2017/07/23 のログ
ルヴィエラ > (突いている指先が離れるまでは、動かずに居てやる蛙も人が――否、蛙が良い。
直ぐに何処かへと消えて言った蛙を追いかけるのは、この暗闇では難しかろう
――今更になって、紫色の蛙と言うアンバランスな色彩が少々気になったが
まぁ、触れていた彼女が大丈夫ならば気には留めまい。)

……ん? ……嗚呼、この先で一度止まる場所は在るには在るが、其処かな。
とは言え、其れでも少々歩く事には為るが…、……嗚呼、成る程、無用の心配だった様だ。

(魔法が使える、と言うのならば、其れ以上は追求しまい。
再び水筒を腰へと戻し、其れから後ろ手に両手を組んだ。
次いで、問われた言葉には、一度頷いた跡に、今はもう遠くなってしまった馬車の方を示して)

さっき、王国の方から馬車で出て来たのだが…少々同席の相手と合わなくてね。
思い切って馬車を降りて見た所、キミの姿に気が付いた…と言う所だ。

(――若干の脚色、馬車から降りる理由に彼女を使った事は秘密だ。
けれど、現実問題馬車が行ってしまった以上、少なくとも暫くは歩く必要が在る
勿論、そんな移動手段など使わずとも、異能により影に入れば一瞬なのだが、其れは割愛し。)

もしお嬢さんが良ければ、道中に少し付き合わせて貰えないかな?
――何、別に寄り道しても構わないよ、少なくとも、あの馬車の旅よりは愉しそうだからね。

ピア > 「えっ?良いんですか?
 むしろわたしが助かるんですが…!」

自分のひとまずの目的地を知っている相手に付き合ってもらえるのなら願ったりだ。
ぱっと表情明るくさせ、それならばと、重かった腰をすくっと上げて立ち。

「あ、そーだ。わたし、ピア・プエンテといいます。
 王都から出たことがないわけじゃないんですけど、出たのは1度で…
 しかも船旅だったので自分の足で旅するのは初めてなんです。」

だから今初めての体験にワクワクしているのだ、と伝えたいのだが、
伝わりようによっては非常に不穏で危なっかしい状況であった。
それでも本人、ここで頼もしい同行者を得られたこともあり足取りは軽く、歩き始めよう。
現在賑やかな王都は出る者より訪れる者の方が多いようで、すれ違う人々とは逆方向へと。

「差し支えなければ…なんですけど、どこに行くご予定なんですか?
 ここが素敵だとか、綺麗な場所があるとか、ご存知です…?」

完全なる観光気分。その視線は期待に満ちて。

ルヴィエラ > 旅は道連れとも言うからね、それに、一人旅よりも話し相手が居る方が良い物だ。
宜しくお願いするよ、ピア。 私はルヴィエラ・ヴァーンハイル、好きな様に呼んでくれて構わない。

(寧ろ、願い出たのは此方の方なのだから、良くない筈も無い
彼女が立ち上がれば、改めての、今度は同行者としての会釈を向けてから
早速とばかり歩き始める其の隣を、相手の歩みに合わせて進もう
都は祭りの最中、当然外から訪れる者も数多いが、其れでも都から離れれば離れるほどに
其の人気も次第に薄れ、すれ違う数も疎らと為って行くだろう
元々、この先に在る馬車の停泊場も、馬の休憩場としての意味合いの方が大きく)

……ふむ、なら旅自体には随分と不慣れだろう?
何か用が在って都を出るのか、其れともただ旅をしたいのか…ふふ、私はダイラスと言う港町に店と家が在ってね。
賑やかで人も多く、とても栄えている街だが…お嬢さんには、少し刺激が強いだろうね。

(――一見すれば、馬車へと乗るならまだしも、歩いての旅をする様な装備では無い
旅に出たいという衝動のまま飛び出して来たような印象が垣間見えて
其のおてんば感に、すこしばかり笑みを零してしまったけれど
目的地と、観光地、そんな物を問われて少しばかり考えては――悩む
はて、此れが冒険者や傭兵相手ならば幾らでも言いようは在るのだが。)

―――……この辺りで、比較的安心して薦められるのは、ルミナスの森だろうね。
美しい森で、治安もかなり良い。 ただ、個人の領地なのでね、旅人を受け入れているかは少々情報が無い。

後は…其の近くにはドラゴンフィートも在ったかな、此処は王都の軍師の私有領地だが、人の出入りは多い。
どちらも余り訪れた事はないが…旅人初心者、にとっては、良い場所ではないかな?

(どちらも、九頭竜山脈の方に位置していた筈だと、伝えながら
――割と、己にしては真面目にチョイスした、そんな心算
ダイラスの名前も挙げたが、後者二つに比べて観光地としては有名な物の
少なくとも、彼女が訪れるには少々香りが強過ぎる筈だから、強くは勧めず
――そもそも、治安の面で言えば、間違い無く王都と同じか、其れ以上にアレなのだから)。

ピア > どことなく中性的で触れ難く見えた相手であったが、名乗り合い、
親身に話してくれるのを聞いていると印象も変わってくる。
聞いたことのある地名を聞いて、人懐っこい笑顔を浮かべるように。

「あっ、ダイラスに行ったことがあるんですよ。それが1度王都を離れた時です。
 でも2、3日でしたし、宿にいる時間が多かったので全部は回りきれませんでした。
 お店って何のお店ですか?今度行くことがあったら買いに行きます!
 …か、食べに行きます…かな?」

少女の頭で考えつくのは装飾品などの販売店か、レストランか、その辺まで。
知人がいる都市なのだと思うと急に1度しか行ったことのないあの場所が、懐かしく思えるほどには単純な頭。
カジノですっからかんになってどうにもならなくなる結末もありえる少女であったが、
無事こうしていられるのはビギナーズラックと船酔いが酷く、ほとんど休んでいたおかげだったりして。

「なるほどなるほど。る……何とかの森と………あとでどこか座って、
 リュックからメモ用紙取れるようになったらもう1回地名教えてくださいます?」

真面目な顔で深く頷いたわりに。
ドラゴンフィートに関しては、以前教えられた経験もあるのでまだ行ったことがないとはいえ
今回行ってみたいとも思っているし、マークや行き方も把握しているのだが、名前だけはすっぽりと抜けている様子。
まるで初耳のような顔で感心するのである。

ルヴィエラ > 成る程、なら船旅と言うのは其れの事だね。
港周辺に居るだけなら酒場が多い印象だろうが…ハイブラゼールの方までは脚を運んだりしたかな?
――…嗚呼…ふふ、そうだね。 食事も出来なくはないが、余り良いお店とは言い難いからねぇ。

(――娼館である、とは、愉快だから今は何と無く伏せて置こう
高級娼館で在る己が店は、王都や他の安宿に比べれば趣は大分異なる
唯店の中へと入り、食事だけして帰る事も可能な位の設備も料理人も所属して居る故に
彼女を招く事は可能だと、取り敢えずは告げて置こうか
実際招くと為った場合は…まぁ、多少為り色々と考える必要は出るだろうが。)

―――ルミナスの森と、ドラゴンフィート、だ。
……嗚呼、けれど此処から馬車で行くにしても、歩くにしても
一度ダイラスは経由する事に為るのだね…、……何なら、私の店にでも泊まるかな?
正確には宿屋ではないんだが、部屋は貸せるのでね。

(まぁ、実際の所は地図でも確保して確かめた方が早そうだ
メモに関しては、また後で教えようと頷き返しつつ――ふと、提案
もしも、これが随分と長旅になるというのならば、どうせ同じ道のりで、目的地も近い
彼女の様子だから、きっと泊まる場所だって確保している訳ではないのだろうから――宿の、提供
そして其の為に、ダイラスに在る己が店まで到着するまでは、この旅に、同行しようか、と)。

ピア > 記憶を辿ってみるものの、当時の記憶はあるが当然のように地名があやふやであった。

「えーと…地名に疎くって…行った…かな…?どう、かな…。
 そこにお店あるんですか?高級過ぎるお店じゃお金心配になっちゃいますもん。
 庶民的なお店がちょうど良いですよ!」

あまり良いお店ではないという言葉を、高級店か否かという意味で捉えた。
王都以外は知らない身だからこそ、訪れる目的地が増えると嬉しい。
ますます浮つく足取りは、舗装された街道に響く足音を軽やかにさせる。

「え、あ、そうなんですか?どうも地理って難しいんですよねぇ…。
 すごくありがたいですー!着いた時に日が沈みそうなら泊まらせて頂きます!
 宿屋さんじゃないのにわざわざすみません。」

レストランなら部屋はあるまい。
相手の私室でも貸してくれるのだろうかと思えば申し訳なく、低頭になりながらもちゃっかり。
本人の言葉通り、地理が難しくほとんど把握していない状況でとりあえず
ダイラスまでは確実に、迷うことなく行けそうであることは本当にラッキーなのだろう。
そうこうしているうちに足が若干疲れたと思う頃、馬車が並んでいる光景が遠目に見えた。

「あっ!たぶんあそこですよね!?」

子供のような声を上げ、こんな所で最後の力を振り絞るように駆け足になる。
日が沈みそうなら、などと言っておいて、どんな状態であってもほぼ確実に相手の店に泊まることとなるのだろう。
なぜなら昨晩楽しみで眠れなかったこともあり、馬車の中で少女は熟睡してしまうほど疲労しているからだ。
目が覚めた後、相手の店の正体を知った時の反応は――――はてさて。

ルヴィエラ > ふふ、余り宿から出なかったと言う事だから、余り覚えていないのかも知れないね。
そう、其処にね。 心配ないよ、私個人が招くのに料金を取っていたら、それは外道って物だろう?

(高級店かどうか、と言う意味合いであれば、間違い無く高級だと言える
ただ、其れは今伏せることで、後々の反応を伺った時の楽しみとしよう
軽やかな足取りの彼女は、其れこそ旅立ちの高揚感其の物に浮かれているよう
転ばないように、何て微笑みながら声を掛けつつに、視線の先
次第に見えてきた、馬車の停泊所のおぼろげな影に、丁度良かったと頷いて)

上手く馬車が止まっている時に来れた様だね…嗚呼、泊まっている御者に声を掛けておいで、連れも居るとね。

(真っ先に賭けて往く其の後姿を、何処か愉快そうに眺めながら
変に気を使うのではなく、様々な事を経験させる様に、其の奔放さを咎めはしないだろう
馬車に乗ってしまえば、きっと暫くは他愛ない会話を続けた筈だ
けれど、程なくして彼女が眠ってしまうのならば、其れも構わない
流石に、街へと到着した後も目覚める様子が無いのなら、こっそり店まで運ぶ事に為るのだろうが
果てさて、次に彼女が、安宿なんて物じゃない、綺麗に整った部屋の中で
白いシーツと毛布に包まれ、目覚めた時の反応を眺めるのが
きっと、今の時分から、とても楽しみで――)。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からピアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からルヴィエラさんが去りました。