2019/03/28 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にぼたんさんが現れました。
■ぼたん > 半分近く欠けた月が照らす、草原の間を走る街道。
夜も半ばとなって行き交う人影もなく、時折高く舞う夜鳥の鳴き声がこだまして、うすぼんやりと明るい夜空を横切っていく。
時折吹く風は少し冷たく、街道の端の草叢を揺らしている…
その草叢を、王都のほうへと進む小さな影が一つ。
月の光を貪欲に集めた瞳から時折緑色の光を零す、草叢にすっぽりと埋まるくらい小柄な黒い獣――狸の姿。
四つ足のその足取りはとても億劫そうで、ふと足取りを止めると、小さな溜息を落とした。
■ぼたん > ふすん、と間の抜けた音が黒い鼻から漏れる…
それをとても不満そうに、鼻の頭に少ししわを寄せた。
そうして前脚で、首元の、背中に括り付けた風呂敷の結び目に少し触れる。
「………」
(王都のねぐらまで、まだまだありそうだねえ…)
ヒト型に戻って灯りを確かめたいところだが、此処で今戻るわけにもいかない…
またふすん、と溜息を零して、諦めたように歩みを再開した。
■ぼたん > 「!うわっぷ……」
ぼぉっと脚を進めていたらしい。
いつの間にか目の前に迫っていた鈴蘭の群生に突っ込んで、その白い花の連なりに鼻先を突っ込んでしまった。
目を白黒させるものの…その微かな香りは十二分に春の訪れを感じさせるもので、気分は悪くない。
……道をすごく逸れつつあった事以外は……
■ぼたん > 鼻先に黄色く着いた花粉を振るい落そうと、ぶるぶる、と首を振る。
…とれない。
仕方なく前脚を伸ばして
「……ッくしっ」
ずび。
「………」
またふすん、と溜息。