2020/04/15 のログ
■フィル > 「んー…あれ?」
しばらくボーっと遠くに見える街道へと、視線を揺らめかせていくが、たまに通る行商も最後に見てから大分気が付けば経っていたようだ。
もちろん、真夜中となっても通るような冒険者などはいるわけであるが。
深夜になるほど危険度はどうしても上がる分、往来が減るのは当然だろう。
街に戻るか、少し変化の練習でもしてこの時間を楽しんでからにするか、そんなことを少年は考えているようだが。
不意に枝をしっかりとつかみ、少し身を乗り出すようにして見つめるのは相変わらず街道である。
ただ違うのは、ぼんやりと全体を見ているわけではなく、一転をしっかりとみているというところであり。
「気のせい…かな?」
その視線が向けられる先にあるのは、変わらぬ静かな薄暗い街道である。
けれども、わずかにチカっと光が走ったように少年には感じられたようであり。
見間違いか、何かがあったのか、そんなことを確かめる様に、光がわずかに見えたと感じたあたりに視線をとどめ。
目を細めて、じっと目を凝らすようにして一転を見つめていくことにしたようである。
もっとも、少年にしてもそんな気がした、といった程度だったようであり。
特に続いて何か起こる様子もなければ、そんなことを誰に言うでもなくぽつりとこぼしていくが。
目を直ぐに離すことはなく、意識を見つめる先に向け続けていくようだ。
■フィル > 「何もなさそう…ですね」
しばらく様子を伺っていたものの特に何も起こることはなく。
ただただ過ぎていく時間に、だんだんと緊張感はなくなっていったのか、再び気が緩み始めたようである。
集中していた分の疲れか、思わず一つ零れそうになる欠伸を少年は手で隠すようにして抑え込み。
軽くそのまま頭を数度揺らしていけば、多少忍び寄った眠気も散らせたのだろう。
もっとも流石にこのまま転寝するのは不用心すぎるものであれば、眠気が強くまとわりついてくる前には帰るつもりのようであり。
「よ…っとと!
少し回ってから帰ろっかな」
少しだけ考えるように目を細めた後で、枝から少年は飛び降りていく。
人に化けているときよりは、動きやすいということもあり。
軽く地面へと着地すれば、そのまま大きく両手を上に伸ばして一つ体をほぐすように、伸びをしていき。
少し街道のほうを回ってから帰ることにした少年は、耳尻尾程度に変化の度合いを人に近くしてから動こうとしたようだ。
耳と尻尾だけならローブとフードで直ぐに隠しやすく。
聴覚の良さもある程度維持できるからといったところのようであり。
そのお陰か、とくにトラブルに見舞われることもなく、やがて帰路へとついていったか―
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からフィルさんが去りました。