2019/12/17 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアルナさんが現れました。
アルナ > 日暮れ時、ゴトゴトと街道を走り抜けたのは、黒い幌のかかった荷馬車だった。
幌の中に隠されていたのは大小さまざまな檻で、行く先は――――果たして。

ぽよん、ぽよん、ころころ、カサ――――

幌の中から転がり落ちた小さな白い丸いものが、道端の草むらへ飛び込んだ。
小さすぎる落し物に馬車の御者が気づくことはなく、そのまま放置されて、数刻。

「うう、ん……ちょっとだけ、寒くなってきましたの…」

草むらからひょこりと顔を出したのは、白い、けれども間違いなく人型の小娘。
うっかり捕まり、どこかへ売り飛ばされるところだったらしいのだが、
寝ぼけてウサギの姿になって逃げ出した。というよりも、転げ落ちた。
このまま寝ていても構わないと思っていたけれども、さすがに少しだけ。

「……まっくら、ですの」

心細いような、おなかが一番寒いような。
細い腕で己の身体を抱きしめて、ふる、と身震い。
好奇心旺盛な紅い瞳が、きょろきょろと、街道筋の暗がりを見渡す。

アルナ > ふるるん、ともう一度身震いをした、次の瞬間。

ころん、とその場に現れたのは、ふわふわの白い仔ウサギである。

柔らかな毛並みに覆われた小さな身体を弾ませ、ウサギは闇に姿を消した。
安全に一夜を明かせる場所を探すために、どうにか潜り込むために。
白い小さな生き物一匹、隠れる場所はきっと、いくらでも――――。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からアルナさんが去りました。