2018/07/22 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にタマモさんが現れました。
タマモ > 薄暗い空間の中、少女はただ佇んでいた。
ここはどこなんて、どうでも良い、考えたくもない。
そうしている中、目の前に光が浮かぶ。
それは、徐々に目の前で広がって…次の瞬間には、周囲を覆い尽くす。
気が付けば、少女は見覚えのある場所に立っていた。
この世界に来る前の、己の世界であったと同様の、ある宿の中である事はすぐに理解出来る。

○○との約束は、この場でしたんじゃったな…
どこか、懐かしそうな表情を浮かべ、少女は思い出していた。
幼少時代に出会った、最も自分が愛情を抱いた相手だ。

そもそも、その宿は人間と妖が共存していた空間だった。
まぁ、来る人間は普通でない者が多かったのだが。
そこで○○と出会い、長くも短い同じ時間を過ごした。
普通とは言えないが、楽しい日々だった。
そして…人間の寿命の短さ、己の無力さ、愚かさを…思い知らされた。

場面が切り替わり、強風、豪雨の中となる。
あの嵐の日、過ちを犯した日、当時は毎日のように悪夢として苦しめた光景。
無意識に、首元を飾るチョーカーへと触れる。
少女が唯一、人を…しかも、約束をした相手を…

そして、少女は現実へと引き戻された。
川辺にある手頃な岩の上に腰掛け、釣りを…していたのだ、そう言えば。
手元にあるはずの釣竿は、地面に転がっていた。

「………夢か…今更…」

その釣竿を拾い上げながら、ぽつりと呟く。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にエイブラさんが現れました。
タマモ > タナール砦での出来事から、少女は王都にもタナール砦にも九頭龍山脈にも行っていない。
いや、正確には行けなかった。
あそこでの話が本当ならば、己の知らないところで危険をばら撒くだろう、そんな判断からだ。

元の住処、それをこの付近に作って正解だった。
今は、再びその住処付近での活動を主としている。

「まぁ…今日の分は釣れておる、そろそろ戻るか…」

よいせ、と立ち上がる。
数匹の魚が泳ぐタライを見遣り、次に何をするか、考え始め。

エイブラ > 「やはり、水辺というのは心地よいですね。
私がいたのは海ですから、川だと水の質が違っていますがそ
れでもせせらぎの音や水の気配というのは良い物です」

(街道を川に沿って歩いていて、時折川面を見てはそこに泳い
でいる魚を眺め、水に触れて感触を楽しみとゆっくりとしたペ
ースで歩いていれば、ふと何かに気付いたかのように首を傾げ
て)

「おや、この匂い…というか気配は…?ふむ、このまま上流に
進めば会えそうですね…と、噂をすれば、でしょうか。今日の
釣果は如何でしたか、タマモさん?」

(気配の方へと歩いていけば、目に映ったのは良く知る相手。
釣り竿を片手に立ち上がるのを見て、それから盥の方へと視線
を向けながら声をかける)

タマモ > 夢見が悪かったのもあるだろう、意識が散漫になっていたか、相手の気配に気付けない。
相手が声を掛け、やっと気が付いた…そんな感じだ。

「………?…あぁ…エイブラか…
釣果…か?まぁ、普通じゃろうかのぅ」

手にした釣竿を、ぽんっ、と消しながら言葉を返す。
袋を取り出し、己の食べる分だけをタライから取り出し、袋に詰める。

「………む…エイブラも要るか?
要らんならば、残りは放すが…」

タライに残る魚を指差しながら、問うてみた。

エイブラ > 「…どうかされましたか?何やらぼーっとして
いたみたいですが…?どこかお加減でも…っ、そんな…タマモ
さんが、私の名前をちゃんと憶えてる…?しかも、釣果がある
なんて…良く坊主になってる印象があるだけにびっくりです」

(良く名前を憶えてくれない相手がちゃんと名前を呼んできた
ことに軽く驚きを覚えて。驚愕の表情を浮かべてしまいつつも
釣果が普通、ということにも驚いて)

「お裾分けですか?そうですね…宜しければ頂きます。どこかで
火を起こして焼いて食べましょうか。お裾分けを頂いたお礼に
今から食べられるのでしたら、火を私の方で起こしますよ?
私はこのままでも頂けますが、タマモさんはこのままでは食
べないでしょう?」

(タライに残る魚を見て、釣り立て新鮮なだけにこのまま食べ
るのも良さそうではあるものの、相手は生食しないだろうと良
ければ火を起こすと)

タマモ > 「あー………まぁ…ちと、昔の事をな…
いくら妾とて、そう経たず会った相手の名前ならば、覚えておるぞ?
釣りは…偶々じゃろう、多分な」

歯切れも悪く答えながら、驚く様子と、その理由に苦笑を浮かべる。
名前に関しては言葉の通りだ、何週間と離れれば、名前はおぼろげになるが…そうでなければ、一応は覚えている。
…難しい呼び方でなければ。
釣りも同様に、男の前では釣れていない事が多かったが、釣れる日もちゃんとあるのだと。

「………お主に任せる。
妾とて食べれない事は無いが…今は、生で食べる気がせん。
火を起こすなら、ここで食べるし、別に持ち帰って食べても良いからのぅ」

それならば、とタライをそのままに。
生食は実際に出来ない事はないが、手を加えた方が美味しい、同じ食べるならば美味しい方が良いものだ。
それに、今はあの夢を見た後だ、生で食べるのはかなり躊躇われた、と言うのもあった。
もし火を起こすつもりなら、袋から魚をタライに戻すだろう。

エイブラ > 「昔のこと、ですか…宿の畳の香りが懐かしいですね。
そうですか?それでは覚え続けて貰うためにもこまめにお会い
しないといけませんね。なるほど、こうやってちゃんと釣れる
時もある、と。確かに釣りと言うのは釣れたり釣れなかったり
がありますね」

(昔の事、と言われれば思い出すのはやはりこちらでは珍しい
であろう畳の香り。シェンヤンになら似たようなものがあるか
も知れないと思うものの、確かめにいくことまではする気がせ
ず。釣りの結果については本来、釣り、というのはそういうも
のですねと頷く)

「それでは火を起こしますので少し待っていて下さいね。おや
タマモさんも魚をこのままイける口でしたか…お刺身にしてワ
サビ抜きで食べるのかと思いましたが…ふむ。今は、というの
は思い出した昔の事が関係しているのですか?」

(魔法で海水をだし、そこから眷属である魔船虫を20匹程度、
召喚して薪と枯葉を拾わせにいって。その間に火打石と打金
を取り出して)

タマモ > 「畳か…式の住まう邸宅に、そんな部屋を一室作らせてはおるのじゃがな?
または、あれじゃ…常に名札を付けておれば、完璧じゃぞ?
そう、釣りは占いと同じようなものじゃ、釣れるも釣れぬもあるものじゃ、のぅ?」

まぁ、正確には畳を準備したのは、それとはまた別の式だが。
そして、覚える為の別の案を出してみた…自分だったら、やる気もしない案だが、やるのは相手だから気にしない。
…ちなみに、少女は釣れない事の方が多いのは秘密だ。

「うむ、任せたぞ?
魚もじゃが、食材は手を加えた方が美味いじゃろう?それだけじゃ。
………それに関しては、のーこめんと、としておくのじゃ」

なにやら始まったのを見遣りながら、言葉を続ける。
後の問いに関しては、答えは控えておく。

エイブラ > 「それは羨ましいですね…久しぶりに畳の香りを
愉しみたくなってしまいました。名札は流石に…余り名前を堂々
と貼り付けておくのも何ですし。確かに釣りもアタリといいま
すし、当たるも八卦当たらぬも八卦ですね」

(魔船虫達が薪や枯葉を持ってくれば労いの声を掛けて送還し
て、枯葉や薪を火が付きやすいように並べて。紙を懐から取り
出しそれに火を器用に火打石と打金でつけて、枯葉の下に入れ
て燃やしていく)

「タマモさんは魚の腸はどうしますか?苦いのは余り好きでは
なかったですよね?取り出した方が良ければ取りますよ?
ノーコメントですか、まぁ、夢見の悪い夢を思い出すのも楽し
くないですしね。ところで…もしかしてそれで寝不足になって
目が赤くなってるんでしょうか?」

(火を起こしおえ、相手の瞳を見つめては普段よりも赤味の強
い瞳の色に不思議そうに尋ねて)

タマモ > 「ならば、富裕地区にある式の邸宅を教えておこうか?
妾の名を出せば、入れるじゃろう。
………良い案だと思ったんじゃがのぅ…残念じゃ。
うむ、そういうものじゃろうて、な?」

同じように蠢く船虫を眺めながら、言葉を交わす。
よいせ、と岩の上に改めて腰掛けながら。

「苦いのと辛いのと熱いのと酸っぱいのじゃ。
あー…もしかして、他もあるかもしれんがのぅ?」

なんか、前よりも苦手なものが増えてる気がするが、気にしない。
つまりは、まぁ、腸は抜いてくれって事だと理解して欲しい。
後の言葉に関しては…あえて流した。
それに細かく答える気分には、なれなかったからだ。

エイブラ > 「富裕地区にお屋敷を持っているんですか?
…式の邸宅ということはタマモさんも式の許可がないと入れなか
ったりするんでしょうか。まぁ、勤めていたころでしたら名札
というかネームカードはあっても良かったですが。それでは
腸は抜きましょうね。甘い物は好きでしたよね…チョコですとか」

(腸は抜いていき、串に魚を差して火が起こってくればそれに
当たる様に場所を調整して地面に刺して。懐から塩を取りだせ
ばぱらぱらと魚に振り、暫くすれば魚の焼ける香ばしい匂いが
当たりに充満し始めて。そしてこちらの問いかけを敢えて無視
したように応えてくれないのが分かれば、それ以上は聞くよう
なことはせずに魚の焼け具合を確認して、満遍なく火が通るよ
うにしていく)

タマモ > 「一応、資金提供は妾じゃからな、妾に許可は要らん。
まぁ、シェンヤンの商人の娘…となっておるから、話は合わせてくれると助かるのじゃ。
うむ、甘い物は好きじゃぞ?さすがに、魚には合わんがのぅ」

まぁ、今やる事はない、その様子を眺めているだけだ。
…ただ、大人しく待っているだけで、それ以上は何もしていない。
普段から考えれば、やはり違和感は感じる事だろう。

エイブラ > 「なるほど…まぁ、普通は式というのは主の
命令に対しては服従するものですしね。分かりました、それで
はシェンヤンの商人の娘ということで…話を合わせておきましょ
うね。甘辛く煮るという料理法もあるにはありますけれど、御
菓子の甘さは合わないでしょうね」

(話をしながら、いつもの快活さというか傍若無人さのない相
手の様子に何かあったのだろうと思いつつも、無理には聞きだ
そうとはせず。魚が焼きあがれば地面から串を抜いて、そっと
相手へと差し出す)

「熱いですので、舌を火傷しないように食べて下さいね?塩で
味付けはしてありますが、物足りなかったら言って下さい、も
うすこし塩をかけますので」

(言いながら自分も魚の刺さった串を取り、一口ほど食べて
新鮮な魚の甘みと塩の加減に自分はこれくらいでも大丈夫で
も相手はどうだろうかと、じっと食べるところを眺める)

タマモ > 「普通はそうらしいがな、妾はそうしてはおらん。
式ではあるが、服従って程でもないしのぅ…そもそも、妾はそういうのは気に入らんしな。
うむ、それに関しては…面倒じゃからな、本当に頼むぞ?
甘いのに辛いとか、妾からすれば意味不明なのじゃ…」

とりあえず、聞かれた事には答えている。
当たり障りのない会話なら、何とか出来るから。
そんな会話を続けながら、差し出された魚の串を受け取って。

「………熱い時に食べると良い、そう言う者も居るが…
猫舌には、何とも無茶な話じゃろうてな。
もう少し冷めたら食べる、気にせずお主の分は食べれば良いじゃろう」

眺められようと、熱いものは熱い、それは変わらない。
串を手にしたまま、同じようにこちらも相手を見遣る。
まぁ、別に急いでいる訳でもないのだ、大丈夫だろう。

エイブラ > 「なるほど、放任主義というと少し違いますが
自由意思を尊重している、ということでしょうか?そういう
所はタマモさんらしいですね。ええ、こう見えても人間のそ
ういうのは良く分かってますからね。辛さの中に甘さがある
というのも美味しいですよ?」

(やはり違和感がつきまとう会話を交わしながら熱いのも苦手
そうな相手、冷めるのを待っている様子を見ながら勧められた
通りに自分は熱いうちに食べていく)

「それでは、お先に頂きますね。ん、美味しい…と、食べ終わっ
たら、魚のお礼をさせて頂けますか?この先に秘湯というほど
でもないですが、自然の温泉が湧いているところを見つけまし
て。良ければそこへご案内させて下さい、美味しいものを食べ
て温泉に入れば少しは気がまぎれるかも知れないですし」

(火を起こすだけではお礼として不十分であろうし、いつもと
様子の違う、どこか意気消沈している相手に少しでも元気にな
ってもらえればと見つけた温泉を勧めて)

タマモ > 「………まぁ、そんなところじゃ。
説明は聞かされておるのじゃが…あれじゃ、いまいち理解出来ん。
辛いのがあるのを分かって、食べる気もならんしのぅ…」

実のところ、なぜか自分の式はそんなところがある、不思議と。
ただ、それだけなのだが…さすがに、そこまでは言えなかった。
先に食べる男の様子を見詰めながら、己のが冷めるのを待つ。

「ふむ…温泉は妾の住処にもあるが…まぁ、場所を知るくらいは良かろう。
さて…そろそろ大丈夫じゃろうか…?」

勧められる温泉の話を聞きながら、冷めてきた魚を一口。
………やはり、生食よりこちらの方が美味しいものである。
ゆっくりと魚を食べ…食べ終われば、軽く視線を相手に向けて。

「エイブラ、気を遣ってくれるのは…まぁ、嬉しくない訳もない。
じゃがな………なるべく、今の妾に、近付かん方が良い。
理由は言えんが、あんまり力を持つ者が側に居るのは…好ましくないのじゃ。
………さて、気を取り直して、案内をお願いしようかのぅ?」

内容が内容だけに、非常に言い難そうだが、何とか伝える。
とりあえず、せっかくだから、秘湯の案内だけは受けようと。

エイブラ > 「理解できないと言うより、理解することを放棄
してるのではないかとも思いますが。まぁ、タマモさんは子供
舌なところがありますから、少しでも辛いのは駄目なんでしょ
う、きっと」

(魚が冷めるのを待っている相手を見ながら、食べ過ぎてしま
わないように取り分を考えて食べて。焼けたもので相手の分は
火から離して先に冷ましておくことにする)

「色々な場所にある温泉を楽しむのもいいものですよ?私も
タマモさんの温泉を教えて貰えると嬉しいですし。気を遣って
いると気づかれてしまうとは、私もまだまだですね…ですが今
のタマモを一人にしておくのは私が嫌ですので。折角、同郷
に会えたのですから…出来る限り力になりたいですしね。一人
でいると、気が落ち込んで嫌なことばかりを想ってしまいか
ねませんし。ですが、私に気を遣ってくれてありがとうござい
ます、タマモ」

(相手の言葉に一人にしておくのが心配だし、自分で出来る範
囲で力を貸したいと穏やかに言って。それから温泉への案内を
と言われれば頷いて、立ち上がり火の始末をして。それから
相手が食べ終えるのを待ち、そっと相手の手を取り握ろうと
する)

「それでは参りましょうか。はぐれて迷子になったらいけませ
んので、お手を拝借しますよ?」

(それから自分が見つけた温泉へと向かい、街道から森に入
り、相手を案内していく)

タマモ > 「………まぁ、そういう事にしておこうかのぅ。
苦手なものを、あえて食そうとの考えが理解出来んのもあるぞ?
無理なものは無理なのじゃ」

視線は逸らしながら答え、はふん、と軽く溜息。

「秘湯ならば、まぁ…そうそう、誰か来る事もないか。
いずれな、機会があれば、こちらのも教えよう。
…お互い様じゃ、気を遣う、遣われる、のはのぅ」

ゆっくりと立ち上がりはするも、その手を取られるのさえ、一瞬の戸惑いはあるか。
それでも、避けはせずに握りはするが。

「妾とて、それは良いとは思ってはおらん。
じゃがな…それでも、更に悪い事が起こるやもしれんと思えるならば…
さて…では、行こう」

それ程に、害を与える存在の力は強大なのだ。
しかも、自分ではどうしようもない、関わる事も出来ない、それがより不安を掻き立てる。
が、それを今、それ以上続けても仕方ないか。
そう考えれば、気を取り直し、案内を受けようと…男の案内を受けるのだろう。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からタマモさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からエイブラさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にノールさんが現れました。
ノール > 月下に街道が伸びる。
青々とした草の海が街道の両脇に広がり、夜風にうねり一見は美しい。
だが、目を凝らせばそのうねりに不自然なモノが混ざるのが判る。

草むらの中から、犬の鼻面が僅かに突き出され小さく動いた。
獲物の匂いを探る、捕食獣の動き。