2022/09/04 のログ
ジュリーノ > 「今日は……俺が家まで送るよ。
 だから襲われる心配しないで。
 突っ張りとかないよ。
 凄いね」
閃かせる手は健康的な肌で覆われて怪我一つない。
その光景にぱぁぁと明らめた顔で飽きることなく見つめて。
「凄いねルイーザ、魔術の心得があるんだ。
 それならさ。このクッソ重たいマンドラゴラ達をさ。
 街までピューって飛ばせない?」
街道の向こうへと指さして嬉々と目を輝かせた。

ルイーザ > 「大丈夫だよ。街中は安全だしね。
君は優しいね…なら頼もうかな。
他人を癒したのは初めてなんだよ、何ともなくてよかったよ」

何かを察した少年に送ると言われて困ってしまうが好意は受け取る事とし。
治した手に違和感がない事によかったと口にして。

「学院で習った範囲だよ。ジュリーノだってこのぐらいなら直ぐに使えるようになるよ。
それは流石に無理だよ。僕と君の力を少し強くするぐらいならできるだけどね」

軽く麻袋を押してもびくともしない重さ。
これを飛ばすとなればそれなりな使い手でなければ厳しく、何より飛ばして落ちた地点に人がいれば大惨事。
それは無理だと苦笑を浮かべ、代わりにと自分と少年に筋力補助の魔術をかけて。

ジュリーノ > 「それじゃ俺は君の被験者1号ってところだね。
 明日になったらこの手がグロテスクに膨れ上がったりして。」
そんな恐れサラサラないくせ、冗談ぽく人懐く笑みに言葉綴る唇がにっこりと弧を描く。
「魔法は興味がなくてね。筆記試験だけ頑張って後は適当にやってたけれど。
 こんなことできるなら本気で頑張ろうかな?」
そして麻袋に紐を握りしめる。
宣言通りに渾身の力でやっと持ち上がったそれが片手で軽々と宙吊りにできたのだから。
「凄いよルイーザ!無茶苦茶軽い!これなら千里だって持ち運べるよ。
 君は幸運の女神が遣わした天使だね!」
一歩近づき。昂揚に突き動かされるように腕を伸ばした。
抱きついてしまおうとしたのだ。
振り払わなければ、筋力増強された強い腕力でぎゅ、っと胸に顔を埋めてしまおうと。

ルイーザ > 「言い方が悪いけどそうなるね。
それはないよ、回復魔術はそんな危険なものでもないし、僕は成績が良いんだよ」

冗談ぽい言葉を人懐っこい笑みで告げる少年にそれはないと返し。
そんな危険があれば人には使わないと言い切って。

「覚えて損はないよ、こういう時に便利だからね。
本気になれば直ぐに覚えれる魔術だよ」

補助魔術をかけた少年が麻袋を持ち上げれば、魔術のかかりが良いのか予想以上の効果を、
軽々と持ち上げる姿には驚きを見せてしまい。

「ちょっと効き過ぎにも見えるけど問題ないようならよかったよ。
それなら日暮れまでに王都に戻れそうだね。
僕は天使でも何でもない学生だよ……ひゃわ!」

少年が喜んでいる姿は見ていて気持ちよく、天使と持ち上げられればそんな事はないと照れてしまい。
そのせいで伸ばされた腕への反応が遅れ、抱き着き胸に顔を埋められると引き放そうとするが強化された筋力のせいでそれも叶わず。
胸に顔を埋めてしまった少年に甘い香りを感じさせながらその背中を叩いて。

ジュリーノ > 「うんうん。ルイーザに魔術の素晴らしさを教えて貰ったよ。」
うん、うん、と。彼女の言葉に首を上下に振ってみせた。
感謝の世辞より抱きつく体現の方が伝わりやすいと。生来の天然さから出た行動。
汗臭い体に抱きつかれては迷惑だという意識さえも無く。
「いい匂い。」
ただただ五感から感じられることを言葉にした。
だから背を叩く批難に気づくのも遅れ。
「ぁ、悪ぃ」
咄嗟に腕を離して慌てて両手を万歳姿勢。
「ええっと。御免なさい。急に。
 別に押し倒すつもりとかないから、安心してね?」
気恥ずかしいのは相手の方だと分かっても、別方向で生じた。
彼女に決まり悪そうに舌を出し、手を重ねて一応の弁明を告げる。 

ルイーザ > 「そうかい?知って貰えたならよかったよ」

魔術を使える知り合いがまた一人増えるかもしれないと思えば嬉しく。
いきなりに抱き着かれるという行動は本当に驚いてしまい。
汗とは別な匂いを少年にかぎ取られたのかいい匂いと聞こえれば顔を真っ赤に染め。
早く放してとばかりに何度も叩き、そして解放されれば胸を庇うように腕で抱いて一歩下がり。

「本当だよ、ジュリーノ。
お、押し倒してくたらただじゃ済まさないよ」

謝られては事故の党なものだと思うようにし、
思うようにしたのだが押し倒すなどと言われれば身を震わせ。
きまり悪そうにして弁解をする少年に判っていると何度も頷いて。

ジュリーノ > 「せっかく治癒魔法かけられたのにボコボコにされちゃうところだったね。」
相手が気を悪くしてないことにもうすっかりと普段どおりの笑みに戻してから。
「ぁ。」
眼の前の黒髪の向こう、山裾に沈みかかる燃え盛る太陽と。反対側には夜を告げる深蒼の宵が迫ってることに意識が取られた。
「楽しい時間はあっという間だね。そろそろ行こうか。
 ルイーザのいい匂いを嗅げたから少しは元気になれた。
 お礼に夕飯奢るよ。学園の側に安くて美味しい店があるんだ。」
巫山戯口を叩き込みながら片手で麻袋を背負う。

ルイーザ > 「僕はそこまで乱暴ではないよ。びんたはするかもしれないけど」

ボコボコと言われるとそこまではしないと首を振り。
それでも一度頬は叩くとはっきりと告げてみせて。・

「どうかした……ちょっと話過ぎたね」

少年の言葉に何事かと視線を追えば夜はもうそこまで迫っていて。

「話しているとそうなるね。日が暮れる前にいこうか。
…そう言う事は言わないでほしいんだよ。
良いのかい?ではご馳走になろうかな」

いい匂いと言われると瞳を細めて見返し。
麻袋を背負うのを見れば先導をするように歩き出して。
そうして王都に戻れば少年が麻袋を引渡しのを確認し、食事に向かう事となって…。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からジュリーノさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からルイーザさんが去りました。