2020/09/17 のログ
■ミミック > ヒトでいう汗に似た分泌物と溶解性のその唾液は森を煮詰めたような酷く緑臭い香り。
時間が経つにつれて興奮の度合いが深まり、相手もいないのに1人昂ぶり始めれば、香りは更に酷く臭い、周囲には蟲の放つ香りに追いやられては虫の子1匹も居ないだろう。
しんっ……と静まり返る街道。
時間も時間なのだろう馬車はもう通らなくなった。
ヒトの気配も皆無に等しいが、その時間だからこそ油断しているヒトが通りかかることも知っている。
妖精などは唾液の香りで誘えば簡単に捕まえられるが、ヒトはそうもいかない。
この体躯では妖精では正常な繁殖も望めないため、ミミックも必死である。
捕まえて巣に連れ込んで増やさねば脆弱なモンスターは簡単に滅びてしまう、それが未だ訪れないのは旺盛な繁殖『欲』と異種族の腹すら借りて増える繁殖『力』。
静かに重たい瞼を開く。
すると街道の茂みの中にミミックの赤い瞳の輝きが浮かび上がる。
感覚で待つのに痺れを切らしたのだろう。
ミミックは視覚でも温度を視覚としてみる能力までも発揮させて、茂みからあたりを窺うのであった。
だが今宵は獲物が通る気配なし、それならばとまたミミックは瞼を閉じて眠りへと
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からミミックさんが去りました。