2021/01/15 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > 「退屈ですわ。」
そう言って、王城での訓練や同じく轡を並べたことのある戦場貴族らとの会話から一時離れたメイラ。
手には武器としては異質といえる、黒鋼色を帯びる亀甲形状の特大盾
街中で正式なギルドの中に足を運び、戦場貴族としての実績故か、メイラ個人が登録していたのか
ギルドのランクに応じた仕事として街道での仕事をやや強引に引き受けてきたのか
街道をノシノシと歩くメイラがそこにはいた。
貴族令嬢としての、責任と義務なんていうものもない
正義と寛容の騎士道とやらも持ち合わせていない 唯々戦場という空気に飢えているように
盗賊討伐 街道で狙う草原地帯へと赴いていた。
「こうも茂ると、何処にでも隠れられますわよ。」
馬もなしで、徒歩で訪れたのは馬を邪魔と感じたか
将又有り余る体力が、メイラに両脚を歩くように命じたのかもしれない。
昼を過ぎた時刻 しかし冷えた空気は薄く白い吐息をこぼさせた。
特大の亀鋼盾を左手に構えるままに、盗賊討伐という依頼になったのは、荒らされた馬車やすべての人間がいない痕跡
それらで合わせた証言だったものの、街道という道を挟んで腰をかがめ場隠れられそうな、枯れ葉と乾いた緑青の一本葉が茂る場所。
「まさかとは、思いますが。」
そう言って、肌に感じたのは狙われている視線。
盾を構えるままに、腕を通した姿で赤い瞳が辺りをゆっくり見まわした。
「誤情報だったんじゃあ、ないですの?」
そう言って、ギザ歯を噛み締めた。
力を籠める為の、咄嗟の反応。
■メイラ・ダンタリオ > メイラが感じたのは殺気ではない 欲望でもない
――――――“本能だ”――――――
「シッィッ―――!!」
草原からとびかかったのは、両脚に逞しい黒爪を携えた、二本起ちの蜥蜴
乗り物として熟せばこの上ない速度と、捕食者が少ない、進化する必要のなくなったケダモノの“古代種”だった
ガ ァ ァ ン ッ !!
爪に対し、構えた盾を振るうようにして表側で受け止める
押し返す シールドバッシュ に対し、軽やかな跳躍で盾を蹴り付け、着地した一体
大きな口顎を持つ蜥蜴に、互いにギザ歯を見せ合いながら片や捕食者の瞳を 片やそそると言わんばかりの、凶悪な笑み
「野良に落ちぶれた蜥蜴じゃありませんの 主を見限ったのかしら? それとも躾不足?」
そう言って、互いに向き合うものの、後ろに視線をやるようにして、盾の上下に備え付けられた 〘 〙 型の取っ手
上辺を握りしめ、襲い掛かろうとした連携の相方へと、その足ごと肋骨をたたき割るような、大楯の横振りの一撃
草原に叩き返された相手に目もくれず、足首が逆側へひねられる。
隙と見た先の一体が襲い掛かってくるのを、もう一度怪力で振るった大盾
金属の打ち出す衝撃音を響かせて、両足を砕くように脛二本を奪った。
「教育のなっていない蜥蜴ですこと。人間の味でも覚えたのかしら?」
ガァンッ!と盾が地面に降ろされる。
まるで重量級の戦槌を振るわれたように、その研がれた盾の淵で食い込み、砕かれた骨肉に立ち上がれぬ相手。
「繁殖していたら大ごとですわね。」
ふんっ、と鼻で笑い、動けぬ相手に長い黒髪を背中へと戻すように掃っていく。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。