2020/01/26 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にスミさんが現れました。
スミ > 日暮れも近い時刻、長い街道のうち、見渡す限りの広い草原地帯を突き抜ける辺り。
石畳で舗装された街道から少し離れた草むらで、はいつくばって地面を検分している赤毛の女が一人。

「――――…う~ん…見たと思ったんだけどなあ…」

うんうん唸りながら、眼鏡越しに緑の瞳が地面を探る。
ちょっとした調査の帰りの道すがら、珍しい種類の植物を見つけた、ような気がして荷物を放り出して草むらにかがみこんだものの、一向に見つけられない。

日も落ちかけていて、空は端の方で藍色がかってきている。
目を凝らしても手元はどんどん不確かになって…
ひゅうーと吹いた風がうつむけた首筋を撫でていく。
うう、と思わず震えて藍色に染まりゆく天を見上げるが、まだ未練がましく膝をついたまま、立ち上がるかどうか思案顔。

スミ > ブーツの中の爪先がかじかんでくる。
はあーとため息をつきながら、近場に転がった荷物を引き寄せて中を探り、やがて一本の鉛筆を取り出した。
それを今まで探っていた辺りにぐ、と突き刺す。

「……また見つけられますよーに」

両手を組み合わせてそんな祈りを捧げる。
はあーとまた溜息をつき、未練たらたら立ち上がると、荷物を背負いながら人気もない元の街道へと。

「………」

未練がましい視線をもう一度投げてから、ぶるぶる、と眼鏡が飛びそうな勢いで頭を振って
そのままぐい、と王都方面へへ向けて視線を留めると、ブーツの踵に付いた留め金をひと鳴らし。

次には

女は疾風の速さで王都方面へと駆け出した。
果たして、夜の帳が下りるころまでには、街の明かりが見えるところまでたどり着けるだろう…

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からスミさんが去りました。