2020/06/17 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にエゼルさんが現れました。
エゼル > 女性にしては幾許か長身の人影が、『まれびとの道』を往く。

「ふうー、思ったよりも遅くなっちゃったなぁ──」

と、歩みを止めずに見上げるのは、満天の星空。
子供の頃からこうして空を見上げ、星の位置で時間を把握するのは得意だった。今は…日付が変わるまで少々、と云ったところか。
視線を下ろしてゆくと、遠くに宿場町の灯りが見える。今日は、あそこで宿をとる事となるだろう。
この辺りは地形が平坦なので、それほど距離が離れていないかの様に見えて、実際の距離はかなりある。
体力には自信があるため徹夜で強行軍も可能だが、大きな都から離れたこの辺りは魔物の類が平気で現れる──
一泊を決意させたのは、どちらかと云うと体力の問題より、そちら方の気がかりだった。
逃げ足には自信があるにせよ、一仕事終えた帰りでは自慢の脚も、多少は鈍るというもの。
切迫してもいないのに真夜中の街道を歩いて、無駄に危険を冒す必要は無い。リスク管理も仕事の内、である。

エゼル > 空にまだ太陽が顔を出している時間帯であれば、この辺りもそれなりに人通りが有った事だろう。
特に言葉を交わす訳でなくとも、暗黙の了解で何となく固まって歩き、危機を避けられる。しかし、今はひとっこ一人居ない。
市壁の外、特に夜間とはただ歩いているだけで危険がつき纏うもの。リスクについて考えて、考え過ぎるという事は無いのだ。
とは言っても、夜間外出を避けていては、配達人はつとまらない。
肝要なのは、そう、匙加減と云ったところだろうか──
そんな事をつらつらと考えながら、歩む速度を少し上げる。