2018/12/29 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にジナイアさんが現れました。
ジナイア > 冬の空にぽっかりと白い月が浮かぶ夜。人気のない街道をすらりとした白い影が急ぐでもなく王都の方へと歩みを進めている。
風もなく、白い吐息は紅い唇から漏れる度にゆっくりと背後へと流れていく。

(思ったより、遅くなってしまったなあ…)

偶には郊外へと足を延ばしたところ、故郷と大分違う景色と空気に、ついつい時間を忘れてしまったらしい。森を少し散策して、夕方には王都へ帰りつくつもりが、もうすっかり夜――深夜にも近くなってしまった。

ジナイア > 白い吐息を漏らしながら、頭から巻き付けたストールをしっかりと胸元で掻き合わせる。
歩いて身体を動かしているから今はさほど寒くはないが、徐々に気温が下がってきている。凍えるとまでは行かないまでも、指先からかじかんでくるのも時間の問題だろう。

「失敗したな…」

思わず苦笑しながら、少しその歩みの速度を上げる。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にイーシャさんが現れました。
イーシャ > 寒さに耐えるよう街道を進む彼女のやや前方、薄霧掛かっていて見えずらかったかもしれないそれは、オレンジのまばゆい光。
道沿いにあるそれに近づいていけば、その光が馬車に付けられたランタンの灯であることがはっきりとしてくるだろう。
こんな夜更け、しかも街道のど真ん中に馬車が立ち止まっているとは、どのような状況か。

「…」

馬車の傍らには一人の青年の姿があった。
頭と臀部にある黒い特徴から容易にミレー族と判別できるその人物は、馬車に身体を向けたままなんとも難しそうな顔をして、腕組みをして佇んでいる。
ガラス窓の備わった馬車は、いかにも金持ちの乗っていそうな装飾の施されたものだが、中に人の気配はない。
それどころか馬車を引いているはずの馬の姿すらそこにはなかった。

ジナイア > 何となく足元へ視線を落として歩みを進めていた所で、月の光ではない灯りに気付いて翠の視線を上げる。

(?…魔力は、感じない……)

指輪に宿した精霊が騒ぐ様子もない。それでも歩みの速度を少しだけ落として近付けば、馬車の形が見て取れるようになる。
そして、その傍らに立つ青年の姿も。

豪奢な馬車と、まだ見慣れないミレー族の様相に少し眉を寄せながら、更に段々と歩みの速度を落として、静かな足音で青年に近づいていく。

「やあ…こんばんは。…何か、困っている様子だね?」

青年に投げかける言葉の途中で、馬の消えた馬車に視線をちらりと投げる。

イーシャ > 「んー、やぁこんばんは」

彼女が近づき声を掛ける前に、青年の黒い猫耳が足音に反応してぴこんと揺れ動いた。
こういった街道沿いで人と出会いすれ違うことなどよくあることだが、深夜帯ともなれば多少なりとも警戒心を抱くのは当然のこと。
ミレーの青年も見慣れぬ女性の姿に驚くことはなかったが、確かめるように彼女をじっくり眺めた後、馬車に視線を戻した。

「いやぁね、馬車を置いてきたから拾ってこいっていう…お使いをギルド経由で依頼されたんだけどさ。
馬が逃げてるなんて聞いてなかったなぁーって」

どういう理由で馬車を置いていったかは定かではないが、肝心な情報が抜け落ちてしまっていたらしい。
それでこんなところで、さてどうしたものかと頭を悩ませていたところだったようだ。
残念ながら馬車自体も人間が王都まで引っ張っていけるような大きさでもなかった。

ジナイア > 彼から3歩ほど離れた場所で立ち止まり、視線を追うように馬車を見遣る。そうして彼に視線をまた戻して、人力で引っ張っていく様子を思い浮かべて思わず笑み零す

「はは、大変な用事を言い使ったものだね」

ひとしきり笑った後、少し首を傾げる。ストールの間から黒髪が零れ落ちる。

「…良ければ手伝おうか?馬車の中を少し、借りてもいいなら…」

左にはめた指輪の一つを撫でながら、青年に問う。

イーシャ > 「まったくだよ、この時期は何かと入用だからって適当に仕事選んじゃダメだね。
ふぅん…大方馬に逃げられたってところかな」

文句を言いつつも、あまり憤っている様子も急いでいる様子もない。
徐に馬車の手前、馬と馬車とを繋いでいたベルトが引きちぎられている痕跡が見て取れた。
彼女が笑うのも無理はないと、青年も苦笑いして再び彼女に目を向ける。
綺麗な黒髪が瞳に映った。

「大丈夫、依頼には期限なんてなかったからね…どっかで馬借りて引っ張って行くよ。
俺も一晩やり過ごしてから動こうと思ってたんだ。
それでもいいなら構わないよ、どうせバレはしないだろうしさ」

彼女の提案に対し、手伝いについては固辞したものの、馬車の中で休むことについてはあっさりと了承。
青年もこんな寒い中で馬車を引っ張るなどしたくなかったし、ちょうどよかったとばかりに馬車の扉を開けて中へと誘おう。
金持ちの馬車らしく、二人でもゆっくりできるくらいの内装にはなっていた。

ジナイア > 提案を断られたうえ、頼みについてはあっさりと了承されたのにきょとんとアーモンド形の眼を瞬く。そうしてから紅い唇をくすりと綻ばせる。

(まあ…余計な手出しもするまいよ)

指輪の精霊に頼めば、人外の力を以てして馬車を引いて行ってくれるだろうが、あくまでこれは彼の『仕事』だ。自分も別段急ぐ旅でもないし…他人の馬車にこっそり乗り込むというのも中々に興が引かれた。

「そうか…なら、お言葉にあまえて、私もお邪魔しようか」

馬車の扉に手を掛け、足を踏み入れると、寒気を防ごうと後ろ手に扉を閉める。実はこの国の馬車に乗るのは数えるほど。興味深そうに内装をに視線を這わせる。

イーシャ > 「どうせここにいない人のなんだし、遠慮しない遠慮しない」

依頼の内容は、ただ馬車を拾ってこいというシンプルなものだった故。
いつどんな形で持ち帰るかは、この青年の匙加減次第ということだ…さすがに常識の範囲内で、だが。
二人で入った馬車の中は、黒い牛革のシートが向かい合うように設置されており、内装は白に塗装されている。
白の壁や天井には、職人が描いたりしたのだろう、抽象的なエングレービングが施されており、いかにも高貴な者が乗りそうな空間といったところか。

「そうそう、俺はイーシャ、君は?」

横になることもできそうな大きさのシートに、二人で向かい合うように座りつつ、思い出したかのように自己紹介し、彼女の名前を伺ってみよう。
その間に手のひらに魔力を込めれば、鈍く光る小さな球体を生み出して宙に浮かせよう。
仄かな暖気を放出するそれは、密閉された空間の暖めるのにちょうどいい魔法だ。

ジナイア > シートに腰掛けながら、壁や天井の見慣れない模様を翠の瞳でしげしげと眺める。
名を問われれば、向かい合う彼の赤の瞳をまっすぐに見返して

「ああ…私は『ジナイア』だ。よろしく、イーシャ」

握手をしようと差し出そうとした手を、彼が作り出した光る球体を見止めて途中で止める。それをも興味深く見つめてから、彼に視線を転じてゆったりとほほ笑みを浮かべた。

「良い術を知っているね…実は寒いのが苦手なんだ。
これは、触っても良いのかな?」

そう言って首を傾げ、球体を示す。
またひと房、黒髪が零れ落ちる。

イーシャ > 馬車に乗り込んで物珍しそうに内装を眺める彼女の様子に、なんだか楽しそうな青年。
まぁその青年もこういった馬車に乗る機会などそう無いわけで、同じようにきょろきょろと中を眺めまわす。

「こっちこそ、よろしくジナイア」

彼女の表情をまっすぐ見つめながら、しっかりとした挨拶を。
魔法の球体を生み出し宙に浮かせた後、途中で止まった彼女の握手の手を、ゆるりと掴んで交わそう。

「さすがに密室で火は使えないからねぇ。
触っても大丈夫だよ、あんまり暖かくないから」

青年の作り出した球体に触れれば、ふわふわと車内の上の方を漂う。
魔法の塊のため触れている感覚はないだろうが、手のひらを近づければより暖かさを感じられるか。
さすがに社内全体を程よく暖められるほどの出力は出せなかったが。
球体に興味を示す彼女の綺麗な黒髪が、また視界に入る。

「ジナイアはこの辺の出身じゃないのかな?」

雰囲気や佇まいで、なんとなくそう思った。
特徴的な赤の瞳のある目を細めて、緩やかに伺ってみる。

ジナイア > 止まった手を握られれば、彼を見つめたまま少し笑みを深くする。
そうして光の球体を撫でるように触れれば、ふわふわと漂っていくそれ。翠の瞳が好奇心に輝き、唇が笑みこぼれるのを留めようもない。
出自を問う声に、笑みこぼれたまま彼に視線を戻して、軽く頷く。

「私は海の向こうの、大分、南の方の国の出だよ。この国には友人が居てね。…まあ、物見遊山に」

翠の視線が赤の瞳を捉えて、次に、彼の獣の耳へと。

「キミは…ミレー族…と、いったかな?」

イーシャ > 「南かぁ、暖かい地域出身なら、寒いの苦手ってのもわかるなぁ。
気ままな旅ってのも楽しそうだ」

彼女にとっては見るもの全てが新鮮に映るくらい、遠くからやってきたのだろう。
大人びて見える彼女の好奇心に満たされた翠の瞳に、青年も楽しい気分になる。

「そうだよ、ジナイアの国じゃ珍しいのかな。
…触ってみたい?」

王国やその周辺国であれば、多く目にするであろう動物的特徴を持った人種。
だが遠い国から訪れる者から見れば、物珍しさもあろうか。
黒い毛の猫耳と尻尾をぴこぴこふりふりと動かし揺らしてみる様は、まさに猫のそれと同じ動き。
それならばとにんまり白い歯を見せてはにかめば、触ってみたいか尋ねてくる。

ジナイア > 苦手、の言葉に苦笑を浮かべるしかない。本当は大の大人が寒がっているなど、少し気恥ずかしいのだ。
まだ片手は少し光を追いかけながら、青年の提案にゆっくりと瞬きして、また少し首を傾げる。

「…良いのかな?キミが嫌でなければ、ぜひお願いしたいが…」

自国の少なくとも自分の周りでは、どちらかというと爬虫類系の獣人が多かった。毛むくじゃらの動物に少し縁遠かった事もあって、興味津々なのは隠しようもない。
翠の視線は正直に、揺れる尻尾と耳を行ったり来たり…

イーシャ > 「あはは、正直な人って好きだよ」

猫耳やら尻尾やらに触れるという提案を、興味深そうにそれを追いながらお願いしてくる彼女に、ついくすくすと笑ってしまう。
この国でミレーなど珍しくもなんともなければ、その特徴に触れたがる稀有な人間など、まずいないからだ。

「そんじゃ、どうぞご自由に~」

ここで会ったのも何かの縁、触りたいのであれば好きなだけ触らせてあげよう。
座っていた席を立てば、向かいの彼女の横にするりと並び座る。
彼女の目の前には微笑む青年の顔と猫耳、そして手元には尻尾がゆらゆらと誘うように揺れていた。

ジナイア > 「それは、どうも…」

『正直』を褒められたのか何なのか、くすくすと笑う彼の様子に、少しだけ憮然として返す。
そうして隣に滑り込んできた彼。猫耳も尻尾もいざ間近で見ると好奇心は増すばかりだ。

「じゃあ…遠慮なく」

失礼、と彼の眼を見て小声で零してから赤銅色の肌の右手をのばし、猫耳の付け根から先端を、その細い指でつまむように、毛並みを確かめるように撫でる。一度、なでると数度、柔らかく繰り返して

「…不快だったら、言ってくれ」

そう言いながら、果たして本当に彼の身を慮る気があるのか、好奇心一杯の目線は手元に注がれている。

イーシャ > 彼女の手が好奇心の勝った速度で猫耳へ伸ばされていく。
だがいざ耳に触れれば、慎重さを重んじた緩やかな触り方、なんとなくくすぐったくて猫耳がぴこぴこ揺れる。

「なかなか慎重派だねぇ…」

青年の猫耳は、見たまんま猫のそれを人サイズにしたそのものの感触と毛並み。
その触り方に不快感こそあるはずもないが、青年の方もこうやって触られることなど余り経験が無く。

「俺もジナイアのどっか触ろうかなー」

今更に気恥ずかしさを感じてきたのか、それを誤魔化さんと視線を反らしつつそんなことをつぶやいた。

ジナイア > ほぼ想像通りの手触りに、思わず唇が笑みこぼれる。猫耳がぴこぴこと揺れると、更に目を輝かせてその根元をくすぐるように親指で撫で、他の指は彼の髪を柔らかく絡めとる。

「…私に触って、面白いところなどないと思うが…」

彼のつぶやきを聞き取れば、そんな言葉を呟きかえす。
そうして赤の瞳を見て、尻尾の方を触っていいか、と手で指し示す。表情は取り澄ましているが、翠の瞳は好奇心と興奮できらきらと潤んでいる。

イーシャ > 「うーむ、なんだか頭撫でられてるような気分だ」

彼女は少女のように目を輝かせて猫耳の毛並みを楽しみつつ、その毛並みに近い触り心地の髪にも触れられて、やっぱり気恥ずかしい。
改めて視線を戻し、尻尾に触れたがる彼女の翠の瞳を覗き込む。

「いいけど、引っ張らないでよ?」

普通に怒るからと笑いながら彼女の手元に尻尾を揺らそう。
さすがに引っ張られたら痛いのだ。

「そんなことないよ、男だったら女の子のいろんなとこ触ってみたいし、ジナイアは綺麗な顔してるしさ」

二人きりの密室ともあって、少々大胆なセクハラ発言をしつつ、彼女の尻尾に夢中な無垢な表情を見つめ、片手をその頬に触れさせてみようか。

ジナイア > 「…努力しよう」

引っ張らないでくれ、と覗き込んでくる赤の瞳にそう答えを返す。
手元に揺らされる尻尾。暫くそれを眺めて、やがて手の甲をぴたりと添わせるようにして、下からゆっくりと毛並みに触れていく。よく見れば、アーモンド形に吊り上がっている目の眦が、言いようもなく蕩けているのが解るだろう。

「ん…ああ、そういう意味か…」

ふと、彼の発言内容に気付いて視線を彼の瞳に。頬に触れて来るその手にくすり、と笑って。

「まあ…気になるというなら、触っても構わんよ」

こちらだけ好きにさせてもらうのは、フェアじゃないからな…と囁くように零す。

イーシャ > 「なんだか、色っぽくなってきたねぇ」

猫耳のみならず尻尾にも触れて、その柔らかな毛並みを堪能していく彼女の表情は、まるで酔ったかのような蕩け眼。
ただ単に毛並みを愛しんでいるだけか、それともこの雰囲気と異性同士の独特な肌の触れ合いでおかしな気分になっているだけか。

「ふふ、触っても構わないって…どこまで…かな?」

にんまりと笑みを浮かべて彼女の瞳をじっくりと見つめる。
頬に触れる手のひらは、ゆるりと顎先にまで下りてゆき、親指の腹で彼女の熟れた下唇を撫でるように触れようか。
青年のもう片手が彼女の首筋に触れて、鎖骨の辺りまでをゆっくりと撫でていく。

ジナイア > 「…そうかね?」

蕩けた瞳を一瞬、ちらりと彼に向ける。全体の表情は依然として取り澄ましたままだ。そうして身を乗り出し、再び尻尾の毛並みに、片方の腕を絡めるように伸ばしてゆく。
彼の問いかけには、視線を尻尾に向けたまま目を細めて

「…キミが、不可思議だと思うところならば、まあ…権利はある…」

顎先、下唇、更に首筋、鎖骨…と彼が触れてゆく度、問いかけるように、はたまた抗議するように、翠の視線がちらりと一瞬、向けられる。

イーシャ > 「そう?じゃあまぁ、お互いに触り合うってことで…」

柔らかな毛並みにしなやかに動く尻尾の触り心地を堪能する彼女と等しく、彼女の柔らかな頬の温もりや唇の感触を堪能し、さらに手を首筋にまで伸ばしてくる青年。
ともすれば大胆な触り方をしてくる可能性も大いにあっただろう。

だが青年の手のひらは、彼女の胸の膨らみにも、シートに沈む尻にも伸びず。
頬に触れていた手は彼女の背中に回され、抱き寄せられるようなこともなくただ腰に触れられて。
鎖骨に触れていた手は、彼女の太ももへ伸ばされて、その肉感を楽しむように愛撫していく…もちろん内股にも手を滑り込ませて。
ぞくぞくと感じさせる愛撫の仕方によって、彼女の中に肉体の火照りを生み出していくか。

ジナイア > お互いに、の言葉に只頷いて、腕に尻尾を絡ませてじゃれつくように手を動かしていく。腰に触れる手には気づいていたのか居ないのか――

「!―ッ」

内腿へするりと侵入した感触にびくん、と背筋が跳ねる。思わず両腿をきつく閉じ合わせて、その手の動きを止めようと尻尾に絡めていた腕を伸ばし

「…待ってくれ…そこは、不可思議か?」

翠の瞳が、困惑気味に彼に向けられる。

イーシャ > 具体的にどこを触るかなど伝えないまま、お互いに触り合うことに頷いた彼女。
すぐに尻尾に子猫のようにじゃれつき始めるあたり、ボディタッチを許してでも触りたいほどなのかとちょっとした感心を。
それでも内股へ滑り込んだ手のひらには目に見えた反応を示して、両足と閉じてしまう。

「俺にとっては…不可思議かなぁー」

なんとも気の抜けた返答。
不可思議だと思う場所を触るという酷く曖昧な表現のせいで、そんな言い訳すら許してしまっていた。
それと何より、内股に手のひらが挟まれたままなので、中でくにくにと指を蠢かせてみたりし。

ジナイア > 「―ぁ…ッ」

彼の指の動きに項垂れ、艶声めいたものを漏らしたのが自分だと知れば、頬に血が上っていくのが解る。――こうなっては、顔を上げられる気がしない。
また黒髪が、ストールの合間から零れ落ちる。

「そこは…別段…ふつうの人間と同じだ…」

不可思議でも何でもない、という意味を込めて声を絞り出し、手の動きを止めようと彼の腕を内腿から取り除けようと両手でつかむ。

イーシャ > 「ふぅん…じゃあ、ジナイアの不可思議なトコってどこかな」

内股に挟まれた指の動きで、明らかに身悶えた様子の彼女に、青年はさぞ悪い顔をしたことだろう。
さて、内股に触れられてそこは不可思議でもなんでもないと言った彼女。
では彼女の不可思議なところは一体どこなのかと、うつむく彼女の耳元で囁いてきた。

内股で蠢いていた手のひらだが、彼女が両手で掴み取り除こうとすれば、あっさりと抜けた。
あくまで不可思議だと思った部分を触っているだけ、それ以上のことはしないらしい。

ジナイア > 耳朶に響く彼の声に、項垂れたままびく、と肩が震える。
――今の自分は、さぞ情けない顔になっているに違いない――
あっさりと取り除かれた内腿の感触に俯いたまま大きく息を吐いて、気を取り直すように片手で顔を一度、撫でる。

「…さあ?私としては、どこも不可思議ではないな…」

ようやくゆっくりと顔を上げる。表情だけは取り澄ましているが、赤銅色の肌でも解るように頬は上気したまま、瞳も潤んだままだ。
そうしてまた、誤魔化すように視線は彼の尻尾へと彷徨わせる。

イーシャ > 耳元で囁かれた彼女の反応は、実に明確だ。
こういう女性を見るとつい意地悪…もとい弄りたくなるのがこの青年の悪いところで。

「そんなこと言われたら、どこも触れないけどなぁ」

どこも不可思議ではないと返されてしまえば、当然どこにも触れられなくなってしまうと、ほんのりクレーム。
だがゆっくりと見せた彼女の表情を見る限り、憤りを感じている様子はない。
寧ろ逆に、紅潮し蕩けた様子すら見て取れる。
その視線すら未だに尻尾に向けられて…もっと大胆な触れ合いをしても良い頃合いか。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からイーシャさんが去りました。
ジナイア > 【中断。後日継続予定です】
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からジナイアさんが去りました。