2017/06/25 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアインズさんが現れました。
■アインズ > 昔アインズという魔物を調査した賢者がいた。
かも魔物は何処から来て何処へ行くのか、巣は?その魔力の源は?と……。
結果は酷く曖昧な答えしか判らなかった。
気がつけば存在していて、気がつけば遺跡や自然地帯を彷徨い、冒険者に屠られて消滅する。
その際に溜め込んでいた魔力の結晶や他の被害者から集めた?と思わしき硬貨を落す。
明確に判ったのは行動原理だけ。
その身体の半分ほども占める巨大な目玉に捉えた獲物を種族や性別を判別し、雄であれば殺し雌であれば繁殖・苗床にふさわしければ嬲り、未熟であれば何処へともなく攫って行く。
其処から想定されるに増殖方法はヒトの胎を借りた方法であると推測はされるが、その場面を見た者は誰一人いない……。
邪竜の屍骸から抜け落ちた目玉
魔王が異界から送り込んだ偵察兵
生贄に集められた目玉が恨みで形を成したもの
と、呼ばれているが行動原理を見る限り生物の一種では?
等とそれもまた未だに論議されている事である。
メグメール街道。
今夜は鮮やかな月が街道を照らしているだろう。
しかし今宵は不自然に薄い霧が街道を包み込み、街道を天然の迷宮にしている。
そして、その薄い霧に紛れて空を這い、街道を徘徊する件の魔物の姿も見られるだろう。
冒険者であれば捕獲の依頼を受けているのか、それともアインズの身体に溜め込まれた魔力の結晶や硬貨が目的か、若しかしたら何も知らぬ冒険者かもしれないし、旅人かもしれない。
そのどれであろうと、薄霧の中を歩くのであれば今宵は不運にも巨大な目玉に無数の触手を生やした魔物と遭遇する事になるだろう。
■アインズ > 触手を引き摺り浮遊しているわけではないから、薄い霧の中でアインズを探そうとするなら、ランタンや灯りを薄霧に向けて眼を凝らして探してみるか、若しくは手探りしかないだろう。
それか嫌な気配を感じて避けて霧の中を歩くしかないだろう。
幸いにも数メートル先も見えないような濃度の霧ではない。
ただし、霧に紛れ物影に隠れながら進むには十分な濃さはあり、空中を浮遊しているが故にない足音が重なれば非常に見つけづらい状況となる。
――ふわり、ふわり
巨大な目玉が薄霧を掻き分けるたびに空気が乱れ、不思議な事に薄い柑橘系の果実の香りが空気に混ざる。
だがそれはあまりにも不自然で、地面も時折踏めばヌチャと音がする程に何かで濡れている……。
巨大な目玉の魔物アインズ。
不意に移動をやめると、その巨大な眼の前に己の触手の1本を近づけ、ジィと凝視をするとつるりと丸い触手の先端がじわっと形が歪み、一気にホロりとバラバラに崩れて解けるとそれはまるで刷毛の如く細く柔らかそうな触手の束へと変化を遂げる。
■アインズ > 柔らかく細かな触手束に変化した触手の切っ先を使い、ベチャベチャと音をさせて近くの岩場に柑橘の香りがする粘液を擦り付けると、シュルルと細かな束を捻り一まとめに束ね直し、普通の丸みのある先端へと戻すと、またふよふよと空中を浮遊し薄霧を掻き分けて、何処かへと消え去るのだった……。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からアインズさんが去りました。