2018/06/28 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にノールさんが現れました。
ノール > 切通しの崖に挟まれた街道。
その崖の上にある背の高い草むらに伏せるに潜む姿がある。
鼻先だけを僅かに出して、ひくひくと蠢かす。
風に乗ってやってくる、この道をいずれ通るだろう存在を探っている。

夜風が生暖かく、切通しを抜けてゆく。

犬に似た頭部と酷く歪な背は、立っても、這っても、違和感しかない。
だが、捕食獣の獲物を待つ姿としては納得のいく異形だった。

ノール > 風が止んだ。
天候が変わったのか、暑気の抜けきれない夜気だけが土の匂いと混ざる。
草むらからほんの少しだけ、突き出た鼻先が気ぜわしげに掲げられて数回動いた。

その鼻先が音もなくするすると草むらに消える。
風も無い一帯にさわさわと何かが渡るような草鳴りだけ残る。
潜む気配は遠ざかり、夜に溶けるように消えて無くなった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からノールさんが去りました。