2017/12/07 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にクウさんが現れました。
クウ > すっかりと日も暮れた時間帯、人の行き来も殆どない街道を松明を片手に歩く姿。
暗い色の服に外套を纏っている為に遠目に見れば松明の炎だけがゆらゆらと揺れているようにと見え。
かなり近づいてみれば人の姿が判るという状況。

そんな姿で早足に王都に向けて街道をただひたすらに歩く。

「……慣れない事はするものじゃない…本当に」

遊んでばかりではいけないと簡単な荷運びの仕事を受けたのが昼間。
地図を頼りに届けたはいいが道中に道に迷った結果こんな時間を歩く羽目に。
流石にこんな時間に歩く危険は判るだけに早く戻りたいと…ただ王都目指して足を進める。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にウィルバーさんが現れました。
ウィルバー > 揺れる松明の後方より、ゆっくりとそして迷うことなく近づいてくる足音。
街道の石を踏みつける大きな足音は時々荒い鼻息をまき散らしつつ、雨の中でも僅かに香る女の匂いを嗅ぎ取っていた。

右手には人間大程の黒塗りの棍棒を持ち、その足音はテンポが速くなっていく。

嗅ぎ分けた匂いから今宵の獲物にすることを決めた牛鬼は口から涎を垂らし、外套の中に思いを巡らせていた。

クウ > 「……?」

気が付けば雨まで降ってきて、本当に今日は付いていないと歩く足を速める。
旅の最中で雨の中を進む日もあっただけに足取りに躊躇いはなく真っすぐに道を歩き。

本当に遠目に王都と思われる灯りが見えればあと少しを安堵の息を吐き足を止め。
その止めたお陰で今歩いてきた道から気配が、人よりもよほどに大きなものに運よく気が付く事が出来る。

「……何かくる?」

このまま街まで走れば宇なく言えば振り切る事が出来るかもしれない。
でも相手の方が足が速ければそうはならない…。
ほんの少しだけ考え、暗闇で戦うリスクを背負うよりは、
そう考えれば迷わずに松明を投げ捨て街に向けて早足が駆け足にとなり。

ウィルバー > 女の匂いはどんどん近くなっていく。
雨音でも隠すことのできない大きな足音を鳴らし、牛鬼は大きな双眸をカっと見開いた状態で駆け抜ける。

身体の大きさの違いから、女性の脚よりは素早かった。
そして、牛鬼も街に入られたら面倒なことになることは十分によく知っていたのだ。
ならばここで勝負を決めるしかない。

「グォォォ!!」
もはや衝動の赴くままに動くことにした牛鬼は路傍に投げ捨てられた火を一瞥すると左手を伸ばし、女性の頭部を掴もうとした。

「ここで俺と戦って嬲られるか、それとも大人しく俺の慰み者になるか、どちらか選べ。」
牛鬼は大きな口から白い息をまき散らしながら人の言葉を話しだした。
地鳴りのように低い声で。

クウ > 背後からはっきりと聞こえるようになる大きな足音。
確実に人間ではないと言い切れる音に魔物に見つかったと認識すれば全速力で駆ける。

街の近く、城壁を守り兵の視認範囲にさえ入れば後は兵が対処をする。
そう考えて駆けるが足音からしてサイズは魔物の方が確実に大きく距離を詰められるのが大きくなる気配で感じられる。
投げた松明に気を取られる事なくこちらに向かってくるの感じ。

雄たけびのような声とともに感じた悪寒に地面に向け身を投げ出せば外套を犠牲に伸ばされた腕からどうにか逃れる事が出来振り返る。

「……どちらも断る。こんな大物が放し飼い……この国はどうなってる」

王都の近くにこんな大型の魔物が野放し、しかも言葉を話すだけ頭もある。
どう見ても勝つのは難しいと言える姿を見上げ、カトラスに手を添えて、
発せられた言葉にはっきりと断ると告げて。

ウィルバー > 伸ばした手は女性が脱ぎ捨てた外套だけを掴んでいた。
鬼はつまらなさそうにそれを投げ捨てる。
地面に落ちた外套は直ぐに雨を吸って重くなっていく。

「この国は俺らのような生き物にとっては最高の国よ。
ほら、さっさと楽しもうぜ。」
彼女が腰の物に手を伸ばすのが視界に入った瞬間、牛鬼が先に動いた。
大きな外見からは予想外に機敏な動きをみせると、右手の棍棒を振り上げ、彼女の胴めがけて横に振り回した。

初めて見る顔であった。 恐らくよその国から来た剣士か何かだろう。
こちらの要求を断ろうとするだけの気概はあるようだ。
これは面白いことになった。
牛鬼は表情こそ変わらぬものの僅かに心が弾み始めていた。

クウ > それなりに愛用し、今自分の代わりにとなった外套が投げられるのを視界の隅に一瞬捉え。
それでも視線は魔物からそらさずに真っすぐに見つめる。

「聞いてた噂よりも物騒すぎ…。
私は楽しくない……最悪の気分」

決定打を与えるには手持ちの武器では非力すぎるのは見て取れる。
刀を使えば腕の一本は落せるかもしれないが折れてしまえば替えなど手に入るとも思えずに使う事に躊躇し。
どう攻めるかと見据えれば先に動いたのは魔物。
その大きさとは裏腹に機敏に動く姿に驚きはするが身体は自然と動き。

横にと振るわれる棍棒の下を潜る様に身を低くして一気に駆け抜ければ突き進み。
魔物の足裏の腱を狙う様にカトラスを抜刀し振りぬく。
一撃を受けても敗北をしても、後にあるのはおそらくは弄ばれての死のはず。
ならば出来る限り足掻いて見せようという意気込みを見せて。

ウィルバー > 「心配するな、お前は俺が奴隷として飼ってやるからよ。」
白い息をまき散らし、下卑た笑いを浮かべる牛鬼。
痛めつけ、抵抗できなくした所で子を産ませる奴隷として持ち帰るつもりであった。
だが、それはそう簡単ではないことを牛鬼は直ぐに知ることになる。

「グォォォ!!??」
女性の腕の一本でも砕くつもりで振った棍棒は掠ることすら出来ず。

一瞬消えたかのように思えた女性は次の瞬間、鬼の足元に現れた。
同時に、鬼の片脚に鋭い痛みが走る。
カトラスの刃は牛鬼の硬い皮膚を切裂き、赤い血が流れていく。

「おのれ、舐めんじゃねえ!!」
足の筋を斬られた鬼は怒りにまかせて未だ足元にいる彼女を掴もうと左手を伸ばす。
あわよくば彼女の身体を掴み、地に伏せるつもりだ。

クウ > 「……その時は腹を切る。魔物に飼われる趣味はない」

魔物の笑みに心底嫌という表情を浮かべて小さく返し。
こんな奴の慰み者になるぐらいなら腹を切ると本気で考えて。
だがそうなる前に出来るだけこれから生きるのに辛くなる傷を負わせてやろうと考える復讐の先払いという様に。

「……早いだけ」

棍棒の下を抜ける時に髪に掠ったか数本舞い。
それに眉を顰めながらもカトラスで確かに魔物の脚を切った手ごたえを感じる。

「舐めてなど……いない…!」

そんな余裕など欠片もあるはずがなく、一撃を避け打ち込むのも命懸けだと。
斬った場所に留まれば終わってしまうから…と無理な姿勢で強引に身体を動かし迫る手から逃れようとし。
捕まるぐらいならと…先ほどの外套の様に、今度は着物を目くらましの様に脱ぎ棄てもう一度逃げようと身を魔物の後ろに逃がそうと転がり投げる。

ウィルバー > 「俺が斬らせるわけないだろう? 
お前の腹は子を産むのに必要なんだよ。」
穢いものでも見る様な表情に対し、鬼は口の端から漏らす涎の量が増えていく。
鬼の頭の中はこの高潔な剣士をどのように味わうかを考えていた。

故に動きはどうしても雑になり、早いだけで正確性に欠けてしまっていた。

「ふざかるなあ~~~!!」
またもや着ている物を脱ぎ捨て、逃げようとする女性の姿に鬼は目を赤く光らせ、吠えた。
左手が掴んだ着物は感触を確かめる間もなく、右手の棍棒と同時に投げ捨てた。

同時に、牛鬼は本来持っている魔力を解き放つ。
彼女の後方に高さ数メートルはあろうかと言う巨大な岩が突然現れ、行く手を塞いでしまう。

「ふぅー! ふぅぅー!」
動かす度に痛みを覚えながらも、鬼は女性の居る方へと振り返る。

クウ > 「なら舌を噛む。魔物を産むつもりはない」

魔物の口から漏れるよだれを見ればはっきりと顔に嫌悪感が浮かび。
見聞を広げる旅もここで終わりかもと息を吐く。

ただ唯一の救いは魔物の動きが雑でな事。
これならば幾ら早くても対処できる範囲なので。

「ふざけてない……それ…大事な一張羅」

着物を脱ぎ擦れてれば上半身を覆うのは胸を巻くサラシだけ。
外でこんな姿はしたくはないが生き延びるのが最優先と割り切り。
紅い目を光らせて吠える魔物に小さく吐き捨てて。

魔物が棍棒と着物を投げ捨てるのを見ることなくそのまま背後に駆け抜け道を逸れた草地に逃げ込んでしまおうとする。
しかし行く手に巨大な岩が現れれば足を止めるしかなく。

「……いい加減諦めて」

振り返る魔物へと視線を向ければカトラスを鞘に仕舞い手を逸れるのは刀。
腰を落とし構える姿はそれではっきりと次は切り落とすという意思を感じさせて。

ウィルバー > 「いいね、その顔。 ますます楽しくなってきた。
噛んだら俺が治してやるよ。」
牛鬼は分厚い舌で口の周りの涎を舐め取っていた。
力の差に物を言わせての狩りは鬼にとっては酷く心地よかった。

そして、機敏さでは勝負にならないと感じた牛鬼は
得意の魔法で追い込んでいくことにした。

「そのサラシの下を早く味わってみたいものだなあ。」
きつく締まっているからか、それとももともと小ぶりなのか。
白い布の中はどうなっているのかと興味がそそられる。

魔法で咄嗟に出した岩はもくろみ通り、行く手を遮った。
しかし、ここで彼女は刀へと手を添える。

漂う気配の変化から、最後の勝負に出ようとしているのだろうと鬼は察した。

「なあに、腕の一本で女が手に入るなら安いものだ。」
とはいえ、そのまま近づくと手痛い一撃を食らうであろう。
そう思った鬼は魔力を集中させる。

鬼の眼が再度輝いた瞬間、10個程度の風の刃が彼女の元へと襲い掛かる。
それらは彼女の皮膚や布を切裂こうとするだろう。
ただし、犯すことが目的である以上致命傷に至る程の威力はない。
そして、刀で受け流すことも可能だ。

クウ > 「……私は楽しくない。楽しい旅行を台無しにされた。
治される前に死ぬから問題ない」

唾液を舐めとる姿に感じるのは嫌悪感だけ。
今日は本当についてない日だと思わずため息を吐き。

実力差はあるがそれなりに痛い目を見せれば引くと思っていたがそうではなく。
まだ足りないかと思考を切り替える。

「私じゃなくて…その辺の獣でも食べてて」

魔物の視線に軽蔑するような視線を返せば吐き捨て。
着物をおとりにしたのは失敗だったと今更に後悔する。

このまま逃がしてくれれば魔物は獲物を失い、自分は大事な着物を失うだけで済んだのにと。
でも駄目なら次はと…覚悟を決め。

「私はそんなに安くない。斬って押し通る」

今までの様に腕力で来なくなった魔物の様子に舌を打ち。

次には迫りくる10程度の風の刃。
それに向け真っすぐに突き進みサラシや袴、肌を斬られる事を気にせずに魔物に向け突き進み。
狙うのは先ほどの反対の脚、今度は腱ではなく足首を落として一気に街の灯りに向け駆けるつもりで。
出来れば着物だけは回収したいと頭の片隅で考えて。

ウィルバー > 「そりゃ悪かったな。
お礼にたっぷり楽しませてやるよ。」
余程興奮しているのか、拭った端から溢れ出す涎。

「今日はお前に決めたんだよ。
その綺麗な身体を食べてやろうと思ってな。」
サラシのみの上半身を食い入るように見下ろす。
侮蔑の視線が突き刺さるが、鬼は気にすることは無く。

最早言葉は不要とばかりに、風の刃を飛ばす鬼。

女性は己が体や大事な所を隠している布が切裂かれることも構わず突き進み、ついに鬼の巨大な足が切り落とされる。

「はははは。 お前の顔、覚えたぞ。」
足の先を失った鬼が地響きのような笑い声をあげると、次の瞬間暗闇に包まれる。
闇が消えた時には牛鬼の姿はなく、流れた血と巨大な棍棒が残されていた。

クウ > 魔物の言葉にもはや答えないと目を細めてじっと見つめ。
ただ捕まれば本当に死のうという決意だけは持つ。

「食べられて…たまるか」

普段は使わないような汚い言葉も使ってしまうほどに嫌だと示し。
見下ろされる事を気にもせずに。

サラシが、袴が斬られ肌に傷がつくのも気にせずにただ一撃と刀を振りぬけば確かに斬った感触。
そのままに駆け抜け、途中に剣先に着物をひっかければ振り返らずに全速力で駆け。

背後から聞こえる声に一瞬だけ振り返れば暗闇が見え。
次には魔物の姿は見えず、それをよく確認する余裕などなく王都につくまでただ駆けて。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からクウさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からウィルバーさんが去りました。