2019/12/05 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にゼルベッダさんが現れました。
■ゼルベッダ > 性質の悪い冒険者に見つかり、魔獣を捕獲して売り捌く商人に捕縛され、その際に負った傷を治すのにかなりの時間と血肉を浪費してしまい、やっと動き回れるようになったのは此処最近の事である。
人間程度なら軽く追い払えるかと思っていたが、まさか対魔重装備で火炎に特化した防御を兼ね備えた装備一式をまとって対策しているとは思わず、その冒険者と逃げるよりも戦うことを選んだのがまず間違いでその後に商人たちが更なる重装備で捕獲に来きて……最悪だった。
身体の半分を犠牲にしなければならない程の敗北。
未だに半身が痛むのを堪えながらもメグメール街道を王都の方向に向けてゆるい足取りで歩き向う。
復讐でもなく、王都を避けるでもなく、もっと良き出会いと人間を求めての散策である。
その為にしばらく前から肉食を避けて体臭を減らし、血の匂いを漂わせないように水浴びまでして、流石にもう危険な魔獣だとは思われない……と思いたい。
闇夜に浮かぶ白い体毛を夜風になびかせ、文字通り煌々と輝く瞳を夜に浮かばせて、歩く1匹の魔獣。
鼻腔を時折動かして人の匂いを探しながら、時々軽く駆けるなどをして身体の具合を確かめながら、出会いを求めて歩くのであった。
■ゼルベッダ > 闇雲に歩いたところで人とである筈も無いのだが、王都に入るのは難しく近隣の村には魔獣としての顔が出回りすぎている可能性がある。
――…あの時戦うも逃げるも選択せずに、切り札を切っていたら?
と思うことは有るが、今更の事である。
周辺を吹き飛ばす程の事ではないと、人であれば逃げ切れると慢心したのも悪かったのだ高い勉強代というものかもしれない。
土の感触を足裏全体で味わうと、時折衝撃が骨に響いて鋭い痛みが走る。
鼻腔で夜の空気の中に人の香りを感じようとすると周囲の匂いすら判別出来ないときもある。
仕方ない。
仕方ないと割り切るには腹の奥底で燻る何かがある。
それを開放してはただの魔獣になってしまうと、ギリと奥歯を噛み締めながら大きく息を吸い、吐き出し、昂ぶる本能を抑えて、歩く速度を更に緩めて徐々に歩みを止めて……。
――…一休みするか。
顔を左右に振りかぶって、どす黒い何かを振り払おうとする仕草を見せるのだった。