2018/07/20 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にノールさんが現れました。
■ノール > 見通しの悪い丘陵地の街道。
丘に小さな森があり、幾つもの丘の裾をくねって越えるように敷かれている。
その丘の森で長駆、猫背の影がじっ、と街道を見つめていた。
その頭部は犬に似た獣であり、耳を立て、鼻をひくつかせて獲物の到来を探る。
見上げる形になる上に夜ならば森の中はほとんど見えなかった。
■ノール > 真っ暗な森の中に眼が浮かんで見下ろす。
幾つもの丘が連なるこの辺りはゆるく蛇行が続き見通しが悪い。
襲撃にも面倒さはあるが、この獣人は鼻と耳でそれを補えた。
「…………。」
だが、鼻にも耳にも獲物の先触れは届いてこない。
随分と長い沈黙と待機の後に、僅かに身じろぎをした時に。
空気を入れた水袋を踏みつけたような、音がした。
獣とも人ともつかぬ、不格好だが大きな掌が腹を撫でる。
もう一度、眼が街道を見つめた。
森に浮かんだ眼がすぅ、と奥へと消えた。
それきり、気配は途絶えた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からノールさんが去りました。