2019/05/13 のログ
ティエンファ > 「よく知ってるさ、チェシャの次の休みが楽しみな位な」

顔をしかめた猫に、わざとそんな艶っぽい冗談を言って目を細める。
お互いがお互いに普通とは違う出自である事を知っているので、
根を張れなくてもこうして寄り添う事は出来ると知っていた。

「どんくさくなくても心配するって事さ ま、それは口実だけどな
 はぁ、チェシャの毛並つやつやであったけー……ふぁあ……まあ、明日の昼には着けらァな
 チェシャが仕事の後始末してる間にいつもの宿に戻っておくから、終わったら来いよ、飯でも食おうぜ」

猫と小さな額に額を押し当てるようにしながら、根の無い一人と一匹は、眠りに落ちるまでそうして並んでお喋りをするのだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からティエンファさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にゼルベッダさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からゼルベッダさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にゼルベッダさんが現れました。
ゼルベッダ > 人里へ下りることはしないくせに、人間やミレー等の旅人や冒険者と遭遇し易い場所を好んで闊歩する真っ白な体毛の魔獣、どれだけ歩いても、どれだけ土ぼこりにまみれても不自然な程に白い体毛は今宵はほんのりと薄赤い色の陽炎を宿していた。

もちろん闇夜を見据える瞳も同様で、鼻先を左右にふり、匂いを捜す為に動かす度に瞳に宿る光の陽炎が揺れて残光を残し、首振りを止めて歩き出しても、魔獣が歩いた軌跡を見せ付けるように光がほんのりと道を残す。

どこからどうみても危険な魔獣にしか見えぬ姿を隠しもせず曝け出すのは何故か、答えは明白、他者に自分の存在をアピールし、近寄ってもらおうとない知恵を働かせて企んでみているのだが、何これを始めた瞬間に周囲は虫の音ひとつ聞えぬ空間になってしまっていた。

本人は「まあ、そんな日もあるんじゃない?」程度にしか捉えていないが、どうみても弱い魔物は気配に怯えて隠れ、鳥や虫たちもひっそりと隠れてしまっている。

――…まあ割りと本人にとってはどうでもよい。

出来ればこの姿に気がついてくれる冒険者か誰かが居て欲しい、もし困っているなら助けもしよう、お礼に少しだけ人間のことを知りたい、今なら一緒に王都にだって行ってあげよう、と考えているのか魔獣はそれだけで口元をにやにやとにやけさせ、真っ白い体毛に包まれた尻尾をぶんぶんと千切れんばかりに左右に振るのであった。

ゼルベッダ > すれ違うこともないくらいに今夜は街道を利用する旅人は居ないようだ。

そうなると今夜は一度迷宮に戻り、作戦を練り直した方がいいと思ったか踵を返すと来た時よりはだいぶ重い足取りで迷宮の方へと駆けて行くのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からゼルベッダさんが去りました。