2018/04/10 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > ふむ。

腕を組んで川を見つめるシスターが一人。
金色の髪を納めているはずのフードは今日も外してしまっているが、しっかりと修道服を身に纏った女は、ううむと僅かに唸って瞳を閉じ、今日の依頼を改めて思い出す。

・川沿いの街道に謎の男がうろついていたから見回りをして欲しい
・ついでに川の傍にあった道行く人の安全を祈る石像が壊されていたから直して欲しい
・ついでに川にかかっている橋を補修して欲しい


「ついでの方が大きくないですか。」

思わず目を見開いてツッコんだ。

シスター・マルレーン > しかも、どう考えても謎の男の風体に関してもあいまいな場所が多い。
本当に男なのかどうかも怪しいところだ。
明るいうちにやってきたけれど、暗くならないと出てこないのだろうか。

「………見るからに怪しい、ならいいんですけど。
 怪しそう、では声もかけられないですよね…………」

参ったなぁ、なんて呟きながら、古びた橋の下に回って。
持ってきた木の板と金槌を取り出せば、慣れた様子でこんこんとんとんと始める修道服。

釘を口に咥えて、丁寧、とまでは言わないが補修を続けていく。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 橋を補修するものがいるとはつゆ知らず
少年はその橋を渡る。
がりがりごりごりと、大きなもの…それも結構な重さのものを引きずる音が響き橋を揺らす。

「……」

少年はややうんざりといった表情でその体躯には大きすぎる棺桶をひく。
足取りは思い。

シスター・マルレーン > 「っと、ととと、とっ!」

待って待って待って、と慌てる。ふんぐぁっ、とへし曲がる橋を川の下で押さえて、必死に。

「あ、あの、ちょっと待ってくださーい。
 この橋、壊れそうなんです!」

ばっしゃんばっしゃんと川に足を突っ込んで、橋が崩れぬよう仁王立ち。
両手で押さえて、ここは俺が抑えるから先に行けモード。

ブレイド > 「え?あ?わ、わりぃ!」

いそいでバック。
棺桶をおして、来た道を戻り戻りゆく。
重たい棺桶ではあるが、轍のおかげか素直に下がってくれた。

「壊れそうなのかよ…まいったな」

戻った少年は歩みを止めて頭をボリボリ。
さきにいくと、さすがに棺桶の重みでこの女性は潰れてしまいそうだったから…
配慮のようなものだ。

シスター・マルレーン > 「………すみませんね、少しだけ待ってくださいね。」

こんこんこんこん、と慌てて作業を進める。
川に躊躇なくざばざばと踏み込んで、修道服を濡らしながら。

「……あ、大丈夫ですよ、もうしばらくしたら通れるようになりますからね。
 急ぎますか?
 ……ええと……」

苦笑しながら腐った支柱の周りを、新しい木で補強していく。
少年が引いているのが棺だと分かれば、聞いていいものか、少しだけ悩み。

ブレイド > 「いや、いそがねー。
こいつの中身ももう痛みきっちまってるし…
今更二・三日遅れても誰も文句は言わねーよ」

棺をバンバンと叩いて
少し疲れた様子だが笑って見せて。

「てか、アンタ…そんなカッコで危なくねーか?
むしろ、なんで橋の補修なんざ…」

左官屋でも大工でもないように見える。
強いて言うなら…修道女だかシスターだか。
それが大工仕事をやっている。

シスター・マルレーン > 「そうですか。……わかりました。
 がんばるのでしばらく休憩していてくださいね。」

ふん、と拳を握ってお任せ下さい、とばかりに橋の下から笑顔を向けて。
かっつんかっつん、釘を口に咥えて打ち付けていく。

「………。
 いや危ないですよ。本当なら足元重いですから脱ぎたいくらいなんですけど。
 それに、割と暑いですし。

 ………皆さまと共に歩んでいこうという姿を、少しでもお見せしたい……
 ってことにしておけと言われています。」

なんて、くすくすと笑って。
なんで大工なんだ、と言われれば、あー………と僅かに言葉に詰まって。

「……依頼は、正しい人助けであれば、基本的に全て受けるようにしております。
 報酬や内容で選り好みしていてはいけない、という教えですね。」

にっこりと花の咲くような笑顔を向けながら。

………いやちょっとはしたいんですよ?

ほんのちょっと小さい声で聞こえるように呟いた。人差し指を立てて自分の唇に当て、内緒ですよ? なんてウィンク一つ。

ブレイド > 「そっか。なんか、急かしちまうみてーでわりーな」

橋の下を覗き込むように。
そこには金髪のシスターが笑っていた。
口元の釘があまりにシスターからかけ離れている。

「まー、脱いでもらっても困る。
通るのに目隠ししねーといけねーしな。
でも、なんだ…たくし上げとくくらいはしておいたほうがいいだろ?」

ひらひらして重たい修道服。
そんなものが水流を受ければどうなるか。
下心は特にない。普通に、危ないのだ。
修道女ってのは、そういうところでもストイックなのだろうか?

「依頼って、修道女が依頼?橋の修理の?
それ頼むとこ間違ってんじゃねーか?
まーいいや…」

そんな笑顔を向けられたら、座って休憩なんて分けにもいかないだろう。
めんどくさい…めんどくさいが…

「で、どうすんだって?この橋」

棺桶を手放し少し隅の方へ。
ついでに荷物もそこに置き、ざぶざぶと川の中へと足を踏み入れる。

シスター・マルレーン > 「ああ、大丈夫ですよ。
 ……でもまあ、確かにたくしあげるのはいいかもですね。
 いや、最初は水に浸からないようにやってたんですけどね。」

んしょ、とたくし上げると、白い足が太腿まで露わになって。
ふんふん、と鼻歌混じりにかんこんかんかん。

「……ああ、いえ、冒険者もやっているのです。
 ですから、外での作業をいろいろ任されまして。

 ………あれ、でも確かに間違っている気がしますね。
 ……まあ、頼まれたら断るな、って話なんですよ………」

遠い目になるシスター。教会に伝えられる困った、を全部解決している気がする。

川の中に足を踏み入れてくる相手に、眼をぱちくりとさせて。

「ああいえいえ、もうそんなに時間もかかりませんから!
 濡れちゃいますよ?」

なんて、慌てて。

ブレイド > 「てか、オレが渡ったせいか。むしろ。
そりゃー、補修途中であんなもんが通ったら焦るよなぁ…
それも含めてわりーことしたな」

……これはこれで目のやり場に少し困る。
というか、なんでちょっと上機嫌?
こんな雑用まがいのことをしているというのに…

「へーそうなのか…まぁ、冒険者ってのは何でもやるから…
まぁ、依頼ってならやるもんなんだろうけど…
間違いなくアンタに頼むよりは、専門家に任せたほうが早いし、いいもんできるだろーな」

シスターも大変だな?と、笑いながらざぶざぶと歩み寄り
シスターが支えていた橋に手をかけて。

「邪魔しといて何もしねーってのもあれだ。
それに、濡れてんのはアンタもだろ?」

シスター・マルレーン > 「あはは、大丈夫ですよ。だって橋は通るものなんですから。
 私がちょっと気を遣って、修繕中だとか札をかけておけばよかったんです。
 サボるとすぐにばれますね。」

太腿を見られているとは思わずに、ふんふん、と釘を打ち付ける。
分厚い修道服ではくわしくは分からないが、しっかりとした女性らしい身体つき。
何時も隠しているからか、太腿だけ覗くと割と妙な気分にさせてくる。

「あはは、……その通りですよね。
 実際は、この近辺に怪しい男が通るから見まわってくれ、って依頼のついでなんですよね。
 お金はかけたくないんだと思います。
 この橋が壊れると困るけれど、かといって名乗り出て出資もできない。
 まあ、仕方ないことですけどね。」

結論として、報酬はほぼ無いことに苦笑一つ。
肩を竦めながら、釘を打ち付けて。

「私はまあ、最初からそのつもりでいましたけど。
 ……それなら、そこを抑えておいてもらえますか?
 なんだかすいません。 ……私はシスター・マルレーンと申します。 マリー、でいいですよ。」

ブレイド > 「ま、それはそれで…アンタみてーな人のいいやつはさ
橋の前で誰かが立ち止まったらほっとけねー性質だとおもうぜ?
わたろーが立ち止まろーが、無理して早めに終わらせるだろ?
だから、あんま変わんねーかなって」

どっちにしたって、その修道服を濡らしたことには変わらないということだ。
しかし、黒い修道服から見える白い健康的な女性らしい太もも。
目の毒だ。

「別の依頼のついでね…ついでにしたって内容が違いすぎるだろ。
アンタじゃなけりゃ絶対受けねーぞ?そんな仕事…。
ケチってるから誰も直さねーんじゃねーか、こんなもん。
金かけたくなきゃ自分たちでやれってんだ」

ちょっと冒険者というものを舐められているようで
苛立ったように語気を荒くする。

「ったく、ろくでもねー…。
こんな仕事、ちゃっちゃと終わらせて、なんやかんや理由つけて金むしっちまえ。
っと、オレはブレイド。冒険者…まぁ、同業者でいいのかな?
あっちの棺桶はあれだ。死体回収の依頼の最中ってやつだ」

シスター・マルレーン > 「あら、褒められてます?」

くすくすと笑いながら、首をちょいと傾げて。
やっぱり、見られているとは思っていないのか。

「………ああ、いやまあ、教会もあれです。いろいろ大変なんですよね。
 こうやって雑用までこなさないと運営資金も火の車で。

 ……そこに、冒険者として活動もしている私がよそ者としてお邪魔しているわけですからね。
 さあさ、日が落ちる前にやらないと寒くなりますよ。」

苦笑をしながら、まあ、人助けですしね、と軽く微笑む。
少年の声が荒くなれば、むしろあえて明るくふるまうように、声を弾ませて。

「ふふ、そうですね。
 報酬はちゃんと頂かないと、教会の屋根が直せないんですよね……。
 その修理は身内だからロハなんですよ? もー。」

むくれるような声だけれど、明るい。

ブレイド > 「いや、褒めてはいねーな」

さらっと応える。
人のいいヤツ。
言ってしまえば便利に使われてしまう人間。
自分としては嫌えないしほっとけないタイプの性格なのだが…
得てして貧乏くじを引きやすい。
太ももからは少し視線をそらす。なんか、悪いことしているような気がしたので。

「そりゃ大変だ。アンタの教会ってやつも。
つか、もうちょっとうまくやりゃいいのにな。
ほかの教会じゃ、儲けてるとこもあんだろ?」

聞けば聞くほど貧乏くじを引いていそうなシスターマリー。
こういう人間を、いいように利用しているようなやつは大嫌いなのだ。
だからこそ声も荒くなってしまうというもので。

「ほんと、なんか苦労してんだな?
むしろまっとうに働いたほうがいいんじゃねぇか?
冒険者とはまた違った副業ってやつをさ…」

明るくは振る舞っているが心配になる。
補修も手伝えば、少しは早く終わるだろうか。

シスター・マルレーン > 「あらら。まあ、分かっていますよ、分かっています。
 でもほら、こうやって育てて頂いて、周りを助ける機会を貰えたわけですし。
 私からすると、ずっと祈っているよりも、こうして直接助ける方がやる気、出ません?」

なんて、へにゃん、とした笑顔で返すのだ。

「……あー、まあ、そうですね。
 本当に価値を生み出して金銭を得ているのなら、いいんですけれど、ね。」

思うところがあるのか、言葉が鈍くなる。
騙すような行為でお金を取るのは、どうしても、ええ。

「…んー、……もうちょっと余裕が出たら、考えてるんですよ。
 町から少し離れたところに、自分の教会を持って過ごしたいなと思っていて。
 そのために、お金も確かに必要でしね。」

なんて、話している間に作業も終わりが近づく。

「これで終わりです、ねっ!」

かーんっ、と金槌を強く打ち付けようとして、勢いよく外して。

「わぶっ!?」

ばしゃん、と尻もちをついた。恰好のつかないシスター。

ブレイド > 「ふーん、ま、アンタが納得してんならいいんじゃねーかな?
安売りしてんのは感心しねーけどさ。
褒めてはいねーけど、いいやつだとは思うぜ?」

なんかゆる~い笑顔だなと、思わず吹き出してしまう。

「ま、教会だもんな。
深くは突っ込まねーよ。」

自分はミレー族で、この国の今の神に追いやられた種族だ。
だからこそよくわかってはいる。

「こんなことしてたら、建てる頃にはばーさんになってそうだな。
目的あんならさ、ちょっとは欲出してもいいもんだと思うけどな。
シスターだか修道女だかわかんねーけど…冒険者でもあんだしよ
っと、これで終わりか」

と、一歩離れ
シスターマリーの最後の一打……は、みごとにはずれた。

「なにやってんだよ…」

苦笑しつつ手を差し伸べ。

シスター・マルレーン > 「……ふふ、そうですね。
 ブレイドさんも、困ったら言ってくださいね。
 私、こう見えて冒険者としては長いんですから。」

なんて、拳をきゅっと握って堂々と。
お任せですよ、と胸を叩く。ぱゆん、と揺れた。

教会についてのことには、あはは、と笑ってごまかす。
中については、中にいる人が良く分かっている。
どうにもならないことは、多すぎるのだ。

「……そうですね、一生懸命手を伸ばしては見るんですけど。
 なかなか、どっちもってわけにはいかないですね。」

目の前のことも、将来のことも、懸命に指先まで伸ばして掴もうとする。
届かないのは分かっていても手を伸ばす自分の阿呆さを、苦笑して。

「……あはは、恰好つかないですね。
 びっしょびしょになっちゃいました。

 その、お願いついでに、着替えている間見張っててもらっていいです?」

手を握って立ち上がりながら、もう一つお願いを。
断らぬなら、もうしばらく少年はここに足止めを食うことになるだろう。

ブレイド > 「むしろアンタが困ったら言えよ。
オレは駆け出しだけどな」

ちょっと呆れつつも楽しげに。
ばゆんと揺れる胸には少し頬を赤くしてしまうが
シスターの人柄からか、あまり気ならない。

「ま、アンタのやりてーことやればいいだろ。
アンタの人生だってのに、他人のことばっかじゃつまんねー…
ま、見張りハロはでいいぜ?
冒険者も助け合いだ」

冗談めかしつつ、シスターの手を引き。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からシスター・マルレーンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からブレイドさんが去りました。