2020/06/05 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」に白冥花さんが現れました。
■白冥花 > 真夜中のメグメール街道。
馬車通りどころか人通りもなく、有るのは夜を飛ぶ梟の鳴き声や遠くより聞える獣達の鳴声くらいなものである。
が、である筈が今夜は街道にほんのりとであるが甘い香りが漂う。
花の香り、果実の香り、あるいは……お酒の香り、どれもそれっぽいが、どれもそれを断定するには曖昧な不思議な香りが広がっている。
だがそれ以外は何時もの光景と何一つ変わらぬ夜の街道。
落ちた夜の帳を照らす明かりは今のところは存在せず、人気などありようも無い。
――…人の気配はある筈がないのに、実際に気配を感じることが出来る冒険者がいれば、人の気配という物を感じさせない、人影?のような物が何時の間にか街道の脇に座りこんでいる。
一見全身をぼろぼろのローブに身を包んだ人影に見える。
背丈、背中の曲がり方を見ても若いとも年寄りとも見えない、見えないが確かにそれは人影に見え、その人影は街道の脇にうずくまるように座り込んでいる。
善意を持って近づくか、悪意をもって近づくか、どちらにせよ近づいた事で迎えてしまう未来は決して明るくないだろう。
もぞり
ボロボロのローブの背が異様な盛り上がりを見せて蠢く。
だが直ぐにまた何事も無かったように静まり返る。
そしてまた今度は腕にあたる部分が盛り上がり蠢く。
――…さて。
■白冥花 > 誰も通りかかることは無かった。
擬態もあまり効果がないと「考えた」それは人の形を取ることに興味を失ったのか、それとも別の方法を「考えた」のか、人の形を取るのを止めると、ボロボロのローブ姿の人影は拉げたような形で潰れ、ボロ布へと戻る。
しばらくは甘い香りをその場に残すが、それも夜風に吹かれ何処かへと。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」から白冥花さんが去りました。