・ジーンさんが去りました。