2018/06/03 のログ
リクル > 野宿するなら、日がまだあるうちに準備を始めなければならない。
治安を考えると、もう少し街に近づいておきたかったけれども、それは仕方がない。
野盗に襲われるよりも、獣に襲われる確率の方が高いのだから。

街道から外れて、森の中へと入ると水場を探す。
尖った耳をピクリと動かし、気配を探ると小川はすぐに見つかった。
そこで水を汲んでから、少し離れた場所に寝床を決める。

「……とりあえず、ご飯だね。」

干し肉を齧りつつ、枯れ枝を集めると火を起こす。
火の魔法は得意とは言えないけれど、火種を起こすくらいなら問題ない。
パチパチと枯れ枝が爆ぜる音を聞きながら、小さなお鍋に先程汲んだ水を注ぎ。

リクル > 沸き立つ鍋に塩をひとつまみ。
干し肉に木の実を入れると、香草で味を調える。
本当なら、もっといろいろと具材を投入したいところだけれど、
生憎と野営なんてするつもりはなかったから保存食しか手持ちがない。
都合よく獣でも獲れれば話は違うけれど、そんな旨い話が転がっているはずもない。

「………今度、狩りに行こうかな」

捌けば毛皮や肉は売れるだろう。
そうすれば宿代に困ることもなくなるわけで。
余った肉で燻製を作っても良いかもしれない。

取らぬ狸の何とやら。
妄想のせいで騒ぎ出すお腹の虫を、薄い味のスープで宥め。
お鍋の中をすっかり空にしてしまうと、今夜のところは寝てしまおう。
木の幹に背中を預けて瞳を閉じると、浮かんでくるのは燻製肉。
切なく鳴く腹の虫を抱えながら、森の中で一晩を過ごすのだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からリクルさんが去りました。