2017/06/07 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアインズさんが現れました。
アインズ > メグメール自然地帯からゾス村へ……
ゾス村からメグメール街道へ……

人の手である程度地面は均され木々は伐採され「街道」となっているその道は今宵は不思議な事に薄く白い霧に覆われていた。
不思議な事に1m先も見えない霧ではなく、本当に薄く薄く時折道の先が見づらいかな?と思うほどに薄く広がる霧で有り、まるでその霧は何かを隠す為に発生したかのように見えた。

が、それはきっと偶然、その街道を浮遊するニンゲンの頭部程のサイズの巨大な目玉に無数の触手を生やした魔物には霧を呼ぶような能力は持っていない……。
だからこの霧は偶然の産物である筈、なのに魔物の姿を都合よく覆い隠し、街道を迷宮の如く仕立て上げている。

ふわ、ふわ、と音もなく、白い霧を掻き分けて浮遊するアインズと呼ばれる魔物はその霧が出ている事を都合よく思ってか人通りがありそうな場所を我が物顔で彷徨いながら、その金色の瞳を爛々と輝かせ血走らせ、繁殖する為の苗床を探し続ける。

もし馬車でも来ようものなら馬を催眠状態に陥らせて狂わせようか、それとも馬を驚かせて馬車を転倒させようか、兵団や冒険者達が来れば美味そうなニンゲンだけ引きずり出そうか?
決しては強くはない、が強大な力を込めている魔眼は何かを企んでいるのか、その血走る眼を愉悦と狂気に満ち溢れた形に半月の形に歪めて、辺りを見回し続ける。

アインズ > 金色の眼に反射して映るのは霧と木々くらいであった。
つるりとした眼球の表面に映るそんな木々の合間にある小さな影であっても何か動体の影があれば視界に捕らえ、それが何か判るまでじぃと凝視……をくり返す。

無論人が通るような街道である。
魔物にとっても危険な者達も通る可能性はあるだろう、しかし今宵の薄霧は完全ではない物の姿を隠してくれる事には変わりなく、そうであれば魔物の方から不意をつく事ができ遠距離での攻撃を得意とするアインズにとっては好条件で、中々街道から移動しようとはせず、その行き先は王都の方に向っているのであった。

よりキケンな筈である王都……
それでもアインズは繁殖する為により良い獲物を捕らえる為に進み続ける。
ゆるやかな速度で霧を泳ぎ掻き分けて……。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からアインズさんが去りました。