2017/07/08 のログ
■ペインテイル > 魔獣があまりに殺気だっている為なのか、それともただの不運か、今宵は街道を利用する人間が居ないようだ。
魔獣は唸り声をぐっと堪え、なるべく殺気を放たないように意識的にコントロールしながら、獲物を探すべく別の道へと駆け出していくのだった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からペインテイルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にダレンさんが現れました。
■ダレン > ふらり、ふらりと。 熱に吹かされたように落ち着きなく街道を歩いている。
昨夜は可愛らしい魔王との熱い夜が続き、数えきれないほど血と精気をわけてもらった。
そもそも肉体としての許容量が違い過ぎるのである。
飲んだ血はひどく甘美で、性的な接触に伴い流れる魔力も濃厚だった。
そして、それらはこの体で受け止めるにはいささか多すぎたようだ。
俺は自分の身体に感じる違和感と、湧き上がる衝動を抑える為に街から離れることにした。
街の中だとうっかり人を襲いそうであった。
また、ここなら美味そうな匂いにつられて何者かがやってくるかもしれない。
そういった物に魔力を多少吸われるのならそれでもいいかな。
なんて淡い期待もあったりする。
■ダレン > 街道の外れに、大きな樹を見つける。
そこの下は当然ながら日陰となっていた。
俺は覚束ない足取りでそちらに向かい、腰掛けた。
「二日酔いってこんな感じなんだろうか。 頭は全然痛くないんだけど。」
とりあえず、体に違和感を覚えるがふわふわした感触がして心地よかった。
俺は木陰に腰掛け、一人で静かに笑っていた。
■ダレン > 暫く休み、体も馴染んできた気がする。
腹も減ってきたことだし、街に戻ることにした。
そういえば今日から祭だ。 何かおいしい物が食べられるかもしれない。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からダレンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアインズさんが現れました。
■アインズ > 旅人が行き交うメグメール街道、自然地帯よりも人の手が加わった王都マグメールへ繋がる街道の一つ。
今宵は星や月が輝き夜を照らしているのだが、おかしな事に街道を薄い霧が包み込んでいた。
視界は最悪と言う程でもなく、ランタンの明かりがあれば一先ずの視界は確保できるであろう濃度であるが、とにかく霧が発生する事自体が異常であり、その霧自体も方位磁石等の針を狂わせる霧に迷い込んだものを惑わせる、そんな異常性を宿した物であった。
幸いな事に此処は街道である。
真っ直ぐに進めば王都マグメールはもう直である。
霧、不可思議な力を持つ霧だけであれば然程危険ではないのだが、その霧にはモンスターが迷い込んでいた。
人間の頭部程もある巨大な目玉に様々な太さの触手を生やし、浮遊するモンスター……名前はアインズ。
邪竜の遺骸から抜け落ちた目玉、魔王の尖兵、天界から降りた監視者等の様々な推測がされているが、よくその正体はわかっていない不気味な目玉のモンスターである。
それが音も無く、霧を揺らす事も無く、不可思議な力でふわふわと浮いており、街道を包み込む霧の中を何かを探すように彷徨い進んでいた。
■アインズ > 目玉に触手を生やしたモンスターが霧の中を彷徨う姿は酷く滑稽かもしれない。
だが危険度で言えば通常のエンカウントより非常に危険なのは間違いないだろう。
餌食にされる人間は霧の中で視界が悪くとも、巨大な金色の目玉には霧は視界を妨げるモノではないようで、王都の方向にゆっくりとした速度で向っているようで……。
普通の魔物であれば人の居る場所は避けだろうし、ましてや王都クラスの場所へは冒険者が危険なダンジョンの階層に踏み込まないように魔物だって危険を感じて踏み込まないだろうが、この巨大な目玉に触手を生やしたモンスターだけは別のようで、彷徨うようで、しかし目的地が決まっているかのように動くさまは矢張り酷く不気味である。
ギョロ……ギョロ………
王都マグメールの方に向えば誰かしら人間に遭遇できると考えているのか、先程よりも周囲に視線を向ける量も回数も増え、速度は一段と遅くはなるが、触手を伸ばし蠢かせ、霧の中を探る真似まで始めるのだった。
無論金色の眼には霧の向こう側にも中にも人の気配も姿も捉えられない、なのに何故か触手を動かし、その表皮から滲み出している粘液を撒き散らしている……。
……触手の表皮を伝い、丸みのある先端をなぞり、糸を引いて地面に落ちるその粘液、よくよく見れば粘液が地面に落ちると瞬時に蒸発し、白い煙となって霧に紛れていて……それが霧の発生源なのか、までは不明ではあるが少なくとも霧に宿る不可思議な力は魔物の粘液と通じて発生しているようだった。
■アインズ > 霧の中を彷徨い続けたがどうにも反応は見当たらないようだ。
巨大な金色の眼は一度だけ瞬きをすると、すぅっと音も無く霧の奥深くに消えていった……。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からアインズさんが去りました。