2019/11/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にレクスさんが現れました。
レクス > 街道沿いに立ち枯れた大きな木が立っていた。
風雨に晒されて、内側が虚ろになった大木。
旅人の待ち合わせや、休憩の拠点の目印代わりになっているような木だ。
それを夜中近くなった月明かりが照らし出す――。
根元辺りに浮かび上がるのは、座り込んだ人影だった。

「……………――――」

まるで、行き倒れたように薄汚れた旅装。
乱れた髪の下で、薄く膜が張ったような――紫色の瞳と
惚けたように僅かに空いた唇から零れる息がなければ、死体と見間違えられても仕方なかっただろう。
まるで、休んでいるような、あるいは疲れてそこで動けなくなったような風情。
どこを見ているのかも判然としない視線を、街道の地面に向ける。
だらりと落ちた左手首、木に立てかけられた剣と、手首に絡まった鎖が――微かに鳴った。

レクス > 月が一度雲に隠れて、また顔を出す。
その頃には、そこにあった残骸はひとつだけになっていた。
これからあとどれくらいの間在って、どれくらいの間人に覚えてもらえるかわからないけど。
その木は今日はまだ、そこに立っていて。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からレクスさんが去りました。