2019/08/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にコーデリアさんが現れました。
■コーデリア > 夜、獣も虫も多い時間帯。
街道沿いで草むらを掻き分けるエルフの顔は暗い。
この辺りには彼女しかいないが、少し離れた場所には同僚がいて、また少し離れた場所に別の者がいて。
彼らが捜索しているのはミレー族の女性であった。
貴族が所有していた奴隷で、所有者曰く非常に美しく躰の具合も良いとのこと。
それが逃げてしまったために躍起になっているのだが、実際に捜す身にもなってほしいものだ。
夕方から始まった捜索作業は終わる気配がなく、通信機から発見の知らせもない。
依頼主は上層部とよほど懇意なのだろう。
撤収の知らせも来ないため、いつ終わるのか予想できなかった。
これが迷子などの捜索ならやる気も出るが、いなくなったミレー族は貴族に触られるのが嫌で逃走したのだろうから、
見つけたとしても見逃してやりたくなる同性としては何のために時間と体力を費やしているのか。
「はー…。無事逃げて安全な場所にいてくれれば良いけど。」
思わずこぼした独白は元も子もない内容で。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > こんな暗い夜だというのに少し遠目に見える女の姿。
暗くて表情は見えないが、あれもおそらくは捜索隊の1人。
こちらはみていないだろう。
一人のミレーの女を探すというだけで結構な数の人間が駆り出されているということか。
「女もいるのか…・なんともおもわねぇもんかね…」
小声でポツリ。
彼女とは違う、彼女よりも近いところにいる捜索隊の1人
茂みを調べている。
その側の木陰から素早くその後頭部を打ち据え意識を奪う。
■コーデリア > エルフの長い耳がピクッと動く。
草むらに何かが倒れ込んだ音。
それとも潜んでいた獣が飛び出て来た音だろうか。
どちらにせよ風の音でもなく、不自然な物音だった。
「アキム?そっちで何かありましたか?」
アキムと呼ばれる同僚は暗闇の中でも目を凝らせば影が見える距離にいたはずだが、今は見えない。
ここは街道沿いということもあり比較的危険は少ないが、それは自然地帯に比べれば。
真に安全な場所など王都にだって存在しないのだから。
「…。」
エルフの捜査官はゆっくりと物音のしたほうへ近付いていく。
魔導銃をジャケットの内側から取り出し、下方で両手で構えながら。
何もなければそれで良いが、警戒するに越したことはないだろうと。
■ブレイド > 1人、意識を奪えば素早く隠れる。
そのままさっさと移動して次の…女か、もうひとり…どちらかも同じように
気絶させるつもりだったのだが、女の反応が思った以上に早い。
あわたてて身を隠すが、まだこちらには気づいていないか。
「(ち…なんだ…?耳のいいヤツ…)」
こちらに近づいてくる。
このまま次の目標の元へ移動することはできなさそうだ。
しかし、運がいいことにもうひとりを呼んでこなかったようだ。
近づいてきたところを寝てもらうとしよう。
後少し、もう少し…もう少しこちらが身を隠す木陰に近寄ってからだ。
■コーデリア > 近付いてみても人影らしいものは見えない。
よくよく目を細めて見れば茂る草が落ち窪んでいる場所がある。
誰か――この場合、同僚がそこにいるのか、それとも何かがそこに潜んでいる証なのか。
確認するにはさらに近付かねばならず、危険だと判断し立ち止まり。
「アキム!いたら返事してください!」
当然返事はなく、いよいよエルフの警戒は強まった。
獣が彼を狙ったとすれば放置するとは思えない。
だとすれば獣以外の何かなのだろう。
「……ミレー族?」
ふと、捜索しているミレー族の奴隷が自らを守るために攻撃したのではないかと思い当たった。
だとすれば闇雲に反撃するのは憚られるが、正体を確認するのが先決だと。
「誰かいるのなら出て来てください。
そうでなければ…不本意ながらこの辺りの草ごと刈り取らせてもらいます。」
見えない相手に弾丸を放つわけにもいかず、片手に銃を持ち直すともう一方の腕を肩と水平に上げる。
そこを中心として穏やかだった風が集まり、周囲のものを吸い込もうとするように強まっていく。
■ブレイド > 気絶させた…彼女がアキムと呼んでいる人物は、茂みの中に倒れている。
彼女の位置では確認できないだろう。
もう少し近づかない限りは…だが、そのような迂闊はせず立ち止まり声をかける。
「っ……」
ミレー族。バレたか?一瞬息を呑む。
だが、息を呑んでおもいなおす…おそらくはおわれていた彼女のことだ。
続ける彼女は隠れているこちらに警告を発する。
それにしたって…刈り取る?
何をする気だろうか。魔法か何かか?
流石にやらせてはまずいか…
「ちっ…!!」
素早く木陰から飛び出し、投げナイフを彼女の肩に向かって投擲する。