2022/07/16 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にシァンさんが現れました。
■シァン > ざあざあと降り頻る雨、ぬかるむ土に倒れる草、その中を行き交う様々な商人たちに旅人達。
徒歩、馬車、様々に行き交う中でぽつんと一台街道沿いに止まったままの幌のついた馬車、
『冒険者ギルド』『街道警備中』と看板がぶら下げられている。
「……平和なのぁいいんだけどな……」
退屈だと欠伸を零しながら幌の中から道や人を見守る冒険者1名。
誰かが一緒にいれば話し相手にもなるのだが……
まれびとの道程度でペアだの班だの組む必要ねぇだろお前一人、
なんて言われてしまって付けて貰えなかった。
もちろんここ以外にも幾らも街道警備の人員は出ていて看板ぶら下げた馬車はあるがここには自分一人。
「まだ昼時だぜぇ。あ゛ー……なっがい……! ほかんとこにお喋りにでも行くかぁ……?」
進捗どうですか的な業務連絡の体で。などと、寝っ転がって横寝に手枕でぐうたらしながらぶつくさ。
■シァン > さしたる危険もなくのんびりできる仕事だが……
朝は早くから夜は遅くまで。拘束時間が長いのだけは困ったものだ。
「ん゛ー……」
退屈と眠気の難敵相手に唸りながら、時間が過ぎていく――
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からシァンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にティネさんが現れました。
■ティネ > 黄昏時。比較的過ごしやすい陽気。
今日もひがな一日適当に過ごしている妖精が、ふわふわと街道沿いの草原のあたりで飛び回っている。
「はあ……」
やがて野花の上に留まってちょこんと座ると、物憂げな表情になる。
夕陽を受けたその横顔は、妖精の神秘性もあって、どこか絵になる光景だった。
「ちょっと溜まってるなぁ……」
口からもれる呟きには特に神秘性はなかった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にクレイさんが現れました。
■クレイ >
仕事の帰り。この道を歩いていた。受けた仕事は違う街まで行商人を護衛するという物、それをあっさりと終えた彼は帰路についていた。
報酬は彼としてはそこまで多くない金額。だが知り合いの商人だったこともあり受けた次第だった。
「そろそろデカい仕事うけねぇとな」
最近楽を覚えてしまったせいか学校で教えながらこういう軽い仕事での小銭稼ぎばかりになっていた。
と、ふと横を見れば綺麗な草原。
「へぇ……こんな場所あったんだな」
ふーんなんて見ていると腰を掛けている妖精を見かける。その物憂げな表情を見て。思わず少しだけ目を見開いて。
「……なんというか、妖精も大変なんだな。どうかしたのか? なんかあったか?」
なんとなく今までもっていた妖精のイメージはいつも楽しそうという印象だったので思わずと言った様子で話しかけてしまう。
■ティネ > 「うわー!」
ぼけーっとしていたらあろうことか青年に気づかず接近を許してしまった。
声をかけられて慌てて草花の影に身を隠す。
「え~? 何も言ってませんけど?
ボクは心の清い人にしか見えない儚い妖精ですけど~」
ごまかしにかかっている。
■クレイ > 「ハハハ! なんだそりゃ、俺に見えてる時点で嘘だな。俺全く心清くねぇし?」
相手の様子を見てそう笑い飛ばす。自分が心が清いなんて欠片も思っていない。そもそも清かったら傭兵なんて世界やっていけないわけで。
ここでお菓子でも見せられればまだ心を開きやすいのかもしれないが、生憎そんなスペースがあるならポーションの1つでも突っ込む訳で。
なので花を潰さないように適当な場所に腰を下ろす。
「ま、別に無理して聞きゃしないけどな。驚かせて悪かったよ」
なんて言いながら腰の水筒から水を取り出しそれをグイッと飲む。
そして蓋をすればまた元の位置に。
「そりゃこんなデカいのに急に話しかけられたらビビるわな。その辺考えてなかったわ」
そんな当然の事を言うように。腰を下ろしたままの姿は彼女に背を向けており、敵意はないぞと示しているかのように。
■ティネ > 「いや、わかんないよ。
あんがいキミの心の中に残っている少年のごとき純粋な気持ちがどうのこうのかもしれないじゃん」
もっともらしいことを言っているが特に根拠はない。
青年の態度からは害意らしきものが感じ取れないと見て、ひょこと顔を出す。
「そうだよ~。
キミだってボクを油断させておいて
捕まえて瓶に詰め込もうだなんて考えてたりしないとは言い切れないんだからね~」
そう簡単に気は許さんぞといった様子で、
金色の髪を揺らしてつんつんとしている。
■クレイ > 「んな面倒な事するかよ。ナマモノの運搬って滅茶苦茶めんどくせぇんだぞ」
特にこの時期、ビン詰めなどにすれば間違いなく一瞬で干からびて衰弱死だろう。
つまり相応の空間を用意する必要があるわけで、明らかに費用対効果が一致しない。
ここで優しくしないよではなく面倒だというのは彼らしいといえばらしいのかもしれない。
「それこそ純粋な少年だったなら遊び相手でキラキラしててほしいとか言って持って帰るかもしれねぇけどさ」
生憎大人なのでと言いながらヤレヤレと肩をすくめる。
まぁ仮に子供だったとしてもたぶん今より擦れていたので余計に持って帰らない、もしくは食料として持って帰るレベルだったかもしれないが。
ツンツンとされれば少しそっちを見て。
「剣は突っつくなよ。手とか怪我したら事だから」
大きさが大きさだ、こっちからすれば小さな金具でも彼女からすれば身を切り裂くに余りあるだろう。そういった金具が多い剣ならば猶更だ。
だから一応そんな気遣いを見せて。
■ティネ > 「た、たしかに……すなおなクソガキじゃなくて助かったかも!!
分別のある夢を見ない大人って、さいこ~」
青年の言葉に得心して掌を返してしまった。
実際、面白半分で触ってくるお子様の方にひどい目に合わされることのほうが多い気がする。
それはそれとしてもうちょっと物珍しがってほしい気にもなるが。
ぶんぶんと飛び回って青年をあちこち突っついていたが、
怪我の可能性を指摘されてぎょっと大げさに飛び退る。
お礼を言うべきなのだろうが、ますますムスーっとした様子になった。
「お疲れの様子だけど何しに来たの~
妖精を捕まえにきたんじゃないなら、お昼寝~?
子守唄でも歌ってあげよっか~?」
■クレイ > 「あん? 仕事帰りだよ、商人を近くの町まで送り届けたの。でその帰りになんか沈んでた妖精を見つけたからお話中。そしたら今度は不機嫌になるし」
なんだよお前と逆に指先でツンツンとやり返そうと。
だが、その後、そのまま横になる。
「でもまぁ、昼寝ってのも良いかもなぁ。こういう場所でのんびり昼寝ってのも面白いもんではあるし」
黄昏時というだけあって風もそれなりに涼しくなってきた。
それはそれで悪くはない。さぁと風が吹けば草木が揺れる。
剣をぶら下げた男が横になる草原の図はそれなりに絵になるのかもしれないが。
「てか、さっきから捕まえるとかなんとかかんとか言ってるけど。なんだ? そういうの多いのか? まぁたしかに妖精ってそんなポンポンいるような種族ではないのかもしれねぇけど」
■ティネ > 「あ~~やめろ~~~」
つんつんとされてなすすべなく軽い身体が空中で漂った。
「そういう輩はまあ、それなりには多いよ~
王都って治安悪い人ばっか集まってるじゃない。
実際に売り飛ばされかけたことだってあるんだから~」
横になった青年の胸の上にトン、と止まる。
「ま、キミは悪いやつじゃないみたいでよかった~
疑うようなこと言ってごめんね!」
機嫌を直して、にこ、と笑いかける。
それから、ティネ、と名乗るだろう。
■クレイ > 「そりゃまぁ警戒するのも納得だわな……」
胸の上に乗っかるのなら肩過ぎず柔らかすぎず。鍛えられたそれは呼吸のたびに上下する。
だが謝られればハッと笑う。
「気にしねぇよ。別に根っからの善人って訳でもねぇしな」
クズが嫌いなだけで良い人をやっているつもりはサラサラない。というより善人であれば彼の仕事など到底できるものではないだろう。
空に目線を向けて。
「でも、売り飛ばされかけたのによく人間相手に怖がらねぇな。俺が逆の立場なら近寄りたくもねぇってなりそうなんだが
実際問題、すぐに信用してくれたが、それはある意味凄い事なのではないだろうか。
仕事柄かなり疑い深い自分には到底できそうになかった。
■ティネ > 「そうかもね~
でもキミはボクとお話してくれてるでしょ?
ボクにとってはそれだけでじゅーぶんって感じ~」
さっきまでの警戒した態度はどこへやら、屈託なく笑う。
胸が上下するのを感じると、あははと面白がって転がったりもしてみせた。
「怖いけど~、ひとのことは好きだから!
だからこうしておしゃべりせずにはいられないのさ~」
ふわ、と胸の上から浮き上がり、蝶翅で青年の頭上を飛び回る。
子守唄は歌わず、そのかわりにちらちらと淡く輝く鱗粉を落としていく。
「休んでいくなら見張っててあげる~
魔物とか出るかもしれないしね~」
などとは言っているが、別に素直に寝入る必要もないだろう。
■クレイ > 「売られかけてもなお……か。そりゃホントに人が好きなんだな」
そりゃ筋金入りだなんて笑う。
その後の様子には少し笑って。
「いいや、流石に寝やしねぇよ。人と話したい奴もいるらしいしな……」
と言っていたが、彼女が飛んでいる様子を見る。
チラチラと見えている。
「…………」
言うかどうか少し悩む。こういうのは言った場合それを理由に色々と面倒な事になるケースも多々あるわけで。
しかし、なんかこれはこれで色々とだましているような気分になるのも確かであり。
「おい、顔の上飛ぶな。なんか……色々見えてんぞ」
結局悩んだ末言う事にした。
一応顔を逸らしておいたのは最低限の礼儀のつもりであった。
■ティネ > 「えっ!?」
どうやら気づいていなかったらしい。色々と油断し過ぎである。
言われてあわてて服の裾を押さえる。
どこまで見えてしまったのだろうか。脚の付け根まで?
「…………
うっかりじゃないし! わざとだし!」
支離滅裂なことを言うと、飛び回るのをやめて
青年の鼻っ柱にきりもみキックをくらわす。
もちろん力はないのだが、当たりどころによってはちょっと痛いかもしれない。
逆恨みである。
「バーカ! スケベ! 抜け目なし!」
雑な罵りを残して、恩知らずの妖精は飛びさっていった……
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からティネさんが去りました。
■クレイ > 「いってぇ!!」
視線を外していた為にもろに直撃を受けた男は鼻っ柱を抑えてガバッと起き上がる。
「いってぇな、おしえてやったのによ! おいまて!」
ビューンと飛び去って行く妖精を見てはぁと溜息。
「ったく、やっぱり面倒な事になったじゃねぇか」
言わなきゃよかったぜ。なんて言いながらもう一度横になる。
そうしてしばらく休憩してから再び彼は町に向けて出発することだろう。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からクレイさんが去りました。