2019/03/10 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にゴブリンリベンジャーさんが現れました。
ゴブリンリベンジャー > ギャリ……ギャリギャリ………

真夜中のメグメール街道に木霊するは金属が硬い物体と擦れあい悲鳴をあげる音、それを追う様に走る青や赤の火花、是もまた金属と硬い物が擦れあって生まれた物である。

今宵の街道を歩く人影はパッと見れば人間の子供に見えようが、残念ながらそんな甘優しい存在ではなく、復讐の刃と呼び呼ばれる鉈状の刃物を引き摺りながら歩くのは一匹のゴブリンである。

その姿は全身を薄汚いローブで包み込み、顔半ばまですっぽりとローブを被り、更にはそのローブに認識阻害の魔力が掛かっているのか、見ようとしなければ見れず、復讐の刃が街道の地面に擦れて生み出される火花が加わり、見る者はよほど注意深く見ない限り、火花に視線を誘導されゴブリンの姿を捉えるのは難しいかもしれない。

通常群れで行動する、若しくは少数で行動するゴブリンだがこの1匹は他のゴブリンと違い単独で、群れを持つ特有の自信と言うべきか、無謀さを兼ね備えている、つまりは群れを率いている可能性を持っているし、実際人間かミレーか不明だが女を孕ませて産ませた少数の群れが此処ではない何処かで着々と力をつけてきている。

今夜はその群れの規模を広げる為に活きのいい肉袋を探し、出来るならば商人や武器を携えたものを襲って群れの資材を増やそうとも考え弱い個体を置いて、一人で狩りに出てきていた。

流石に騎士団などは相手に出来ないが、1人~2人の冒険者であれば不意打ちで毒物を使い昏倒させて、味見くらいは出来るだけの力があり、その力を復讐の刃と呼ばれる人間に特効のある武器が増幅させ、ゴブリンにそれだけの力を与えていた。

闇に包まれたメグメール街道を王都に向けてある。
光源は火花だけ、しかしゴブリンにはそれは都合よく闇夜など昼間の如く見通す眼で周囲を眺め、時々風の匂いを嗅いで獲物を探していて……。

ゴブリンリベンジャー > スン、と鼻を鳴らして匂いを追っても人の匂いはせず、闇夜を見通す眼にも動く物は何も映らない、稀に夜行性の生物が走り抜けるくらいで全くと言っていいほど収穫を得られる予感がしない。

軽く肩を竦めると、街道の地面を引き摺るようにしていた復讐の刃を持ち上げて肩に担ぎ直すと、来た道を引き返すように踵を返し、巣のほうに向けて歩き出すのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からゴブリンリベンジャーさんが去りました。