2018/04/05 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にティルニアさんが現れました。
■ティルニア > 次の街までもう少しというところで日没を迎えてしまった。
無理にでも先を目指そうかと迷うところではあったけれど、獣の遠吠えに怖気づいた両足の進みは遅々としたもの。
だから途方に暮れかけたところで身を隠せそうな廃屋を見つけられたのは、不幸中の幸いと言えただろう。
「はぁ…、寝つけない…」
とはいえ今もどこか遠くから物騒な咆哮が聞こえていて、寝るに寝られず。
恐らく農具小屋だったのだろう廃屋の真ん中にランタンを置いて、小さな明かりを見つめていた。
早く朝が来ないかな、などと思いながら見上げた天井の隙間からは綺麗な星空。
こんな状況でさえなかったら、きっと楽しめたのにと溜息を落とす。
■ティルニア > 膝を抱えていた両手を、尖る耳の先端に添える。
ぱたん。
畳んで閉じてみたら、確かに外部の音が遮断された。
代わりに聞こえてくるのは自分の鼓動。かなり忙しなく脈打っているから、今の状況にどれだけ心乱されているかも分かってしまう。
「ねずみでも飼おうかな…」
例え話が通じなくとも、旅のおともがいれば気の紛らわしようもあるかもしれないと思う。
小さなねずみなら食費もそんなにかからないだろうしと、思案という名の現実逃避。
可愛い小動物の姿を思い描いているうちに心音も静かになりかけていた。
けれども。
不意にどこからか、畳んだ耳越しにも聞こえる大きな物音。
ビクン!と震え上がり、風の悪戯だと願いながら周囲を見回す。涙目で。
■ティルニア > 注意深く廃屋の隅々を見渡して…
特にこれといった異常が見当たらなかったから安堵した。
願いどおり、きっと風で何かが倒れたりしたのだろうと自分に言い聞かせるような思考を繰り返し、耳を塞いでいた両手をそっと下ろす。
そしてまた両足を抱え直し、膝に額を押し当てる。
いくら神経質になっていたとしても旅の疲れは無視できない。じっとしていると、少しずつ瞼が重くなる。
このまま無事に朝を迎えられますように、そう星に願い事をする頃には頭の中までぼんやりとして、
大きなあくびを一つ零すと、そこで限界が訪れた。
意識が眠気に飲まれていって、瞼が静かにおりてくる。そのまま小さな寝息を立て始めるまで、きっと数分とかからなかったはず……。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からティルニアさんが去りました。