2018/07/06 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にノールさんが現れました。
■ノール > 月は雲に隠れ暗い夜だった。
街道が街まで多少うねりながら伸びる。
その街道の脇、背の高い草むらの端っこに、長駆の影が潜んでいた。
草むらは広く広がって、夜風に揺れて緑の波と草鳴りを運ぶ。
片腕が地面につくように前曲し、獲物の巨大な鎚を後ろ手に引きずる。
犬に似た獣頭は、ピンと耳を立てて近づくものの気配を探っている。
■ノール > 無人の街道は薄暗い中で静かだった。
馬車の音も旅人の足音も無い。
待ち伏せに飽きた犬ヅラがくわああ、と大きな欠伸を漏らす。
ぱしぱし、と耳を数度動かすと周囲に無人を確認し、やはり不機嫌そうに僅かに呻いた。
草むらが風もなく不自然に揺れてさわさわと街道から遠ざかってゆく。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からノールさんが去りました。