2017/05/26 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にゼノビアさんが現れました。
■ゼノビア > ――あの晩、現在所属している安宿の店長に高級な酒場への紹介書を強請った結果ごらんの有様である。
こんな夜更けに護衛もつけずメグメール街道をランタンの明かり一つを頼りに一人歩く姿は寂しげであるし、執事が何故一人?と奇異と疑いの眼差しを向けたくなるだろう。
だが幸いにも誰一人街道を通るものはいないし、時々感じる視線はフクロウか獣のモノくらいだ。
よく考えればこんな時間に歩いているのがまずおかしい、普通であれば近場の村で宿を取るとかもっと早い時間に行動をするとか護衛をつけるとか乗合馬車にのるとか方法は幾つかある。
しかし、予算も懐具合も知り合いもいない身分では選択肢は少なく、その中でも危険では有るが一番お財布が痛まない選択肢が今まさに是であった。
「……上着脱いできたのは失敗だったかなぁ、この時間帯は流石にまだ寒いよね……まあ夜だしね人気ないしね熱源ないしね……。」
街中なら人の熱気があろう、だが此処は森と森に挟まれた街道である。
あるのは木々の葉が擦れあう音やふくろうの鳴き声くらいで、そこに混ざるのが狼の遠吠え、人の気配なんてないない。
愚痴を零す口はへの字の形。
普段の凛とした笑みを浮べる唇がこれなのだから、頬は釣りあがり、露骨に苛立ちを顕にした表情を浮べ、スタスタと先人が築いた補正された街道を歩き続けるのだった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にレイチェルさんが現れました。
■ゼノビア > 道に迷う事がないくらいには確りと舗装されている街道。
此処を歩くのは3度目、王都マグメールへの道は迷うわけがなく、護衛対象がいるわけでない現状は途中でトラブルさえ発生しなければ以外にサクサクと進んでいける。
――正直山賊でも来てくれれば、殴り倒して追剥……もとい成敗する事で懐も気分も身体も温まろう、が残念ながらどうも山賊の気配すらない。
次回は乗り合い馬車にでも乗って、往復しよう。
でも王都に帰り着けば安宿での仕事は是で終り、紹介書に従って少しランクの高い店に移動もできる。
そう思えば馬車なんかより今後を想像しながら移動できる徒歩の方がやっぱり良かったと、色々と考えながら歩き続けるのだった。
■レイチェル > カタカタと暗い街道に音を響かせてあまり作りの良くない小さな馬車がぶら下げたランタンの灯を揺らして進む。
馬車を引く一頭のロバの手綱を座り操りながら少し眠そうな目で先を見つめて。
「今日中に返れなかったなぁ。さっきの宿場で泊まればよかったかも」
途中にあった宿場で止まらずに進んだことに今更に後悔をして、かと言って戻るにも微妙な距離まで来ている。
それなら戻るより進もうという考えて急いではいるが速度は上げずに馬車を走らせて。
そうしてどれだけか進んだか先に灯りを見つければもしかして盗賊の類かと警戒をする。
しかし近づけばそれは一人歩く少年だと知れば安心して馬車を近づけて。
「そこの君。よかったら乗っていく?ぼろくて乗り心地は最悪だけどね」
通り過ぎてもよかったのだが確実に年下に見える姿に放っていくのも悪いと考えて声を掛ける。
■ゼノビア > 天の助けか、未来を妄想する邪魔をする者か、考えながら歩いていればロバが闊歩し馬車の車輪が回り街道を歩く音に気がつくのが遅れ、一瞬だけ己自信の不甲斐無さと誰も通る筈ないだろうという慢心に何とも言えない複雑な表情を浮べるが、一瞬でそれは昇華させ、キリと普段の執事の顔を凛とした笑みを向けて、声の主の方に視線を向けよう。
で、此方の方に近づいてくる馬車に対して自分も歩く速度を緩めて、馬車の方に視線を向けた。
「……始めまして親切なお嬢様。無賃乗車になりますが、宜しければお言葉に甘えても?」
と、まず最初に自分の財布が空に近い状態でお礼の一つも出来ない事を宣言してからランタンを肘にかけ、絹手袋をつけた両手をそっと掌と掌を重ねて、軽く小首を傾げるようにしてからニコと笑みを浮べて問う無賃乗車で構わないかと。
流石に相手の声だけでお嬢様と判断するのは軽率だとは思ったが、女性は若く見られたいものだという先輩諸氏のアドバイスによりお嬢様と呼ばせてもらったが、その辺はどうなのだろうか、その点は不安である。
■レイチェル > 「お嬢さんなんて歳は流石に過ぎてるよ。どうせならお姉さんでいいよ。
君の行きたい場所に向かわないかもしれないよ。それでもいいならお題は結構かな」
年下に見える少年への気まぐれの親切なだけにお題を貰おうという考えは最初からなく。
逆に行先について同じではないかもと告げてそれでもよければと告げる。
少年の仕草にもしかして良いとこのお坊ちゃん?と考えるのだと一人で歩いている事の説明がつかなく。
そう思うのも執事というものを見た事が無いのが理由なのであるが。
少年が乗りやすい様にと馬車の速度を可能な限り落としてどうするのかと笑みを浮かべながら見下ろして。
■ゼノビア > 「……………姉様?」
最大限の譲歩である。
主従の関係であり命令であれば素直に希望通りの呼び名で呼ぶのだが、初見の方でましてや親切にしてくれる方である。
ならばより丁寧な言葉を選んで呼ぶのだが、お姉さん、は聊か難しい、ので希望のお姉さんに様を足したのだが、意味合いが少し違う気がする……けど一先ず気にしない事にした。
「……私の行き先は王都マグメール、ですのでお姉様の行き先が離れる前に何処かで下ろして頂ければ大丈夫ですので……。」
と、行き先が同じではない可能性があっても構わないと返答を返すと歩きながらなので略式にはなるが、軽く会釈をしてから、身の軽さを最大限に発揮してふわりと馬車に乗る。
出来れば折角なので女性の隣が良いが、それも許可無くてはあれなので、荷台の方にと……。
■レイチェル > 「……お姉さんにしてくれないかな?」
様を付いた呼び方が非常にむず痒くてそうしてくれないとお願いするように告げて。
初めて会ったばかりの少年に様付けで呼ばれることに抵抗もある訳だが…。
「あ、それなら同じだよ。これはマグメール行きだから運がよかったね」
少年の行先を聞くと運がいいねと笑みを見せて行先は同じと告げる。
これで一人寂しい帰路に連れが出来たと少年に見られないように喜んで。
後に乗ろうとする少年に話し相手になって欲しいのもあり隣を進める事に
■ゼノビア > 「………お姉様?」
今回は妥協案でも何でもなく、ただ単に相手をからかっての言葉である。
折角馬車に乗せてくれたのだからお願いの一つでも聞くのも良いが、一人寂しく歩いて王都に帰還しなくて済んだ事への喜びと照れ隠しのついでに意地悪である。
「……では、短いか長いかは駿馬次第。暫しお付き合いさせてください。私の名前はゼノビア、お姉様のお名前を聞かせて頂いても?」
意地悪に意地悪を重ねつつ、進められて荷台から彼女の隣へと移ると丁寧に名前を名乗り、名前を尋ねよう。
今宵一夜限りの出会いかもしれないし、王都に着くまでの姦計かもしれないが、親切にしていただいた方の名前は胸に刻んでおこう。
凛とした涼しげな笑みを口元にほんのりと浮べて、自分よりだいぶ背丈の高い今宵の友に見上げるように視線を向けて重ね合わせて……。
■レイチェル > 「お姉さんって呼んでくれないと置いてくよ?」
流石に二度目は揶揄われていると判り僅かに馬車の速度を上げ。
置いて行くつもりないが意地悪には意地悪で返そうとしょうもない対抗心を見せてしまう。
「この子はのんびりだから長くなるかな。王都までだけどよろしく。君はゼノビア君っていうんだね。私はレイチェルだよ」
隣へと来た少年の自己紹介に名前を名乗り返して視線を向け。
もしかすればまた会うかもしれないが広い王都ではその確率も高いとは言えずに名前だけでも覚えておこうと考え。
夜闇の中にどこか眠そうな笑みを浮かべて、自分よりも背の低い少年を見下ろして視線を合わせ、もう一度よろしくと告げれば視線を前に戻す