2019/07/22 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にゼルベッダさんが現れました。
■ゼルベッダ > じっとりとまとわりつくような重たい夜の空気。
街道にそって立ち並ぶ木々の緑の香り、湿気た土の香りは昨晩の海の香りとはまた違う香りではあるが、自慢の鼻の効きを悪くするものであった。
人差し指と親指で自分の鼻を摘んでズズと鼻を啜るも、芳しくない、此処で敵に襲われたら……と心配しかけたところで杞憂だという事に気がつく。
何故って少なくとも今現在は人の姿であり、まさかこんな夜遅くに一人で歩く人間を襲う人間などいる筈もない、そんな人間はいない、冒険者であれ騎士であれ姿を見破るのにだって時間が掛かる筈だと。
しかし、じっとりしている。
木々の葉や茂みに残る雨の雫がこんな空気にしているのだろうか?
考えても良くわからないので数秒ほど首を捻って考えた後に深く考えるのを止めて、今夜はメグメール街道を王都に向けて歩く事で人間と遭遇できないかな?と散策、無論乗合馬車が来れば乗っても見たいし、強い人間であれば牙をむくのも良いだろう。
歩いていると稀に旅人と通りすぎる、そんな時間帯である。
時折視線を感じるのは何故だろうか、まさか正体を見破った人間でも居るのか?と両手でフードの縁を摘んで顔を隠すように引っ張る、このフードの付いた穴の空いたぼろぼろローブは亡骸から剥ぎ取ったものだから、若しかしたら、その関係者??
それもまあ、考えても答えなど出てこないので、気にするのを止めて歩き続けるのだった。
■ゼルベッダ > 空気が湿度で重たい、のと同じくらい足取りは重い。
王都に近づけば近づくほどに項がチリチリと危険を訴える。
王都に行けば欲望を満たすだけの事は出来そうである、が五体満足で帰れる保証がないことを本能的に察してしまう。
上級冒険者に魔術師に騎士団に王都に住むのはその中でも清栄揃いなんだろう、それとも王都自体に結界でも張ってあるのか、良くわからないが本能が軽い気持ちで立ち入るなと訴えてくるのが良くわかる。
だからこそ行きたい。
無名遺跡で山奥で深い森で様々な場所で鍛えた己の力が何処まで通じるか知りたい、そしてあわよくば人間の技術を学びたい、あと美味しいものも食べたい、美味しいものも食べたいのだ。
項がチリチリするので片手でフードの中で項を押さえつつ、口元には苦笑いと言うのを浮かべながら、それでも歩みを止めることはない。
傍から見ればとても怪しく見えるだろう、稀にすれ違う旅人?冒険者?からの視線もなんだから此方を怪しいんでいる眼差しな気がする。
オレ……悪いモンスターじゃないよ?たぶん
■ゼルベッダ > 王都に向う途中に数人すれ違いはしたが、誰もがお眼鏡にかなう……と言った方がいいか、あまり興味をそそる人間は居なかった。
勿論の事モンスターの類も現れず、思わず大欠伸を零し、体躯通そうに目元を擦りながら、歩き続けて王都へと。
たぶん入り口で止められそうな気がするので、その周囲を眺めるだけで止めようか、それとも運よく中に入れるか、それはまた別のお話で。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からゼルベッダさんが去りました。