2019/10/29 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にシェラさんが現れました。
シェラ > 「……あー、いってぇ。畜生………」

街道を横切るような川辺で目が覚める。散々な目に遭った。
ギルドではない依頼が直接来たから、どんなものかと思えば。
体のいい依頼のフリをした奴隷確保だった。

馬車に乗った途端殴られ、そのまま荷物のように積まれて。
それでもなんとか生きるために、疾走する馬車から川に向かって飛び降りたのだ。
私一人のために、馬車を止めて追いかける時間は無いと踏んでくれたのだろう。

「…………っつ……」

それでもまだズキズキと頭が痛む。
服はびしょぬれだし、あたりはもうすっかり暗い。

ついてない、とため息をつきながら、とりあえず川に渡された橋の下に座り込む。

シェラ > 「………無理だな。」

痛みから、ダメージは割と深いと判断。
今すぐにどうこうというわけではないが、この暗くなった夜道を歩いて帰ることができるかどうかと言われれば怪しいところだ。
服も濡れているし、まだちょっと眩暈もする。長時間の移動は難しい。

「……火でも起こすか。」

盗賊ギルドではあるが、当然単独での行動や、冒険者としての行動として、レンジャー技能はそれなりに備えている。
乾いた木片や枯れた草を集めて火を起こせば、ようやく一息ついて。

シェラ > 彼女の首に光る首輪は、転送魔術が備えられているが、………これは実は、どこに飛ぶか分からないものだ。
死を感知した瞬間に、彼女の身体を「どこか」に飛ばす。
そのおかげで何度も命の危機は潜り抜けてきたのだけれど、この状況で知らない場所に飛ばされても、それはそれで逆に困る。

自由に使えたらなぁ、なんて思いながらも溜息を一つ。

ぱちぱちと燃える焚火に身体を当てて、脱がないまま乾かすことにする。街道傍だし。

シェラ > しかし………

「一撃に全く反応できなかったな………。」

はー、っと溜息をつく。
捕まって散々な目にあってから、幾度となく一人で戦闘訓練は受けたはずなのだが、全く身になっていない。
確かに、筋が悪いとは言われた。
娼婦の方が才能があるとまで言われて笑われていたが、それを現実のものとして目の前に見せられると、流石に凹む。
ぐぬぅ。

「………まあ、こうやって逃げ延びて生きてるだけ、運がいいってことにしとくかな。」

シェラ > 「今日は寝ないで朝日を待って。そこから王都に向かうかな。」

計画を一つ呟いて、川の水を口に含み、頭を冷やす。
殴られた箇所がちょっと痛むが、仕方ない。
しっかりと冷やして、もう一度座り込み。
焚火の火を絶やさぬようにする、本当に簡易的なキャンプ。

盗賊ギルドの本当に末席の彼女が訴えても、あの依頼を追跡して下手人を捕まえるのは容易ではないだろう。
むしろ、奴隷の方が似合ってるなどと言われてバカにされるのがオチだ。
目を閉じながら何度も、ゆっくり吐息をついて、心を落ち着ける。

偽物の依頼を掴んだ自分がバカだった。もっともっと、慎重にならないと。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からシェラさんが去りました。