2018/05/13 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にタマモさんが現れました。
タマモ > メグメール街道、王都やその周辺を繋ぐ街道。
様々な者達が行き交うこの街道も、時に人の途切れる時間はある。
微風に揺れる草花、付近を流れる河川、静かな空間ではあったのだが…

「ぁぁぁぁあああああああああああああぁっ!?」

遠くから、近付いて来る叫び声。
それが最大音量にまで膨らんだところで、ずどおおおぉんっ!と轟音が鳴り響き、砂煙が立ち上がった。
もうもうと立ち上がる砂煙が、ゆっくりと引いていけば…そこに立つ一人の少女。
しっかりと地面に足を踏みして立ってはいるも、ところどころが解れた着物の姿は、明らかに何かあった様子。
それに、普段の少女を知っている者が見たのならば、その瞳が血のような紅に染まっているのが分かるだろう。
もっとも、その周囲から漂う膨大な力の圧力に耐えられるかどうか、と言うのもあるが。

ただ、その瞳の色は徐々に紅を薄め始め、それに合わせて周囲に放つ圧力も低下している。

「おのれ…やはり、妾の全力も効かん…いつになったら手が届くんじゃろうか…?」

そんな中での呟き、そして、はふん、と溜息一つ。

タマモ > 身体の負荷を考えた上で、時間を掛けて抑えていた封印を解放しての全力。
新たな力を加えての攻撃、だが、向けた相手…式の一人にあっさりといなされた。
しかも、その力を逆に利用され、吹っ飛ばされたのだ。
挑んだ場所が王都の一角であった事を考えれば、その威力は想像し難いものだろう。

「ここは…ふむ、街道か?見事に吹っ飛ばされたものじゃのぅ…」

ぽんぽんと着物を叩けば、しゅるりと着物の解れた部分が蠢き…元に戻る。
まだ瞳の紅が強いのと、少し周囲に続く圧力感を除けば、普段通りの少女となった。

まぁ、ただ、その表情は少々不機嫌そうかもしれない。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にワルセイ・イダーヤさんが現れました。
ワルセイ・イダーヤ > 街道を歩く、しかめつらの青年……の見た目の、老貴族、ワルセイ。
彼は、この道の向こうの村で、ちょっとした治療を行ってきたのだ。その帰り道……

「ふぅ、太陽の方角からして、もうすぐ昼か……」

どこかで、座って昼飯でも食べようか……なんて思っていたら、空を走る、一筋の金色の流星……?
大きな声と、ぞくっとする圧力と共に飛んでいったそれは、少し離れた場所に墜落して……

「ぬぅ?なんだ、いまのは……」

ふと、気になったので、向かってみることに。すると、そこには不機嫌そうな一人の狐娘が……

「む?そなたは……王城で会った、確か……タマモとか言ったか?」

そう声をかけながら、近づいて行って……

「今、吹っ飛んできたのはお主か?一体何があったのだ……」

ビリビリと肌に感じる、圧力から、何かと戦っていたのか?と思いつつ…

タマモ > 周囲を見渡し、場所を確認して…それから、ふと気付く。

「おぉ…誰も居らんで良かった…」

そう、もし誰か居たのならば、間違いなく巻き込まれて吹っ飛ばされていた衝撃が走ったはずだ。
いや、まずそこを心配しようぜ?なんて意見は気にしない。

と、そんな事をしている中、ぴくん、と耳が揺れた。
近付いて来る何者か、それに気付いたからだ。
その相手を待ち、姿を現わしたところで視線を向けてみれば…そこには、見覚えのある男の姿。
なのだが…

「おや、誰かと思えば………えーっと…そう、王城では会ったんじゃ、うむ」

掛けられる言葉を返すも、その言葉から、明らかに名前を忘れているような感じを受けるかもしれない。
まぁ、実際に忘れているのだが。
ただし、少女は会った相手の顔は確実に覚えている、それだけは自信がある。

「ふむ…まぁ、ちとあってな?妾も、色々とあるものなのじゃ。
細かく聞くのだけは勘弁じゃぞ?答えるのが面倒じゃからな」

ふぅ…と、答えながら、一度深呼吸。
向けていた瞳の色も、辺りに張り詰めていた圧力も、一気に普段通りへと治まった。
不機嫌そうなままなのが、その問いに答えないのを、面倒ではなく今は答えたくないと理解させるかもしれない。

ワルセイ・イダーヤ > 相手の曖昧な反応からして、恐らく名を忘れられているなと思い……
まあ、年代わりの日に1回あっただけなのだ。仕方がないだろう。

「はは、俺の名は、ワルセイ。ワルセイ・イダーヤだ。
久しいな。まあ、一度会っただけだ、覚えておらぬのも無理はない」

そう声をかけつつ、さらに近づいて行って……
相手が息を吐き、付近の圧力が霧散すれば、此方も一息。息を吐く。
色々とある…と言われれば、少し気にはなるが……まあ、聞かないでおこう。

「うむ、そなたにもいろいあるようだな……ところで、ケガなどはしていないか?」

そう相手の体を心配しつつ、近くの切株に腰を掛けて……

「薬草などなら在庫があるのでな、診てやるぞ?……ふぅ」

そう、少し遠出した疲れを吐きつつ、少女の体を見やって。

「しかし、そなたの服……東方の服の様だが、着たりするのが大変そうであるな」

そんなことを言うだろうか……

タマモ > 男の言葉を聞き、思った事は一つ。
拙い、忘れてるの知られてる。
だがしかし、少女は諦めない。

「い、いや、ワルセイじゃろう?ワルセイ、ちゃんと覚えておったぞ?
一度会った相手を忘れるなんぞ、妾はせんのじゃ、大丈夫じゃ、大丈夫じゃからな?」

手をぱたぱた振りながら、誤魔化した…誤魔化せた?
ともあれ、普段の調子だけは取り戻しつつあるようだ。

「うむ、色々とあるのじゃ。
………うん?怪我?…まぁ、この程度ならば問題ない」

少々髪が乱れている程度か、着物はもう戻ってる、怪我と言う程の怪我もない。
まぁ…そもそも、多少の怪我ならばすぐに治ってしまうのだから。

「そう言えば、お主は医者じゃったな。
あー…いや、大丈夫じゃ、別に医者に掛かるのが苦手と言う訳ではないからな?」

大概、少女がこう言う時は逆であるのだが…まぁ、気付かれているだろう、多分。
その証拠に、この発言をしている時の少女の視線は泳いでいた。

「ふむ…着物はな、慣れるまでがなかなかに難しいらしいのぅ?
妾の場合、ほれ、もう慣れておるから大変とも思わんが」

ふふんっ、と自慢気に胸を張る少女。
妖力の流れに反応するこの着物は、意思一つで脱ぐも着るも出来るから楽、なのもある。
その辺りは、いちいち説明に含めないが。

ワルセイ・イダーヤ > 相手が必死で誤魔化そうとするのを見ながら、ふっと苦笑して……

「はは、そうか。ならばよかった。」

まあ、忘れた忘れていないを追求することはない。重要なのは、再び出会えたということだ。
少女の近くによれば、手で多少乱れた髪を整えてやって……
その後、切株に座って、診てやろうかと言った後の反応を見れば……
ああ、医者にかかるのが苦手なのだなと思いつつも…わざわざ突っついても仕方がない。

「ふむ、そうかそうか。タマモは強い子だな」

そう、少し子ども扱いするようなことを言ってみようか。
そして、服についての会話を少しした後、胸を張る相手を微笑ましく眺めながら、
カバンから、サンドイッチの入った籠を出そうか。

「ふむ、そろそろ昼だな……どうだ、タマモよ。そなたも食べるか?」

と、聞きながらちょいちょい。と手招き。

「残念ながら、稲荷寿司ではないが……この卵サンドは絶品だぞ?」

何て言って、サンドイッチを食べようか……

タマモ > 男の言葉を聞き、うむ、と頷いてみせる少女。
よし、誤魔化せた!そんな雰囲気駄々漏れなのは気にしない。

「ふむ…子、と言うのは少々間違いじゃが、良かろう」

間違いなく、実年齢で言えば自分よりも上に当たる相手はそうそう居ない。
まぁ、ただ、見た目は違いないのだから、そこは妥協である。
それに、上でないには変わらないが、この相手には何かありそうだし、と言うのもあったからだ。
と、ふと、目の前で出された籠に自然と目が行った。

「ほほぅ、玉子さんど、とな?
昼…そう言えば、そんな時間じゃったかのぅ…すっかり忘れておったわ」

正直、挑んだ時間もはっきりと覚えてないのだから、今の時間が分かってないのも仕方ない。
いや、そもそも、今の時間を気にするような性質じゃない。
…さすがに、朝とか、夜とか、明らかに分かるのはあれだが。

「ふむふむ…そうかそうか、絶品か…よし、では貰ってやろう」

確かに稲荷寿司は好物で、玉子サンドと比べるものでもないが、決して嫌いではない。
それに、相手はそれを絶品と言っている、案外思ったよりも美味しいかもしれない。
そう思えば、そんな偉そうな事をのたまいながら、ずいっと手を差し出した。
まぁ、そこでやっぱり止めた、とか言われても困る。

ワルセイ・イダーヤ > 子と言うのが間違いと言われれば、そう言えば、目の前の存在は、人ならざるものであったなと思って。
もしかしたら、この少女は自分より年上かもしれない……そうは、とても見えないが。
そして、卵サンドを出し、一口かじれば、ふんわりとした卵と、
フワフワパンの触感が素晴らしく、味もまた、少し濃い目だがいいもので……

「うむ、美味い。ほら、どうぞ」

そう言って、出された手に卵サンドを手渡そう。
そして、相手が卵サンドを食べ進めいれば、その姿を優しく眺めて……
そういえば、目の前の少女には恋人などいるのかな?なんて思えば。

「うまいか?タマモよ……そう言えば、お主。見たところ、東方の出の様だが……
良い相手などいるのかね?」

特に、その質問に意味はない。ただ、ふと気になっただけなのだが……
故郷に、良い相手などののこしてきたのなら、その男は気が気ではないだろうなと思って……

「そなたのような可愛らしい女子に好かれる男は、さぞいい男なのだろうなと思ってな
……まあ、老人の、戯言だがな」

そう、苦笑して……

タマモ > 目の前で、まずは一口頬張る男。
その様子と、その言葉を聞き、玉子サンドを受け取る。
美味しいか、そうか美味しいか、こう、期待は高まっていた。

「では頂こう、さて、どんなものか…」

受け取った玉子サンド、それをぱくん、と同じように一口。
もぐもぐもぐ、ごくん…うん、美味しい。

「おぉ…これはこれで、悪くは無いものじゃのぅ」

ぱくん、ぱくん、そんな感じに丸々一個目を完食した。

「うん?良縁の者、と言う事じゃろうか?
もしそうならば、そんな者なんぞ居りはせんぞ?
まぁ…遠い遠い昔には、そんな人間も居なかった事は無いが…」

男と問いにさらりと答えるも、続く言葉は、何かを思い出すような仕草と共に。
無意識に、指先が首元の装飾品へと触れていた。

「ふむ、男子か…うーむ………そうなのかのぅ?」

かくん、と首を傾けながら、そう返す。
その答えが、そう言った相手に男が居なかった事を指しているのかもしれない。
関係を持った相手は多いが、そこまで到った事は実際に無いのだから仕方ないが。

ワルセイ・イダーヤ > 「む?そうなのか……」

深い意味の無かった質問だが、どうやらこの少女には、恋人などいないようだ。
まあ……もったいないと言えば、もったいないが。人と、違う種族の恋は中々実らないものだ。
そのまま、卵サンドを食べ進めれば……

「ああ、そういうものなのだよ。男と言うのはな……好いた女子を、独り占めしたくなるものなのだ」

そんなことを言いながら、最後の卵サンドを手渡してやって、立ち上がる。

「さて……俺はそろそろ行こう。タマモよ。あまり危ないことはしすぎる出ないぞ?」

そう注意しつつ、優しく頭を撫でてやって……

「では…な。また会えたら、その時は……」

そう言って、立ち去ろうか……

タマモ > 「まぁ、立場的なものもあれば、性質的なものもある。
永い永い刻を生きる者として、難しい問題とも言えるじゃろうか?」

ぺろり、指に付いた玉子を舐めながら。
更に渡してくれるなら、受け取る事だろう。

「独り占めか………理解出来なくもない。
妾としては、まぁ、色々と愉しむのが良いのじゃがな?」

はむ、と次の玉子サンドを頬張りながら、立ち上がる男を見遣る。

「ふむ…すりるはすりるで、楽しいものなんじゃがのぅ…?
うん?まぁ、また会う機会もあるじゃろう、またその時にな?」

大人しく撫でられながら、立ち去る男へと、ひらりと手を振って。
その姿を見送りながら、次の玉子サンドを食べ終えれば、少女もまた戻って行くのだろう。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からワルセイ・イダーヤさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からタマモさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にノールさんが現れました。
ノール > 歪んだ石畳が荒れた平原の中にかろうじて見える。
街道の中でも保持が困難な場所で狭隘な崖や高低差のある丘陵に囲まれた場所だ。
その崖の上に、街道を見下ろして伏せる獣とも人ともつかぬ姿があった。
狗に似た頭部にある眼はじっ、と眼下を凝視し警戒するように鼻先がひくつく。
じっ、と動かぬ姿は捕食獣特有の我慢強さと、狩りへの衝動と、苛立ちが見て取れた。

ノール > ふと頭を上げて、鼻先を掲げた。
何かを嗅ぎ取ったのか、慎重な様子で周囲を見回し傍らの大剣を握る。
全身の毛が逆立つように膨らむとゆっくりとした所作で崖下から見えぬ位置に下がり、のっそり立ち上がる。
もう一度、周囲の風を確かめるように鼻先を掲げ、小さく動かすとそのまま歩き姿を消した。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からノールさんが去りました。