2022/12/13 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にテンドンさんが現れました。
■テンドン > お昼頃、村や街や施設周りを接続している街道の上を疾走中。
少しだけお天気模様が余り良くない、パラつく小雨が一帯に舞っている。
「っ…っはっ、はっ…っ!」
酸素を求める肺に空気供給、規則的な呼吸を吸ったり吐き出したり。
周辺は何処までも見晴らしの良い原っぱ、しかし遠目に窺えば小高い丘や茂る木々の伸びる陰も眺望出来る。
人里からは遠く離れて、殆どが手つかずの原生のままの中を突っ走る。
その背中には自分の身丈を遥かに超えるような大荷物の籠が梱包されていた。
一歩一歩を蹴り立てて進む都度に、危うげにゆさゆさ揺れる。
胸部周りは長距離移動に備えて普段以上にぎっっっちぎちに固めて来たのでさして揺れない。
■テンドン > 「まっさか…雨降って来るとは。この日は晴天快晴間違い無しってゆったジャン占いおばばの嘘つき…!」
帽子などで雨滴は遮られているが、雨足の不安定さに上目がちに窺う曇天の空模様。
雨冷えし始めた空気は身震いする程に寒々しく思わず首が竦む。
はーーーっと吐き出した呼気の運動熱が取り巻く低気温の壁に触れて霧みたいに霞んだ。
そして直ぐに帽子の鍔裏で凝結して露を結ぶ、滅茶苦茶に寒いし、はちゃめちゃに多湿状態、気候が危う過ぎる。
「あ~!こんな事になるならこんなに大荷物引き受けなければ良かったそれもマグメールから離れた村までだし料金割り増しに目が眩んだボクのばかばかアンポンタン…ッ!」
文句を言っても背中の荷物さんは雲のように軽くはならないし、降り続けている雨空も一向に晴れ上がる気配は無い。
■テンドン > 「スン………」
良くない感情の鉛の重さに沈んで表情が薄味に希釈される、エネルギー消費削減。
黙々と走っている最中において或る程度の通行者とスレ違う事もそれなりにあった。
何処かでお仕事を終えて来たばかりの冒険者達の岐路だったり。
自分と同じように荷物を輸送する為に移動中の隊商(キャラバン)だったり。
皆程好く距離をおいて手を振ったり挨拶程度は交わす。
街みたいに人で溢れ返っているなら兎も角、此処まで人気の無い場所だと寧ろ人との邂逅は緊張の一瞬だ。
「くははは馬鹿め油断したなただの旅人に見せ掛けた盗賊なんだよーんさあ積み荷を寄越せげっへっへっ!みたいなこともあるもんね、普通に。世に悪は砂浜の真砂の如きに尽きまじ…」
■テンドン > ………
……
…
「…っふう…随分走った……少し休憩しよ、休憩。余力は残し残ししておかないといざって時の危機的状況でぐったりだなんて洒落にもならないもん!うん、そうだね流石賢いボク、ちょっと足を休めておこうか!オッケー!」
一人相談相談可決。
此処まで維持して来たスピードを減速、軽やかな足幅は狭くなる、間隔はスローペースになり軽い小走り程度になった。
目指す行方は平原のようになっている街道脇に建っている小さな建造物。
というのも烏滸がましいような、庇付きの旅人用の休憩所。
もしも余りファンタジーらしくない喩えをするならば田舎のバス停みたいな、という表現がぴったりだろう。
誰が持って来たのか横に長い木製のベンチまで在る。
■テンドン > 「はいっ、指さし確認!周囲に不穏そうな影無し!ヨシ!」
ぐるりと一面見渡す限りの見晴らしの良い原を指さす!
「屋根の下やベンチ下にスライムとかデカいナメクジとかも潜伏して無い!ヨシ!」
踏み込んだ休憩場の屋根下やベンチ下の狭い隙間を指さす!
「休憩場の周囲にトラップ!仕掛けらしきものは無し!ヨシ!」
石を転がしたり棒で突いたり地面に掘り返された痕跡や怪しい出っ張りが無いか指さす!
「安全確保!ヨシ!」
どすー!とそこまでやった後に背中に背負っていた荷物を籠ごと外してベンチに置くと、その横に自分の身体を放り出すようにして座り込む。
■テンドン > 「つーっっっかれたー!!お風呂入りたい!美味しい御飯食べたい!あたたかいお部屋でぬくぬくしてホットミルク飲みながらぐーたらしてたい仕事ヤダーーーー!!!」
喜びヶ原でじたばたしながら叫ぶ声。
■テンドン > 「ふしゅう………」
直後にスイッチがオフになったように、だらだらに全身を弛緩させてベンチの背もたれに全身全霊を委ねて寛ぐ、魂の抜けている顔、目の前の景色は何処までもいつも通りに雄大で綺麗。
■テンドン > 「は……」
ぶる、と、身を震わせたのは吹き過ぎる風の冷たさに撫でつけられたからだ。
ぐっと気合を入れ直して、全身のバネで精魂尽き果てた酔っ払いみたいになってた体をその場にぴょこんと起こす。
がさがさ懐を探って取り出すのは笹の葉で包んだ握り飯と、それと竹で作った水筒、水筒の中身は熱々のお茶。
だらだらとしながら昼頃の食事に勤しみ出す。
「…此処まで来たならほぼ中間地点だし、夕方までには村に着くかな。そのままトンボ帰りは絶対危ないし、向こうで一晩宿をとらないとね…」
がさがさ膝上には地図を広げて道程を確認中、もぐもぐ口を動かしつつ。
■テンドン > 「っし……」
休憩終わり。食事の片づけをした後に休憩場内で軽いストレッチ。
空模様を確認した後にベンチに休ませていた荷物籠を手に取って背中に背負い直す。
とんとんと踵で地面を軽く蹴って体の調子を確認。
「…がんばろっ」
そして風切りよりも速い韋駄天の走りは休憩場の庇を飛び出し弾丸が如く。
何処までも続く街道の中をまた走り出した、下手をすれば馬をも超える加速はあっという間に消えて行く。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からテンドンさんが去りました。