2019/02/11 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にカリノナさんが現れました。
カリノナ > チン…と小さな鍔鳴りを響かせて白刃が鞘へと収まる。
周囲は血の海というのは過剰ながら、それなりの数の小鬼の死体が転がっていた。首を刎ねたもの、心臓を貫いたもの、胴や体を両断したもの…その全ての共通点は刀傷で、致命傷を与えられている事。

「ふむ…こんなものか。小鬼は生命力が高い故、必ず殺す技を使ったが」

首と心臓は人間も魔物も共通する急所。あとは、体が二つに切断して確実に息の音を止めておいた。
腹を抉った程度では安心できない、とは先達の言葉だったが。
ともあれ、周囲に動くものの気配が完全に消えたところで、ようやっと一息ついた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」に影時さんが現れました。
影時 > 必然性はない。ただ、必要性があっただけだ。
ここらに小鬼の類が跋扈していると聞く。此の種の魔物の類の掃討の依頼は素人向けによく掲示されるものである。
だが、だからと言って常に達成されるとは限らない。
伝え聞く限りの確率はおよそ半々。此れで冒険者としての資質を測れるとも聞くが、真相は如何に。

「――……まァ、平らげてしまっても困らぬ類の奴ばらよなぁ」

一定のライン以上の力量の持ち主でも、数が揃えば面倒極まりない。
しかし、時折このように相手取りに赴くのは一体多数の感覚を養うためでもあり、同時に根こそぎ屠っても困らぬが故だ。
奴らは放っておけば殖える。どれだけ滅ぼした処で、誰が困ろうというのだろうか。
そんな手前勝手な理屈を胸に夜の街道筋を夜陰に紛れ、同じ色に染まった装束を風に揺らして人影が奔る。
音は無い。否、厳密にはあるがそれはあくまで自然の音に紛れる程のもの。

肩や上半身を揺らすことなく、馬もかくやの速度で進む先は最近小鬼が跋扈すると伝え聞く当たり。

「……ほゥ」

しかし、どうしたことか。微かに薫る臭いを掴みながら、仮面の下で怪訝に眉を動かして進む。
そうすれば程なく見えてくるのは女らしい姿。微かな気配を発しながら、酸鼻たる光景を見下ろせる岩の上でその足を止めよう。

カリノナ > 小鬼退治はギルドでも駆け出し、初心者と呼ばれる人間が受ける事の多い依頼であり、その割に成功率が低いと噂されている仕事だった。
確かに小鬼という種族は、子供程度の体格で、力も人間の子供程度。種族特有の言語はあるものの、魔法を使えるほど知能が高い個体は稀で、仮にも冒険者を名乗り、それなりに装備を整えた人間が一対一で負けるはずもない。そんな種族だ。

ならばどうして成功率が低いのかといえば、まず1つは繁殖力、生命力の強さ。そして、特有言語を持つ程度には高い知能が挙げられるだろう。

奴らは人間相手に一対一になろうとはしない。繁殖力の強さをそのまま、群れとしての強さに変えるため、必ず複数で獲物を襲うし、その際には子供だまし程度とはいえ、罠を張る。粗末な武具を扱い、自分たちの糞尿を武器に塗り付け毒として使いもする。
たかだか小鬼、と舐めている人間の心理すら、やつらは利用している節もあるくらいだ。
ただ、そういう事前情報を聞き、それなりの警戒心を持って相手をすれば…結果は、この血の海なのだが。

「さて、では移動するか…休むにしてもここでは少々具合が悪い…うん?」

戦闘後、簡単に刀の血糊を拭く程度の手入れはしたが、これだけの数を相手にした後は、多少疲れる。
追撃や、血の匂いに惹かれた他の魔物が来る前に、と足を踏み出そうとして、何かに気が付いたようにその動きを止めて周囲を見回した。

物音は、風の音や木の葉が擦れる音程度。殺気を感じたりもしないが…自然ではない。なにかの違和感を感じて腰の脇差へと自然と手が伸びる。
仕掛けてくるのであれば、斬る。そう思いながら周囲を探ろうか。