2018/05/12 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にノールさんが現れました。
ノール > 細い月が夜を暗くしていた。
月明かり、という言葉通り月が明るければ存外、夜の世界は真っ暗ではない。
だが、今宵の空に浮かぶ月は細く、雲に埋もれてしまうことしばしばだった。
真っ暗闇ではない所が、夜を歩くことに慣れた者の油断を誘う。
慣れた道ならば、大丈夫。
知った場所なら、問題無い。
そのモンスターはそんな油断を狩るために身を伏せて草むらに沈んでいた。
狗頭がそのまま真っすぐ伸び上がり二本で立つと上を向いてしまうのを避ける為、
猫背、というよりその上半身は屈曲して地面に半ば平行なのが常だ。
故に、このモンスターは伏せて、四つん這いになっている時も用意に周囲を見て取れた。

ノール > 月がゆっくりと彼方へ遠ざかるように沈む。
今夜の狩りは外れだった。
慨嘆を漏らすでもなく、そのモンスターはのっそりと、
低い姿勢のままで何処かへと姿を消した。
次の狩りに備える為に。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からノールさんが去りました。